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ちはやふる/結び RE-2960

ちはやふる/結び RE-2960

作品紹介

公開年月  2018/03/17
ジャンル  スポーツ/青春/ドラマ
原作  末次由紀 『ちはやふる』
監督  小泉徳宏
脚本  小泉徳宏
製作  巣立恭平
製作国  日本
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

離れ離れになってしまった幼馴染みの新にもう一度会いたいと願う千早は、もう一人の幼馴染みの太一を巻き込み創設した高校かるた部。
史上最年少クイーン若宮詩暢と千早の激闘から早2年が経ち、新入部員に振り回されながらも最後の全国大会を目指して奮闘する瑞沢かるた部の面々。
しかし、予選を前に太一のある決断が千早を激しく動揺させてしまい、一方で団体戦に興味を示さなかった新は千早への思いを胸に出場を決意するのだった。

登場人物&出演者

綾瀬千早(演:広瀬すず)
主人公。念願だったクイーン戦に臨もうとするが、我妻伊織の前にあっさりと敗退した。
広瀬すずは近年の出演作に『SUNNY/強い気持ち・強い愛』、『ラプラスの魔女』がある。
新に告白されて固まってしまい、それを知った太一が焼き餅を焼いて退部に追い込まれる。
新入生を出迎えて実力を示していたが、迷っていた太一が大会に来ずテンションが上がらず。
それでも全国大会でなんとか団体戦で決勝まで勝ち進み、太一が合流して強さを発揮する。
最後は全国大会で優勝を手にして、数年後にはクイーンとなって後進の指導にあたる。

真島太一(演:野村周平)
千早の幼馴染み。東大の医学部を志望している。両親から「かるた部」の退部を言われる。
野村周平は近年の出演作に『ビブリア古書堂の事件手帖』、『純平、考え直せ』があります。
全国大会で新が先手を打って千早に告白し、そのせいでいじけて勝手に退部してしまう。
その間も勉強も録にできず、何をやっても中途半端で須藤に周防を紹介されて考えが変化。
本気で「かるた」を習うべく周防から師事を受けて、守りのスタイルで強くなっていく。
最後はケガした奏の資格を勝手に奪い、新に勝利するも勉強について一切触れないままに。

綿谷新(演:新田真剣佑)
千早の幼馴染み。千早たちの楽しそうな姿に触発されて藤岡東高校で「かるた部」を創設。
新田真剣佑は近年の出演作に『十二人の死にたい子どもたち』、『劇場版 コード・ブルー/ドクターヘリ緊急救命』などがあります。
引退を宣言した最強の名人である周防を倒すべく、彼を一年間留まらせる発言をしていた。
クイーンと戦った伊織を誘うも、その度に告白させても好きな子がいると断っていた。
すぐに部員が集まって個々の実力が非常に高いが、それぞれは団体戦の経験がほとんどない。
最後は決勝戦で太一と対決する事になるが、吹っ切れて主人公補正を持った彼に敗退した。

西田優征(演:矢本悠馬)
競技かるた部の部員。通称「肉まん」と呼ばれる。部の中でムードメーカー的な存在。
矢本悠馬は近年の出演作に『映画賭ケグルイ』、『レディ in ホワイト』などがあります。
「かるた部」では三番手の実力者であったが、筑波の入部によって立場が怪しくなる。
個人戦しか興味ない筑波の態度は団体戦を取り乱すと指摘して改善させる事になる。
ムードメーカーとしての機能はほとんど果たせず、なぜか筑波に小バカにされていた。
最後は団体戦の意味合いを筑波に示し理解し、千早たちが辞めると部長を引き継ぐ事になる。

大江奏(演:上白石萌音)
競技かるたの部員。呉服屋の娘。よく暴走する千早を止める役として今回は大活躍する。
上白石萌音は近年の出演作に『L・DK/ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』、『泣き虫しょったんの奇跡』などがあります。
新入生を迎えないと廃部になる中で、暴走しようとした千早を止めて勧誘に成功する。
千早がクイーン戦に挑戦できず、新がやって来て告白した場面に遭遇して慌ててしまう。
新の告白が校内に広がると千早に警告をして、なんとか事態を収拾しようと奮闘した。
最後は指をケガした事で駆けつけた太一が勝手にエントリーし、代わりに解説役となった。

