ちはやふる/下の句 VD-168

作品紹介

公開年月  2016/04/29
ジャンル  スポーツ/青春/ドラマ
原作  末次由紀 『ちはやふる』
監督  小泉徳宏
脚本  小泉徳宏
製作  北島直明、巣立恭平
製作国  日本
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

創部一年目ながら、エースの千早の活躍と抜群のチームワークを発揮し、東京都大会優勝を成し遂げる。
早速と新に東京都大会優勝を報告する千早だが、思わぬ「かるたはもうやらん」と告げられ、ショックを受けてしまう。
それでも千早は全国大会を目指す中、同級生ながら最強のクイーンと呼ばれる若宮詩暢が立ちはだかるのだった。

登場人物&出演者

綾瀬千早(演:広瀬すず)
主人公。東京都大会を優勝して新に報告しようとするが、祖父を亡くした彼に拒まれた。
広瀬すずは代表作に『海街diary』、『チア☆ダン/女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話』などがあります。
新が競技かるたを辞めたと知り、彼をもう一度引き戻す為にクイーン戦を戦おうとする。
しかし、団体戦を優先させる部長の太一と意見が対立し、一人で出稽古するようになる。
東京都大会で破った北央学園の須藤から積み重ねた戦略データを手にして、ようやく気づく。
最後は団体戦で倒れるが、個人戦でクイーンと対決し、大敗するも次なる目標を定めた。

真島太一(演:野村周平)
千早の幼馴染み。東京都大会の優勝を新に報告するが、祖父を亡くした彼に拒否される。
野村周平は代表作に『クジラのいた夏』、『日々ロック』などがあります。
クイーン戦で新を引き戻そうとする千早の勝手な行動に、部長として厳しい言葉を浴びせる。
ただ、新を引き戻す気持ちで自身もA級に昇格し、戻ってきた千早を部員たちと迎えた。
団体戦では一人じゃないと改めて認識し、千早が倒れても勝ち上がっていった。
最後は個人戦で須藤と対決しながらも、クイーンに苦戦していた千早を励ましていった。

西田優征(演:矢本悠馬)
競技かるた部の部員。通称「肉まん」と呼ばれる。部の中でムードメーカー的な存在。
矢本悠馬は代表作に『銀の匙/Silver Spoon』、『君の膵臓をたべたい』などがあります。
競技かるたの経験者として大江や駒野に教えており、千早や太一に次ぐ実力を持つ。
千早がクイーン戦に熱中し、責任を感じた太一も一人になろうとした時に部員の存在を主張。
団体戦の意味を理解した千早が帰ってくると、クイーンの札並びについてのクセを分析した。
最後は個人戦でクイーンと対戦し、消耗させようとして一枚だけ取るがあとはミンチに。

大江奏(演:上白石萌音)
競技かるたの部員。呉服屋の娘。純粋にかるたの歌に惚れ込み、試合の時は着物着用を課す。
上白石萌音は代表作に『舞妓はレディ』、『溺れるナイフ』などがあります。
競技かるたの初心者であるが、歌についての知識は深く、「ちはやふる」の意味を教えた。
千早がクイーン戦に熱中し、太一に追い出されると、なんとか追いかけるもムダになる。
団体戦の意味を理解した千早が帰ってくると、歌の意味からクイーンのクセを分析した。
最後は団体戦で活躍し、千早とクイーンの対戦に飛んできたかるたを拾って勇気づけた。

駒野勉(演:森永悠希)
競技かるたの部員。みんなから「机くん」と呼ばれている。得意のデータ分析を駆使する。
森永悠希は代表作に『プリンセス・トヨトミ』、『リュウグウノツカイ』などがあります。
競技かるたの初心者で東京都大会では一勝もできなかったが、みんなの支えで続けている。
千早がクイーン戦に熱中し、太一も一人になろうとした時、西田に代わって言葉にした。
団体戦の意味を理解した千早が帰ってくると、西田と大江からクイーンのクセをデータ化。
最後は団体戦で自ら捨て駒を希望し、チームで勝つ事を第一にする考え方に変化する。

