ちはやふる/上の句 VD-167

作品紹介

公開年月  2016/03/19
ジャンル  スポーツ/青春/ドラマ
原作  末次由紀 『ちはやふる』
監督  小泉徳宏
脚本  小泉徳宏
製作  北島直明、巣立恭平
製作国  日本
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

お綾瀬千早、真島太一、綿谷新の三人は幼馴染みで“競技かるた”でいつも一緒に遊んでいた。
千早は“競技かるた”に情熱と夢を持つが、家庭の事情で新が福井に戻り、三人は離れ離れになってしまう。
高校生になった千早は太一とともに“競技かるた部”を創部し、全国大会を目指して東京都予選に挑むのだった。

登場人物&出演者

綾瀬千早(演:広瀬すず)
主人公。高校で競技かるた部の創部を目指す。天性の耳の良さを持つ。姉は有名人。
広瀬すずは映画デビュー作に『謝罪の王様』があります。
幼馴染みの太一と新と別々の道を歩んでも、ずっと一人だけ競技かるたを地道に続けていた。
太一と再会すると、競技かるた創部に奔走し、最低条件の五人を集めるもなぜか副部長に。
練習試合では「ドS」として知られる強豪の須藤暁人に負けるが、駒野の一喝で立ち上がる。
最後は東京都大会で因縁の須藤と対決し、仲間を気にせず本来の実力を出して優勝した。

真島太一(演:野村周平)
千早の幼馴染み。イケメンで優秀、更に金持ち。転入してから何度か告白される断り続ける。
野村周平は映画デビュー作に『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』があります。
片道2時間もかかる進学校より地元の高校に転入して、幼馴染みだった千早と再会する。
実はずっと千早に片想いし、いいところを見せようと新のメガネを隠していた過去を持つ。
その為、かるたの神から見放され、遠征試合での運命戦では自陣の札が詠まれなかった。
最後は東京都大会で自らの運命を認め、運命戦となって相手に圧力をかけて優勝を手にする。

西田優征(演:矢本悠馬)
元々はテニス部に属していた。転入してきた太一を見つけると、フレンドリーに話しかける。
矢本悠馬は映画デビュー作に『ぼくんち』があります。
テニス部では格好だけが立派で実力を伴わず、千早と太一を見かけると入部を決意した。
小学生の頃に競技かるたで二人と対戦しているが、瞬殺されて一切覚えてもらっていない。
遠征試合では決勝戦まで進むが、新との対決では圧倒的な実力の前に為す術もなく敗戦する。
最後は東京都大会で駒野を敗戦処理させるチームプレイをするが、決勝戦で一致団結した。

大江奏(演:上白石萌音)
呉服屋の娘。千早が貼っていた競技かるた部の勧誘ポスターで着物の袷が逆だと呟いた。
上白石萌音は映画デビュー作に『『空色物語』第四話/上白石萌音〜ニケとかたつむり〜』があります。
日本文化をこよなく愛する古風な女の子で、かるたの優雅な歌に心底惚れ込んでいる。
勧誘ポスターを見ていた時に千早が追いかけて逃げるが、かるたの魅力を伝えて入部した。
白波会との練習では太一が高校に転入した理由を知り、千早との恋を影ながら応援する。
最後は東京都大会で初勝利を手にするが、決勝戦では実力差で負けるもチームは優勝した。

駒野勉(演:森永悠希)
みんなから「机くん」と呼ばれている。一匹狼で常に大量の本が入ったスーツケースを持つ。
森永悠希は映画デビュー作に『しゃべれども しゃべれども』があります。
唯一、部に入っていなかった事から太一たちから勧誘を受け、頭の良さを証明する為に入部。
最初は規則という事で部員のフリをしていたが、千早の言葉によって考えを改める事に。
練習試合や遠征試合で腑抜けになった部員を一喝し、作ったアプリで全員を奮い立たせた。
最後は東京都大会で勝ち星を挙げられず抜けようとするも、説得されて決勝戦で優勝をした。

綿谷新(演:真剣佑)
千早の幼馴染み。祖父はかるた名人として知られる。ずっと一人で練習してきた猛者。
真剣佑は映画デビュー作に『SPACE MAN』があります。
千早に競技かるたを教えた人物であり、名人の孫という事で圧倒的な実力を備えている。
唯一の弱点は目の悪さであり、試合に勝とうとした太一にメガネを隠されるも本人は知らず。
遠征試合では太一と再会し、決勝戦では西田と対決するも圧倒的な実力で優勝した。
最後は千早から優勝の報告を受け、太一から罪の告白を聞くが、かるたを辞めると宣言した。