駒野勉(演:森永悠希)
競技かるたの部員。みんなから「机くん」と呼ばれている。得意のデータ分析を駆使する。
森永悠希は近年の出演作に『食い逃げキラー』、『青の帰り道』などがあります。
当初は落ちこぼれだったが、仲間からの励ましによって地道に実力をつけていっている。
更に相手となる部を偵察してデータを取って、最も良い勝ち方のパターンを構築する。
太一と同じ特進クラスだが、万年2位の成績に甘んじるも学年で総合1位を取ってしまう。
最後は地道につけた実力で勝利を重ね、部の未来を考えて筑波や花野に経験を積ませていた。

花野薫(演:優希美青)
瑞沢高校の新入生。高校では新しい恋人を作る為に好みのイケメンを捜しているミーハー。
優希実青は代表作に『乙女のレシピ』、『うちの執事が言うことには』などがあります。
太一の格好良さにひと目惚れしてしまうと、興味のない「かるた部」に入部してしまう。
結局は太一と同じような不純な動機から「かるた」を始めるが、特に熱意はなく続けている。
全国大会で来年に部の中核となる事で、机くんの提案で実戦の経験して勝利を味わう。
最後は緊張感のある決勝戦の圧力に負けそうになるが、奏の解決を聞く役をまっとうした。

筑波秋博(演:佐野勇斗)
瑞沢高校の新入生。最初から「かるた」が強く、自分より弱い者の指示を受けないという。
佐野勇斗は代表作に『くちびるに歌を』、『凛/りん』などがあります。
当初から「かるた部」において一匹狼な振る舞いをして、団体戦を小バカにしていた。
個人的な戦法をしたせいでチームが負けてしまい、そこで初めて団体戦の意味を知った。
素直に自分の非を認めると、一気に個性を潰されて単なる部員の一人になってしまう。
最後は一匹狼じゃないという見せ場を作り、それなりの活躍をして「かるた部」を引き継ぐ。

須藤暁人(演:清水尋也)
北央学園の競技かるた部の元部長。現在は北央学園の指導をして東大かるた部に顔を出す。
清水尋也は近年の出演作に『レ・ミゼラブル/終わりなき旅路』、『3D彼女/リアルガール』などがあります。
圧倒的な強さを持っている名人の周防に部員が血祭りに上げられ、太一に紹介彼をした。
いつでも北央学園の勝利を第一に考えていて、かるた部を辞めても指導をして強さを維持。
最後は全国大会で瑞沢高校と当たってしまうと、主人公補正の前で生贄となって負けた。

我妻伊織(演:清原果耶)
藤岡東高校で新と同級生の女子生徒。以前、千早に勝利して詩暢に挑戦するも敗れ去った。
清原果耶は代表作に『3月のライオン』シリーズ、『レ・ミゼラブル/終わりなき旅路』などがあります。
書道の腕前が良く、屋上で大きな字を書いているところで新に「かるた部」へ誘われる。
ずっと新に片想いを持っていて隙あらば付き合おうと告白するも、あっさりと断られている。
千早を負かせば新を手に入れる事ができると考え、瑞沢高校を倒す為に日々特訓していた。
最後は千早と対決して優位に立つが、主人公補正の前にあっさりと負けてしまう。

若宮詩暢(演:松岡茉優)
現クイーン。左きき。千早を負かした我妻伊織の挑戦を受けるもあっさりと勝利してしまう。
松岡茉優は近年の出演作に『黒井戸殺し』、『万引き家族』などがあります。
千早と対戦の中で何かを感じていたが、負けた彼女から声をかけられても冷たい対応をする。
あくまで個人戦だけしか興味がなかったが、新が団体戦をする事を聞いて興味が湧く。
地元のゆるキャラのライブが雨天中止となって、ちょうどいいところで解説役を任される。
最後は千早のクイーン挑戦を聞くと、借りていたゆるキャラのタオルを返して立ち去った。