綿谷新(演:真剣佑)
千早の幼馴染み。名人で目標だった祖父が亡くなり、競技かるたに対する意味をなくす。
真剣佑は代表作に『ピーチガール』、『ジョジョの奇妙な冒険/ダイヤモンドは砕けない第一章』などがあります。
東京都大会で優勝した千早と太一が実家に来るが、競技かるたを拒んで二人も拒んでしまう。
祖父の葬儀が終わると、ちょうど居合わせたクイーンの若宮と対戦するも相手にならず。
壊れていた携帯電話が戻ると、そこには千早からの留守電があって、気持ちを切り替える。
最後は全国大会の会場を訪れると、千早たちの姿を見て、また競技かるたを始めると決めた。

須藤暁人(演:清水尋也)
北央学園の競技かるた部の部長。東京都大会の決勝戦で本来の実力を出した千早に負ける。
清水尋也は代表作に『ストレイヤーズ・クロニクル』、『ミスミソウ』などがあります。
出稽古に来ていた千早のダメっぷりを見ていられず、大事な戦略データを素っ気なく渡した。
最後は個人戦で太一と対決するが、どちらも力が拮抗していた結局の勝敗は分からず。

若宮詩暢(演:松岡茉優)
現クイーン。左きき。史上最年少でクイーンになった実力者で、千早たちと同級生。
松岡茉優は代表作に『桐島、部活やめるってよ』、『勝手にふるえてろ』などがあります。
新の祖父の葬儀に出席し、彼の気持ちを一切無視して当然のように競技かるたの勝負を挑む。
しかし、あまりにも腑抜けた対戦に飽きてしまい、弱くなった新にガッカリして立ち去る。
今までずっと一人で競技かるたをしていて、常に自分の為だけに戦ってきた自負を持つ。
最後は個人戦で千早と対戦し、17枚差で圧勝するが、そこで一人じゃない彼女に何を感じた。

宮内妙子(演:松田美由紀)
競技かるた部の顧問。他部の顧問も務めていて、競技かるた部にはあまり顔を出さない。
松田美由紀は代表作に『金田一耕助の冒険』、『2つ目の窓』などがあります。
競技かるた部が全国大会に出場した事で、顧問として会場まで同行して見守っていた。

原田芳雄(演:國村隼)
神社の神主で白波会の長。いつも悩みを持つ太一の聞き手となって、彼に助言をしている。
國村隼は近年の出演作に『DESTINY/鎌倉ものがたり』、『鋼の錬金術師/FULLMETAL ALCHEMIST』などがあります。
クイーン戦に挑もうとする千早に警告するが、彼女の熱意に押されて結局は教える事に。
最後は個人戦は団体戦と同じと言い放ち、みんなが一緒に戦っている事を新に教えた。

感想

個人的な評価

本作は二部構成として製作され、公開された『上の句』の続編となる作品です。
前作では東京都大会の優勝を目指し、主人公の千早が創部から物語が始まりました。
当然のように大会で優勝して、今後は全国大会に挑むという内容になります。
王道的な青春スポ根ドラマとして、メンバー集めから挫折、チームの結束から勝利を得るという分かりやすい構成でした。
本作にはすでにメンバーの紹介が終えているので、あとは主人公たちの内面に踏み込む内容となっています。
そんな本作はやはり、主人公である千早、幼馴染みの太一と新に焦点を絞った話しの構成となりました。
前作では脇役だった部員たちの活躍で盛り上がりましたが、今回は正真正銘、主人公たちの物語が中心となります。
主人公である千早の迷う気持ち、祖父を失った新の迷う気持ち、そこに部長としての責任と幼馴染みを連れ戻す太一の苦悩が描かれる。
特に主人公である千早の暴走と迷いによって、孤独になっていくが、前作から積み上げた仲間の絆によって戻っていく。
そんな主人公の前に立ちはだかるクイーンである若宮詩暢の存在は非常に大きいと思います。
仲間で勝ち上がっていく千早たちと違い、新と同じように一人で今まで強くなってきた反対の存在としてインパクトがありました。
何より演じている松岡茉優の京女を演じる姿は素晴らしく、時には高校生とは思わせない妖艶な立ち振る舞いが印象的でした。
ずっと孤独に競技かるたをやって来て強くなった自負を持つが、楽しく仲間とやっている千早たちの姿で少しだけ気持ちが変わっていく点もなかなか良い。
本作が終わった時点で続編の構想はなかったようだが、ようやく『ちはやふる/結び』が公開され、これまで未消化だった伏線を回収すると思います。
特に千早、太一、新の三角関係、クイーンとの対決が中心になるので、シリーズの良さを活かしつつ更なる面白さを期待したいと思います。