THE QUAKE/ザ・クエイク RE-3130

作品紹介

公開年月  2019/04/26
ジャンル  パニック/アクション
原作  なし
監督  ヨン・アンドレアス・アナスン
脚本  ハラール・ローセンローヴ=エーグ、ヨン・コーレ・ラーケ
製作  マーティン・サンドランド
製作国  ノルウェー
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

ガイランゲル地方を襲った巨大津波災害から三年、地質学者のクリスチャンは家族とともに首都オスロに生活拠点を移していた。
しかし、津波を予測して多くの人々を救いながらも、クリスチャンはそれ以上に救えなかった人たちへの自責の念に駆られていた。
ある日、知人の研究者が不慮のトンネル崩落事故で亡くなると、彼の自宅を訪れたクリスチャンは研究データから新たな地殻変動の予兆を知るのだった。

登場人物&出演者

クリスチャン・エイキョード(演:クリストファー・ヨーネル)
主人公。地質学者。以前起きた津波による自然災害を警告して多くの命を救った英雄となる。
クリストファー・ヨーネルは代表作に『レヴェナント:蘇えりし者』、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』などがあります。
実際は救いきれなかった命に責任を感じていて、そのせいで家族を遠ざける事になった。
元同僚からがトンネル崩落で亡くなり、そのデータを調べているうちに地震の可能性を知る。
家族を助けようと駆けつけるも信じてもらえず、結局は目の前で妻を助けられず亡くした。
最後は窮地に陥った娘をなんとか救い出し、息子と合流してガイランゲル地方へ戻った。

イドゥン・エイキョード(演:アーネ・ダール・トルプ)
クリスチャンの妻。津波を生き延びたが、一方的にクリスチャンから捨てしまっている。
アーネ・ダール・トルプは代表作に『パイオニア』、『1001グラム/ハカリしれない愛のこと』などがあります。
クリスチャンと別れてオスロで娘と息子たちと住み、過去のトラウマを未だに抱えている。
過去の災害に固執するクリスチャンに嫌気が差していて、何度もやり直そうと彼を説得する。
地震を予知したクリスチャンが職場に来ても信じず、実際に起きるとパニックになる。
最後はエレベーターシャフトから出られず、クリスチャンの目の前で落ちて亡くなった。

ユリア・エイキョード(演:エーディト・ホーゲンルート=サンデ)
クリスチャンとイドゥンの娘。ガイランゲル地方に住むクリスチャンの元にやって来た。
エーディト・ホーゲンルート=サンデは代表作に『Bølgen』などがあります。
当初は数日過ごすはずが責任感で後悔するクリスチャンは耐えられず、追い返されてしまう。
バレエの舞台をしている途中で地震が発生し、イドゥンが助けに来るも無傷であった。
大きな地震が来るとしてイドゥンを助けにいたクリスチャンを勝手に追って行ってしまう。
最後はクリスチャンになんとか助け出され、母親を失いながらガイランゲル地方へ向かった。

ソンドレ・エイキョード(演:ヨナス・ホッフ・オフテブロ)
クリスチャンとイドゥンの息子。現在はオスロにある大学に通う。ミアという恋人もいる。
ヨナス・ホッフ・オフテブロは代表作に『THE WAVE/ザ・ウェイブ』、『クラッシュ・ゾーン』などがあります。
クリスチャンが地震について調べるついでに寄ってくると、久しぶりの再会に喜んでいた。
母親とやり直せるかとクリスチャンに聞いて、少し安心してそのまま大学へ向かった。
講義中にクリスチャンから地震が来る事を知るが、恋人から問題ないと言われて立ち止まる。
最後は地震が発生して無事に逃げ出し、クリスチャンとユリアと合流して地方へと向かう。

