鋼の錬金術師 RE-2773

作品紹介

公開年月  2017/12/01
ジャンル  ファンタジー/アクション
原作  荒川弘 『鋼の錬金術師』
監督  曽利文彦
脚本  曽利文彦、宮本武史
製作  高橋雅美、松浦克義、ほか
製作国  日本
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

錬金術師の兄弟エドとアルは、亡くなった母を生き返らせようとして失敗してしまう。
その結果、エドは右腕と左脚を失ってしまい、弟のアルは全身を失う事になる。
やがて兄弟は失った身体を取り戻す為、そのカギとなる伝説の“賢者の石”を求めて旅に出るのだった。

登場人物&出演者

エド/エドワード・エルリック(演:山田涼介)
主人公。鋼の錬金術師。弟のアルとともに母親を錬成しようとして右腕と左脚を失う。
山田涼介は代表作に『暗殺教室』シリーズ、『グラスホッパー』などがあります。
国家錬金術師として12歳で合格する天才であり、錬成陣なしで錬金術を発動させられる。
右腕と左脚はオートメイルで、幼馴染みのウィンリィが整備をするも壊す度に怒られる。
ロイがヒューズ中佐の殺人容疑にかけられ、近い人物としてリザとともに監禁されるも脱出。
最後はアルのサポートでロイがラストを焼き、目的の賢者の石を手にするも使わなかった。

アル/アルフォンス・エルリック(演:水石亜飛夢)
主人公。エドと母親を錬成しようとして全身を失う。巨大な鎧にに魂を定着させている。
水石亜飛夢は代表作に『グール/喰怨』、『クロノゲイザー/時空の結び目』などがあります。
鎧に魂を定着されているだけなので、視覚と聴覚以外の感覚はなく、睡眠や食事もいらず。
国家錬金術師となったエドとともに自分の体を取り戻す旅で、賢者の石をずっと探していた。
ショウ・タッカーの言葉で自身はエドに作られた存在だとすり込まれ、ケンカをしてしまう。
最後はタッカーに囚われるも脱出し、ラストの爪を折ってロイに反撃のチャンスを与えた。

ウィンリィ・ロックベル(演:本田翼)
ヒロイン。エドとアルの幼馴染み。エドのオートメイルの整備士として右腕と左脚を調整。
本田翼は代表作に『らくごえいが』、『アオハライド』などがあります。
アルのオートメイルを心配して故郷からやって来ると、その後も彼と一緒に行動する。
セントラルからやって来たヒューズ中佐に誘われ、エドやアルとともに食事をごちそうに。
エドとともに軍で研究をしていたドクター・マルコーを訪ねるが、ラストの襲撃を受けた。
最後は逃げたショウ・タッカーに捕まるが、アルとともに脱出して生還を果たした。

・ロイ・マスタング(演:ディーン・フジオカ)
焔の錬金術師。東方司令部の軍部大佐。大総統の地位を目指す野心家でエリートである。
ディーン・フジオカは代表作に『八月の物語』、『NINJA THE MONSTER』があります。
同期であるヒューズ大佐が中央からやって来ると、軍部はすべて信用できないと警告する。
賢者の石を必死に探していたエドの行きすぎた行動を注意し、国家錬金術師の意味を説教。
ヒューズ中佐を殺した容疑をかけられ、第五研究所に乗り込み、エンヴィーの正体を暴く。
最後はエンヴィーを焼き殺し、隙を見せたラストも焔に包み、賢者の石を抜き取った。

リザ・ホークアイ(演:蓮佛美沙子)
軍部少尉。ロイ・マスタング直属の部下で副官。常にロイの傍にいて鋭い眼差しを送る。
蓮佛美沙子は代表作に『バッテリー』、『転校生/さよなら あなた』などがあります。
ロイがヒューズ中佐の殺害容疑をかけられ、軍部から監視される名目でエドと監禁される。
事実を確かめようとエドとともに第五研究所に向かい、そこで真実を知ってロイを助ける。
最後は研究所を出るホムンクルスたちを迎え撃ち、ラストを倒したロイの元に駆け寄った。

・ヒューズ中佐(演:佐藤隆太)
セントラルからやって来た中佐。ロイとは同期。妻は妊娠中で将来について明るく語る。
佐藤隆太は代表作に『海猿』シリーズ、『ROOKIES/卒業』などがあります。
人懐っこくエドやアルを友達と口にして、ウィンリィたちを自宅に招いて食事をした。
同期のよしみでロイに軍部は一枚岩じゃないと警告し、昇進する彼を励ましていた。
ウィンリィから賢者の石に関わる第五研究所を引き出し、エドの手伝いを自ら買って出る。
最後はラストたちの計画を知ったせいで襲撃され、ロイに化けたエンヴィーに殺された。

ショウ・タッカー(演:大泉洋)
綴命の錬金術師。生体系錬金術師の第一人者。現在は人語を使う合成獣の錬成に取り組む。
大泉洋は近年の出演作に『こんな夜更けにバナナかよ/愛しき実話』、『焼き肉ドラゴン』などがあります。
2年に錬成した合成獣は「死にたい」という一言を話し、失敗してしまっている。
研究に没頭するせいで妻に逃げられてしまい、家の中はグチャグチャで娘と二人暮らし。
国家錬金術師を喪失しない為に娘と愛犬を合成獣に変え、エドに殴り倒され、逮捕された。
最後はハクロ将軍に解放され、賢者の石を解明するが、知りすぎたせいでラストに殺された。

