呪怨/白い老女 VD-131

作品紹介

公開年月  2009/06/27
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  三宅隆太
脚本  三宅隆太
製作  福原英行、原知行、ほか
製作国  日本
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

ある家で司法試験に落ちた息子が家族5人を次々と惨殺し、自らも首を吊って自殺した。
死ぬ間際に録音したカセットテープには「行きます。すぐ行きます」という彼の声とともに少女の不気味な声が混じっていた。
その少女の声は未来という女の子で一家惨殺事件の被害者で、現在、高校生となった親友あかねは霊感が強く、彼女の前にその姿を現すのだった。

登場人物&出演者

柏木あかね(演:南明奈)
高校生。7年前に父親が謎の失踪をしている。学校では霊感が強いという噂になっている。
南明奈は代表作に『コーラスたい♪/彼女たちのキセキ』、『土竜の唄/潜入捜査官REIJI』などがあります。
霊感が強いと知った同級生が「こっくりさん」を実践した時に小学生の幽霊を見て帰った。
小学生の頃に磯部未来の同級生だったが、兄の篤が危ないと分かるも何もできず。
持っていた熊のぬいぐるみを未来に手渡したが、結局はなんの効果もなく殺されてしまう。
最後は小学生の未来が幽霊として登場するが、「ごめんなさい」の連発で難を逃れた。

柏木(演:宮川一朗太)
あかねの父親。タクシー運転手。小学生のあかねをタクシーで小学校まで送っていた。
宮川一朗太は代表作に『家族ゲーム』、『ゴジラ vs メカゴジラ』などがあります。
後部座席に謎の液体が付着し、処理している途中で最後に乗せた客について聞かれる事に。
そこで青白い顔をした男の幻覚を見た瞬間、背後にいた白い老婆に捕まって失踪した。

文哉(演:鈴木裕樹)
サンタクロースの衣装を着てクリスマスケーキの配達をするバイトで磯部家を訪れた。
鈴木裕樹は代表作に『テニスの王子様』、『シャカリキ!』などがあります。
チャイムを鳴らしても返事がなく、諦めようとしたところでドアが開いて家の中に入る。
玄関に入ると女性が待ってもらうよう言われるが、奥で物音がして様子を見るべく上がる。
小学生を見て台所に行くが、そこに死体があって驚いたところで背後から白い老婆に遭遇。
放心状態で警察に千穂が出迎え、家でクリスマスデートするも白い老女を見て刺し殺す。

千穂(演:みひろ)
文哉と同居する恋人。警察で事情聴取を受けていた文哉の元に急いで駆けつけた。
みひろは代表作に『水に棲む花』、『ランニング・オン・エンプティ』などがあります。
未だに放心状態だった文哉にクリスマスプレゼントを贈り、なんとか気持ちを切り替える。
クリスマスデートの予定だったが、事情聴取のせいで予約キャンセルしてもめげない。
白い老女に見えた文哉によって包丁で喉を刺され、その後も何回も刺されて涙を流し死亡。

磯部淳子(演:中村愛美)
磯部家の長女。父親の世間体を気にする態度が気に食わず、継母の美帆を認めていない。
中村愛美は代表作に『WASABI』、『激写!カジレナ恋愛中!』などがあります。
引っ越しをする際に安すぎる事を冗談で美帆に言うも、それが通じず呆れてしまう。
家族全員を見下していて、テレビを見ていた時に篤が強引に浴槽へ投げられ焼かれて死亡。

磯部ハツ(演:星野晶子)
磯部家の祖母。痴呆症を患っている。引っ越しを決める際に犬のぬいぐるみを持っていた。
星野晶子は代表作に『森蘭丸』、『デンダラ』などがあります。
痴呆症は家族にとって問題であるが、マトモに対応しておらず野放し状態となっている。
未来にイタズラしようとした篤の部屋に入り、代わりに自分を差し出すも突き飛ばされる。
最後は化粧していたところに篤が後ろから首を絞めて、そのまま絞殺されてしまう。