宮内妙子(演:松田美由紀)
競技かるた部の顧問。受験生となった生徒たちの進路を聞くが、千早の答えに唖然とする。
松田美由紀は近年の出演作に『犬神家の一族/2018年版』、『泣き虫しょったんの奇跡』などがあります。
あくまで顧問として千早たちをサポートしているが、受験生である事をしっかりと伝える。
最後は大会で解説役となった奏の言葉を聞いて、一喜一憂して勝利した事に喜んでいた。

原田芳雄(演:國村隼)
神社の神主で白波会の長。名人戦で周防を相手にするもまったく歯が立たず五連覇を許す。
國村隼は近年の出演作に『アルキメデスの大戦』、『剣客商売/手裏剣お秀』などがあります。
その影響で悪かったヒザを更に悪化させてしまい、結果として入院するハメになってしまう。
リハビリをしている時に迷っている太一が訪れると、彼に必要な助言を遠回しに与えた。
最後は周防を倒すのはベテランである自分だと言い放つが、結局は解説役に終始徹していた。

周防久志(演:賀来賢人)
東大7年生で「かるた」の名人戦を五連覇している。「かるた」に思い入れを持っていない。
賀来賢人は代表作に『
圧倒的な強さで他者の追随を許さない反面、素っ気ない態度を取って嫌われる一面もある。
それでも独自の理論で「かるた」に熱い人間は苦手と認め、迷う太一を逆に認めている。
実は視野狭窄を患っていて目がほとんど見えず、音で読み手から判断してかるたを手にする。
最後は師事を仰いだ太一の迷いを吹っ切らせ、再び彼に立ち上がる言葉を自分なりに与えた。

感想

個人的な評価

本作は『ちはやふる』三部作の完結編となります。
漫画を原作とした実写映画として間違えなく成功した珍しいシリーズ。
扱っている題材は馴染みのない「かるた」だが、その魅力を伝えた本シリーズの貢献は凄まじいだろうと思います。
それぐらい「かるた」の素晴らしさを伝えると同時に、若手役者たちのフレッシュな演技もまた青春を表現していました。
本シリーズはあくまで青春の1ページを魅せていますが、その中で若者たちが何かに一生懸命打ち込む姿を眩しく映る事だろう。
彼らのような青春を送った人、その逆で送れなかった人ですら虜にする魅力があります。
本作はサブタイトルが示すようにひと区切りを打つ完結編となるが、主人公の千早、幼馴染みの新と太一の関係に焦点を絞っている。
1作目では「かるた」の面白さを伝え、2作目で千早たちの関係性を伝え、本作で明確な答えを出そうとしています。
ただ、本作は完結する事を意識したせいで「かるた」はオマケ要素となり、太一という人物の物語になってしまっている。
主人公であるはずの千早は物語のキーパーソンではなく、ライバルとなる新の描写はほとんどなくて存在感が薄くなっている。
あれだけ新という人物の実力を引っ張っただけに、本作での扱いはかなり残念に思えた。
結局、太一というキャラクターの迷いを振り切る展開となるが、「かるた」以外の事は置いてけぼりとなっている。
そもそも太一は不純な動機で「かるた部」を創設しているにも関わらず、自分勝手な行動をして、最後には勝利を一緒に喜んでいるという。
確かにラストでは感動的な場面であるが、そこまでの道のりは共に歩いておらず、ポッと出で勝ちを掠っていく薄っぺらさを感じてしまった。
そのせいで「かるた」が登場人物たちの関係性を押し上げる歯車に成り下がったのは非常に残念だと思っている。
個人的には序盤からの中途半端な恋愛描写はあまり気に入らず、そのせいで後半の「かるた」が軽くなってしまったと考えている。
チームでの絆の大事さをあれだけ積み上げたのに、最後は個人の思いで達成する点はなんだか違うような印象を持ってしまった。
やはり、本作は完結を強く意識したせいで色々と詰め込みすぎて、必要な描写まで尺が足りずになんだかスッキリしないような終わり方だと感じました。


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