マリット・リンドブロム(演:カトリーヌ・トールボリ・ヨハンセン)
コンラッドの娘。トンネル崩落事故で父親を亡くし、彼の遺品整理や葬式の連絡をしていた。
カトリーヌ・トールボリ・ヨハンセンは本作が長編映画デビュー作となります。
コンラッドの残したデータが気になったクリスチャンが訪れると、彼の自由にさせていた。
クリスチャンが地震の可能性を推測すると、彼に説得されてトンネル崩落事故の現場に行く。
実際に地震が発生して勝手に動いたユリアを助けに行くが、自身も巻き込まれてしまう。
最後は駆けつけたクリスチャンに助け出され、家に帰って父親との写真を見て涙を流した。

ヨハネス・ロバーグ(演:スティフ・アンダム)
オスロにあるノースター社の重役。かつてクリスチャンも在籍していて彼の為に協力をした。
スティフ・アンダムは代表作に『Babycall』、『ダンスバトル』などがあります。
コンラッドが調べていたデータを快く提供するが、彼の唱えていた大地震は信じていない。
様々なデータから大地震の可能性を予知したクリスチャンも否定し、彼を追い返してしまう。
実際に各地のデータから異常が発生していると知り、ようやくクリスチャンの予知を認める。
最後は危険だと判断して会社の人間が避難し、自身もさっさと避難する事になった。

コンラッド・リンドブロム(演:パー・フリッシュ)
地質学者。ノースター社に勤務している。以前勤めていたクリスチャンと同僚だった。
パー・フリッシュは代表作に『I denne verden er alt mulig』、『Blindsone』があります。
独自にオスロの地質を調べていて、大地震の可能性があるとして訴えるも信じてもらえず。
津波を警告したクリスチャンにも連絡を入れるが、彼の抱える家族の問題で結局は話せず。
決定的な証拠を掴もうとトンネルに行くが、崩落事故が発生し、その犠牲者となった。
最後は娘に遺品されるが、クリスチャンが大地震の予知が正しいと証明されて娘も認めた。

感想

個人的な評価

本作は『アカデミー賞外国語映画賞』でノルウェー代表に選出された『THE WAVE/ザ・ウェイブ』のキャストとスタッフが再集結しています。
『特捜部Q/Pからのメッセージ』などで撮影を担当したヨン・アンドレアス・アナスンが監督を務めています。
続編という形になっていますが、前作を鑑賞していなくても充分に楽しめる内容になっていると思います。
前作を観ていれば、主人公たちの家族に対する感情を持つ事でより楽しめると思います。
主人公は前作で多くの命を救ったが、責任感が強いせいでずっと後悔して家族関係も崩壊させてしまうほどに。
災害から多くの命を救った英雄としてテレビ出演するけど、実際は後悔の念に苛まれて家族を一方的に捨ててしまっている。
妻とは離婚していないが別居状態で、一人だけガイランゲルに住んで救えなかった人々の記事をスクラップにして後悔している。
そこから元同僚だった男からの連絡を受けて、ノルウェーで大規模な地震が起きると分かって家族を助けに行くという流れになります。
本作ではあくまで主人公の苦悩と地震の予知をメインにしているので、災害が起きた後の脱出はオマケのような感じでした。
そのせいで妻が犠牲になってしまうが、どう考えても主人公はこの先精神が崩壊してもおかしくないように思えます。
他人の命を救えなかったせいで家族が崩壊するぐらいだから、目の前で妻が死んだら精神が保てないはずです。
それなのに最後は息子と娘とガイランゲル地方に向かうが、どう考えてもマトモにやり直せるとは思えなかったです。
悲劇的な運命を演出するのに妻を犠牲にしたのは個人的にちょっとやり過ぎだし、本作を通じて主人公が精神崩壊しない事にも違和感を持った。
多くの自然災害を扱った作品では必ず家族の絆が描かれるが、本作はちょっとばかり押しつけがましい印象を受けてしまいました。
主人公があれだけ責任を感じていたのに、最後は娘と息子とどこか晴れた気持ちになった表情を浮かべている点にも納得ができなかったです。
ただ、本作は津波に続けて地震という日本でも無視できない自然災害を取り扱っているから他人事じゃないのは確かである。