作品紹介
公開年月 | 2016/10/16 |
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ジャンル | ホラー/アクション |
原作 | 松本光司 『彼岸島』 |
監督 | 渡辺武 |
脚本 | 佐藤佐吉、伊藤秀裕 |
製作 | 佐藤敏宏、大塚玲美、ほか |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
およそ600年前より吸血鬼伝説が残る孤島・彼岸島には吸血鬼や邪鬼(おに)と呼ばれる巨大で異様なバケモノが蔓延っていた。
絶体絶命の窮地に追い込まれる島民たちだが、そこで立ち上がったのは二年前に島へ行ったまま姿を消した兄・篤を探す弟・明とその仲間たち。
島のレジスタンスとともにバケモノたちに立ち向かう明たちだが、彼らの前に想像を絶する戦いに巻き込まれるのだった。
登場人物&出演者
・宮本明(演:白石隼也)
主人公。正体不明の不気味な面を被る師匠の元で修行した事で人間離れした身体能力を持つ。
白石隼也は代表作に『大洗にも星はふるなり』、『GANTZ』などがあります。
本作はそもそも原作やテレビドラマを知っている上で物語が展開する為に説明不足です。
吸血鬼が¥の身体能力がスゴイのは分かるが、なぜ生身の人間である明が強いのか。
キャラクターとしてもアクション以外では特徴がなく、まったく魅力を感じない。
・宮本篤(演:鈴木亮平)
明の兄。吸血鬼。吸血鬼と化した島民たちと普通に暮らす青年だが人間を敵として見ている。
鈴木亮平は近年の出演作に『忍びの国』、『海賊とよばれた男』などがあります。
明を探しに来た友人の加藤を見逃し、明との対決も敗れると素直に介錯を願う元好青年。
やはり、鈴木亮平が演じているからよく見えるが、映画の設定としては魅力がほぼないです。
説明不足だから雅の手下となった動機なども語られないから良さが全然出ていない。
・ユキ(演:桜井美南)
レジスタンスの一人。人間。弓矢を使って吸血鬼を倒す。ケンちゃんという恋人がいた。
桜井美南は代表作に『合葬』、『リップヴァンウィンクルの花嫁』などあります。
何かと弓矢で攻撃するが、面白いぐらいに不発に終わって、襲われるというお荷物状態。
吸血鬼となって知らずのうちに守られるという設定のおかげで存在を保っている。
・西山(演:阿部翔平)
レジスタンスの一人。人間。頭脳明晰で爆弾を作る器用さを持つ。豚汁が得意料理。
阿部翔平は代表作に『宇宙兄弟』、『シン・ゴジラ』などがあります。
1年間も島で生き残っただけの生存能力があるけど、基本的に非力で道具に頼る。
明らかに前線へ出るようなタイプじゃないのに出てきて足手まといとなる。
・師匠(声:石橋蓮司)
明を人間のまま育て上げた不気味なお面をした住職の格好をした大男。
石橋蓮司は近年の出演作に『一茶』、『トマトのしずく』などがあります。
原作の代名詞となる丸太を使っているが、見せ場は冒頭だけであとは空気になる。
・加藤(演:森岡龍)
明たちを探しに1年かけて彼岸島にたどり着く。何も知らない人の為の説明役となる。
森岡龍は代表作に『東京・オブ・ザ・デッド/3日』、『容疑者Xの献身』などがあります。
吸血鬼と化した島民たちに襲われているところケンちゃんや篤に助けられる。
当初は吸血鬼を信じていなかったが、かすり傷一つもなく無事に明の元にたどり着く。
・ケンちゃん(演:藤重政孝)
元レジスタンスの一人。吸血鬼。ユキの恋人だったが吸血鬼となって単独行動を取る。
藤重政孝は代表作に『恋愛白書』、『ピーナッツ』などがあります。
影からユキをいつも見守っているが、雅の手下から監視されているような状態。
彼岸島へやって来た加藤を救い出すなど、吸血鬼でありながら人間たちをサポートする。
・雅(演:栗原類)
彼岸島を支配する吸血鬼。白髪とタキシードを着る。不死身で圧倒的な戦闘力を持つ。
栗原類は代表作に『絶叫学級』、『黒執事』などがあります。
静止画だと見た目は文句ないけど、動き出した瞬間から笑ってしまうような下手さ。
栗原類は演技の素人だが、すべての言動がヘタクソすぎてギャグに見えてしまう。
本作は至って真面目でシリアスな内容だが、それを否定するような存在でした。
どう見てもミスキャストであるが、テレビドラマ版でもやっていたらしい。
一切しゃべらないようなキャラクターだったらいいけど、しゃべるから残念すぎる。
感想
個人的な評価
松本光司による同名漫画を完全実写映画化された作品。
なぜ完全かというと、2010年にも実写映画化されているが、まだ原作が続いていた。
その為、2010年の実写映画では最後の締めはオリジナルとなっています。
そんな本作はすでに本編が完結し、その中で人気の高い明と篤のエピソードが中心となる。
残念ながら原作の漫画について読んでいないが、断片的にはなんとなく分かります。
まずは原作の代名詞と言える「丸太」、それと中核となる「吸血鬼」というキーワード。
本作はテレビドラマ版から続けているようで、すでに主人公たちの戦いが行われている状態。
つまり、本作は予備知識がないとワケが分からないような状況で物語が始まります。
基本的に吸血鬼は噛まれると感染するはずだが、本作では雅じゃないと感染しないらしい。
しかも、太陽に当たっても問題がなく、血を吸わないと生きていないのは共通している。
このように本作の展開から吸血鬼の設定を理解しないといけないほど説明不足です。
更に登場人物たちはテレビドラマ版から連続しているので、説明がほとんどない状態です。
だから当たり前のように名前を呼んでいるが、初見の人は主要人物以外は分からない。
特に『彼岸島』とい作品を初めて鑑賞する人の視点となる加藤はあだ名で本名が三村という。
この通り全体的に予備知識がないと本作にはついて行けないが展開となっている。
ストーリーについてはほとんどアクションでお茶を濁しているが、それ以上に登場人物たちのキャラクター性があまりにも微妙すぎる。
主人公である明には一切の魅力がなく、兄である篤もよく分からないし、一番不明なのが宿敵である雅というキャラクターとなる。
一応、明役の白石隼也と篤役の鈴木亮平はアクションを頑張っているのが伝わってきます。
しかしながら、映画の演技で「頑張っている」の評価になると、これは他に見るべきところがないという裏返しとなります。
その二人は実力がある俳優だからいいけど、宿敵である雅を演じた栗原類が最悪でした。
パッと見は絵になる容姿だが、いざ演技を始めると、動きの一つ一つが素人すぎて萎えます。
そもそも演技などできない素人なのに、本作の肝であるラストボスを演じるのはおかしい。
そして、尺が足りなくなってしまったのか、主人公とラストボスの対峙したところで終わる。
誰がどう考えても「えっ?」という感じになってしまうのは当然だろうと思います。
これで続編を意識して製作しているのならば、明らかに監督の怠慢としか考えられない。
そもそも全体的に説明不足のクセに、ラストもモヤモヤしたまま終わらせる。
監督は剣術アクションだけを撮りたかったとしか思えないほど内容がまったくなかった。
何より原作の魅力である丸太を使ったシーンが少なく、アクションだけの退屈な映画になる。
振り返れば、本作の出来の悪さが浮き彫りになり、邦画の悪い部分が目立った作品でした。