ハクロ将軍(演:小日向文世)
東方司令部の最高責任者。物腰が柔らかく、旅をしているエルリック兄弟を見守っている。
小日向文世は近年の出演作に『ミックス。』、『ラストコップ/THE MOVIE』があります。
エルリック兄弟の事を思い、生体系錬金術師のショウ・タッカーに会わせるようにした。
賢者の石について調査に行き詰まっていたエドに、第五研究所の場所を丁寧に教えた。
実はホムンクルスと繋がっていて、賢者の石で兵士を作り出そうとする野望を持っていた。
最後は「パパ」とホムンクルスたちに呼ばれるが、命令が通用せずに食い殺された。

エンヴィー(演:本郷奏太)
嫉妬の名を持つホムンクルス。左脚の太ももにウロボロスの紋章を持つ。変身能力を持つ。
本郷奏太は近年の出演作に『氷菓』、『闇金ウシジマくんPart3』などがあります。
常にラストの傍にいてグラトニーとともに従い、三人の中で特に人間を差別的な態度を取る。
ロイに変身して計画を知ったヒューズ中佐を撃ち殺すなど、能力で軍部を攪乱していた。
最後は賢者の石にある魂を使い切ってしまい、逃げたところでロイの焔に灼かれて消滅した。

グラトニー(演:内山信二)
食欲の名を持つホムンクルス。舌にウロボロスの紋章を持つ。何でも食べてしまう大食漢。
内山信二は代表作に『秘密』、『ごくせん/THE MOVIE』などがあります。
ラストを慕ってエンヴィーとともに行動し、死んだ人間に「食べていい?」と聞く。
ハクロ将軍が作動させた出来損ないのホムンクルスを食べていいとラストに言われる。
最後はラストがロイによって倒されると、それを悲しみながら立ち去っていった。

ラスト(演:松雪泰子)
色欲の名を持つホムンクルス。胸元にウロボロスの紋章を持つ。指先を鋭利な棘に変える。
松雪泰子は代表作に『フラガール』、『デトロイト・メタル・シティ』などがあります。
ホムンクルスのリーダー的存在で、エドを人柱と称して、知りすぎた人間を消していく。
知りすぎたマルコーを刺し殺し、真実を知ったヒューズ中佐を襲撃するなど積極的に行動。
バケモノ呼ばわりされると、外見や五感、親に対する愛情がある人間だと主張していた。
最後はアルの攻撃で怯んだ隙にロイの焔を食らい、賢者の石を取られて消滅した。

感想

個人的な評価

本作は原作となる漫画は『月刊少年ガンガン』にて2001年8月号から2010年7月号まで連載されていました。
略称に「ハガレン」が使われ、スクウェア・エニックスが発行したコミックスとして最高記録を保持しています。
多くのコアなファンを獲得している人気漫画だけに、今回の実写映画化に関しては多くの批判が集まりました。
その中でも登場人物はみんなが外国人でありながらも、全員を日本人が演じているという違和感が特に批判の的となりました。
原作でも主人公を始めとした登場人物たちは外国人の容姿であり、日本人が演じる時点で別物なのは明白であろう。
本作が特に力を入れたのはCGであり、邦画としてはかなり高いクォリティーだったと思う。
しかしながら、前述のように外国人を日本人が演じている違和感、街並みも中世ヨーロッパなのに日本人がいる違和感が激しかった。
主人公であるエドを演じる山田涼介は最初の戦闘シーンで走って逃げる姿はギャグだと思いましたが、その後は見慣れたおかげで違和感が消えました。
ヒロインとなるウィンリィを演じた本田翼は演技が下手だと有名ですが、泣くシーンでは一生懸命やっていたのでマシだろう。
全身がCGとなったアルは本作を象徴するキャラクターであるが、あまり出番がなかったのは残念だと言える。
脇役はベテラン俳優が固めていますが、原作の中でも不快になるエピソードを請け負うショウ・タッカーを演じた大泉洋は上手かったです。
登場した時はいい人に見えたが、国家錬金術師の資格を維持する為に非人道的な錬成をして一切後悔がない点を上手く再現していました。
本作では原作の良い場面を使おうとしていて、印象の強い絵を随所に盛り込んでいました。
ただ、大前提となる「違和感」はずっと引きずっていたせいで、なんだかコスプレ大会の学芸会に見えてしまうのも事実でした。
原作は多くの熱狂的なファンを持っているだけに、本作でのキャラクターの改変に納得できなかった人は多いだろう。
逆に原作が未読で何も知らない状態の人ならば、普通に楽しめる内容だと感じました。
ハッキリ言って、邦画で実写化する意味はあまりなく、どうせキャラクターを改変するならば、違和感のない海外で製作した方が良かったと思います。
映画としては体裁をきちんとしているが、大人気の漫画を実写映画化したハードルが高すぎて酷評を受けた残念な作品だと思います。