磯部美帆(演:あらいすみれ)
磯部家の母親。研太郎と再婚して未来が生まれている。篤や淳子とは血縁関係はない。
あらいすみれは代表作に『ゴールドラッシュ』、『霊縛』などがあります。
世間体を気にする健太郎に注意されて謝るが、淳子に母親じゃないと指摘された。
下に降りてきた篤に何か食べ物を作ろうとするが、背後から包丁で刺されて死亡した。

磯部健太郎(演:大久保英一)
磯部家の父親。世間体を気にする性格で、何度も司法試験を落としている篤を恥だと思う。
大久保英一は代表作に『一休絵巻』、『真夜中の弥次さん喜多さん』などがあります。
再婚した美帆に対しても厳しく、見下している淳子に対しても説教を述べている。
最後は誰よりも早くベッドで寝ていたところを篤が金属バッドで頭部を殴られて死亡。

磯部未来(演:岩本千波)
磯部家の末娘。健太郎と美帆の娘。篤と淳子とは異母兄妹となる。あかねとは親友同士。
岩本千波は代表作に『怪談新耳袋/ノブヒロさん』、『忍たま乱太郎』などがあります。
発熱の為に学校を休んでいて、その時にあかねから熊のぬいぐるみをお守り代わりに借りた。
鏡の一件から様子が変わった篤に目をつけられてしまい、不快な思いをずっとしていた。
最後は狂気に走った篤により、ノコギリで首を切り落とされ自殺の場所まで頭部を運ばれた。

磯部篤(演:ムロツヨシ)
磯部家の長男。司法試験の為に浪人をしていて、父親から強く合格を期待されている。
ムロツヨシは近年の出演作に『斉木楠雄のΨ難』、『銀魂』などがあります。
引っ越し先の家にあった鏡を見た瞬間、その中から手が出てきて腕を掴まれてしまう。
それによって鏡に写った彼が取り残されたままになって、それ以降様子がおかしくなる。
妹である未来に性的な興奮を覚えるが、父のプレッシャーや祖母の痴呆症で殺人衝動を持つ。
最後はテープから聞こえた「声」で家族を惨殺し、山中に未来の首を持って首吊り自殺した。

感想

個人的な評価

本作は清水崇の『呪怨』シリーズにおいて番外編という位置づけとなります。
更にテレビドラマ『階段新耳袋劇場版』の一篇「姿見」と関連性を持っているようです。
同時上映された『呪怨/黒い少女』とストーリーがリンクしている構成となっている。
『呪怨』シリーズと言えば、殺された母の伽椰子と息子の俊雄によるタッグで家を訪れた人間たちを恐怖に落とし込む。
しかし、本作は番外編という事でシリーズの顔である伽椰子は出ず、俊雄はオマケみたいな感じでちょっとだけ出ていました。
本作は時系列を変えた構成になっているが、冒頭の疑問が徐々に解明されていきます。
ストーリー構成としては悪くないと思いますが、サブタイトルになっている「白い老女」の造形がギャグにしか感じられなかった。
やはり、本シリーズでの伽椰子や俊雄の不気味は良い演出だが、本作の「白い老女」はかなりムリがありました。
演じているのは70歳を過ぎる星野晶子だったせいか、今一つ動きのキレがなかった。
それに白塗りのメイクもコントみたいで不気味さよりも面白さが先行してしまったのが痛い。
確かに伽椰子や俊雄の白塗りメイクもギャグの一歩手前で、ギリギリなんとかホラー映画としての体裁を保っています。
だが、本作の白い老女ではギリギリの線が保てず、残念ながらギャグに傾いてしまった。
それでも雰囲気は悪くないし、今では調子に乗っているムロツヨシのクセが強い演技ではない静かな演技も逆に新鮮でした。
さすがに本作は低予算映画という事もあって、本来なら見せ場である殺害シーンの直接的な描写がなかったです。
少ない予算の中でストーリーの時系列を変えた構成は悪くないけど、やはり、ショッキングな惨殺シーンは欲しかったです。