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ザ・ゴーレム RE-3259

ザ・ゴーレム RE-3259

作品紹介

公開年月  2019/10/25
ジャンル  ホラー/ドラマ
原作  なし
監督  ドロン・パズ、ヨアヴ・パズ
脚本  アリエル・コーエン
製作  シャロム・アイゼンバフ、アリエル・コーエン、ほか
製作国  イスラエル
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

17世紀中期、疫病によって打撃を受け、侵略者の脅威にさらされるユダヤ系コミュニティに暮らすハンナ。
ハンナはカバラの秘術を伝って泥人形に命を与えた「ゴーレム」を作り出すが、少年のような外見に彼女は強い結びつきを感じる。
そのゴーレムはハンナの想像を遙かに超えた邪悪で危険な怪物だった。

登場人物&出演者

ハンナ(演:ハニ・ファーステンバーグ)
主人公。7年前に一人息子を水難事故で亡くしている。それ以降、夫と子作りに励んでいた。
ハニ・ファーステンバーグは代表作に『ヨッシ&ジャガー』、『ロンリエスト・プラネット/孤独な惑星』などがあります。
実際は子供を作るのが怖くて夫には内緒で不妊になる薬を使い、7年に渡って騙していた。
村が異教徒の者に狙われ、祈りしかしない男たちに代わってゴーレムを作り出してしまう。
ウラジミールたちを追い出すが、パーラが殺されてゴーレムが倒される寸前で襲撃を受ける。
最後はゴーレムにより夫以外が皆殺しにされ、役目が終わったとして号泣しながら命を奪う。

ベンジャミン(演:イーシャイ・ゴーラン)
ハンナの夫。父親はユダヤ教の司祭で村を統括する。子作りの為に毎日頑張っている。
イーシャイ・ゴーランは代表作に『超能力者/ユリ・ゲラー』、『悪い女』などがあります。
子供が作れないハンナを捨てるべきだと話す父親に対し、なんとか妻をフォローしてきた。
ハンナが子作りを拒否していたと知って家を出ていき、隣家で食事をとるも誘いを断る。
ゴーレムを見て驚いて、息子のように接するハンナに冷静な言葉で怪物だと忠告していた。
最後はゴーレムを倒そうとするも失敗し、異教徒に村が焼かれるも結局は彼に助けられた。

パーラ(演:ブライニー・ファーステンバーグ)
村の女性治療師。小さい頃に家族をゴーレムに殺され、なんとか逃げ出して生還している。
ブライニー・ファーステンバーグは本作が長編映画デビュー作となります。
ハンナが妊娠を拒んでいる事を知り、7年に渡って不妊になる薬を与え続けていた。
異教徒が村を全滅させると脅され、病に冒される彼の娘を助けようと治療するも失敗する。
ハンナが勝手にゴーレムを作り出したと判明し、異教徒を倒した後に始末するように伝えた。
最後は一人でゴーレムを始末しようとするが、当然のように返り討ちに遭って殺された。

ホロヴィッツ(演:レニー・ラヴィッツ)
村の村長でユダヤ教の司祭。子供ができないハンナを捨てるべきだとベンジャミンに話す。
レニー・ラヴィッツは代表作に『Tell Me That You Love Me』、『Last Winter』がある。
異教徒が村を襲って脅迫してくると、あくまでお祈りだけで彼らに対抗しようとする。
ハンナがゴーレムを作り出してしまうと、ベンジャミンの知らせでお祈りで倒そうとする。
ベンジャミンのバイオリンに誘われて教会に来ると、お祈りをしながら体を崩壊させる。
最後はお祈りが一瞬止まってしまい、その隙を突かれゴーレムに呆気なく殺されてしまう。

ウラジミール(円:アレクセイ・トリテンコ)
異教徒。特徴的なペストマスクを付け、疫病で死んだ村の者たちを仲間と埋葬していた。
アレクセイ・トリテンコは代表作に『Tango lyubvi』、『Chornyy Voron』などがあります。
水浴びをしていたハンナたちを見つけると、彼女たちの村に目をつけて仲間を引き連れる。
疫病に冒されている娘を助けるべく、ハンナの村で脅迫してパーラに治療をさせていた。
ゴーレムを使ったハンナに村を追われ、娘が死んでしまうとブチ切れて仲間と復讐をする。
最後はハンナをぶっ殺す寸前、解き放たれたゴーレムに心臓を抜き取られて死亡した。

ゴーレム(演:キリル・セルニャコフ)
ハンナが禁じられた儀式により作り出された不死身の怪物。見た目は少年で怖くない。
キリル・セルニャコフは本作が長編映画デビュー作となります。
ハンナが異教徒の男たちに森で襲われそうになり、一瞬彼らの体をバラバラにする力を持つ。
存在がハンナに気づかれると、息子のように扱われ、異教徒たちを倒す為に差し向けられる。
パーラが始末しようとするも返り討ちにして、ベンジャミンたちがお祈りで殺されかける。
最後はウラジミールの異教徒や村の人たちをぶっ殺し、ハンナから使命を終えて土に還った。

感想

個人的な評価

本作は『シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2019』にて上映されました。
この作品は非常に珍しいイスラエル製作で、大昔から伝わる怪物ゴーレムをテーマにした物語になっています。
多分、初めてとなるだろうイスラエルの映画ですが、なぜか舞台は中世のリトアニアでまったく関係ない。
ゴーレムはユダヤ教の伝承にある動く泥人形で、日本だとファンタジーを扱ったゲームや小説でよく登場します。
そのまま泥人形のように登場する場合が多いのですが、本作では子供の姿を借りて怪物という恐ろしさはありません。
しかし、その子供は言葉どころか、感情すら持たず、あくまで生み出した主の為に人を殺す怪物となります。
殺す事に一切の躊躇いを持たないので、異教徒たちに対抗手段のない主人公たちにとって強力な武器になるも諸刃の剣である。
作り出した主人公の感情に左右されて殺人を行っていくが、結果的には自分と夫だけが生き残る事になります。
主人公が亡くした息子の面影を重ねるが、どう見ても普通じゃないし、躊躇いもなく人を殺す姿は子供にはまったく思えない。
本作の舞台が中世のリトアニアで、よく分からないユダヤ教がベースになっているから馴染みがかなり薄い印象でした。
とにかく、本作は馴染みのない設定や舞台になっているから新鮮味があるけど、ストーリーとしては平凡でホラー映画としては微妙なところでした。
もう少しゴーレムの恐ろしさや強さの描写があるべきで、主人公と亡くした息子と面影を重ねるところも関連性が薄かった。
題材は悪くないのですが、その活かし方が良くないせいで微妙な作品となってしまいました。