木梨浩(演:坂口涼太郎)
白波会の練習試合に来ていた須藤の腰巾着。常に須藤の傍にいて代わりに説明している。
坂口涼太郎は映画デビュー作に『書道ガールズ!!わたしたちの甲子園』があります。
失礼な態度を取った千早に須藤の説明をして、対戦した駒野に圧倒的な実力差で勝った。
最後は東京都大会の決勝戦で太一と対峙し、彼の圧力に負けて「お手つき」で負けてしまう。

須藤暁人(演:清水尋也)
白波会の練習試合に来ていた強豪。通称「ドS」と呼ばれ、気に入らないと容赦はしない。
清水尋也は映画デビュー作に『ラジオデイズ』があります。
最初の一礼で千早が頭をぶつけて謝るが、そのやり方が気に食わず試合で圧勝してしまう。
最後は東京都大会の決勝戦で千早と対峙し、本来の実力を出した彼女の前に負けた。

原田芳雄(演:國村隼)
神社の神主で白波会の長。千早や太一たちに競技かるたを教えた先生。今でも名人を目指す。
國村隼は代表作に『萌の朱雀』、『芋たこなんきん』などがあります。
初心者である駒野と大江に競技かるたを教え、太一や千早にも成長を促すアドバイスをする。
過去に新のメガネを隠した罪悪感、競技かるた部に入った雑念などを聞かされていた。
最後は東京都大会の決勝戦で顔を出し、チームが一丸となって優勝して素直に喜んでいた。

感想

個人的な評価

本作は末次由紀が原作で2008年2号から『BE・LOVE』にて現在進行形で掲載されています。
単行本ではすでに37巻が発売され、実際に存在する“競技かるた”をテーマにした作品であり、映画に限らずアニメ化のメディアミックスもされています。
競技かるたというのは小倉百人一首を用いて、社団法人全日本かるた協会が定めた規則に則って行う競技となっています。
老若男女に限らず行われている伝統文化だと思われるが、実は高度な瞬発力、記憶力、精神力を必要とするスポーツの一面を持っている競技である。
その歴史は昭和29年に統一され、昭和30年から男子選手権の名人戦、昭和32年から女子選手の最強を決めるクイーン戦を主催しています。
本作はまさしく、競技かるたというモノを広める為に作られた作品だと言えるでしょう。
同じように昔からある日本伝統の競技を漫画化した作品は多く、それらのヒットによってブームになった事があります。
そんな本作では注目される若手役者を起用し、ヒットした漫画を実写映画化しています。
ハッキリ言って、競技かるたのルールを知っている人は少ないが、本作から本格的にやろうと思う人も少なからずいるでしょう。
本作は青春の中でマイナーな競技かるたを一生懸命やる登場人物たちとの相乗効果で、興味を持つ人も増えていくと思います。
とにかく、本作では主要人物たちの分かりやすいキャラクターが大勝利と言えるでしょう。
主人公である千早、幼馴染みの太一などは重要人物なので、そこまで濃いキャラクターだと言えないところがあります。
しかし、演じている両者は旬の女優や俳優なので、個性が弱くても自然と目立っています。
それに対して、脇役となる部員たちはその二人よりもキャラクターが濃く、非常に分かりやすいのが良かったと思います。
特に競技かるたへの興味がなかった「机くん」と呼ばれる駒野勉を演じた森永悠希は良い演技をしていました。
型にハマった典型的な優等生タイプだが、実は孤独で誰にも頼られていなかった人生から、誰かに頼られる人生を楽しんだ人物だと言えます。
クライマックスの決勝戦ではチームの足を引っ張る事を痛感し、一度は辞めようとするけど、仲間の励ましから続ける。
当然のように相手は熟練者なので勝てなかったが、それでもチームを一丸にまとめる役割を充分に果たしていました。
最後はもちろん、主人公やそれに関わる人物がおいしいところ取りをするが、個人的には駒野を含める部員たちのおかげで作品は盛り上がったと思います。
本作は二部構成なので、主人公の活躍が少なく、幼馴染みも心のわだかまりを取るだけで物語としてはまだまだこれからという感じです。
次の作品では主人公や幼馴染みが中心になってくるはずなので、そこら辺に注目したいと思います。