アフター・ザ・ストーム RE-2774

作品紹介

公開年月  2003/07/08
ジャンル  アドベンチャー/サスペンス
原作  アーネスト・ヘミングウェイ 『嵐のあとで』
監督  ガイ・ファーランド
脚本  A・E・ホッチナー
製作  マイク・エリオット
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

バハマ沖の熱帯の楽園で自由気ままに暮らしていたアーノは、多額の宝石と金を積んだ豪華客船が大嵐で沈没した事を知る。
海を知り尽くしているアーノは、愛するコキーナとともに財宝を手に入れようとする。
その頃、財宝を狙うジャン=ピエールとジャニーンに見つかり、山分けを条件に財宝を引き上げようとするが、荒れ狂う海獣に襲われるのだった。

登場人物&出演者

アーノ(演:ベンジャミン・ブラット)
主人公。島ではガラクタ集めして生計を立てている。金はないがイケメンの為にモテる。
ベンジャミン・ブラットは代表作に『デモリションマン』、『レッドプラネット』がある。
ジャン=ピエールからオルテガを紹介されて仕事を頼まれるが、危険だとして断った。
オルテガと警察署長が手を組んで強引に雇われるようとして、逆にお尋ね者になってしまう。
コキーナと豪華客船から金品財宝を取るが、やって来たジャンと協力する形で作業する。
最後はオルテガを倒すが、コキーナの裏切りで金品財宝を奪われ、警察に捕まってしまう。

コキーナ(演:ミリー・アヴィタル)
ヒロイン。先祖は海賊。元々は別の場所に住んでいたが、一人暮らしの祖母を思い戻った。
ミリー・アヴィタルは代表作に『スターゲイト』、『デッドマン』などがあります。
小さい頃しかアーノを知らなかったが、帰ってきて早々に彼から言い寄られて満更でもない。
好きでもないトーマスとロブスター祭に出かけるが、そこでアーノと再会して沈没船に行く。
ジャンたちと協力して豪華客船から金品財宝を引き上げ、そこでアーノの裏切りを知る。
最後はアーノとジャンを眠らせると、金品財宝を独り占めして二人の前から消え去った。

ジャニーン(演:モーネ=エリーゼ・ジラード)
ジャン=ピエールの妻。女好きな夫に振り回されるが、実はアーノと肉体関係を持つ。
モーネ=エリーゼ・ジラードは代表作に『スキャナーズ2』、『ベンジャミン・バトン/数奇な人生』などがあります。
コキーナが島に帰ってきたせいで、アーノが恋をして割り切った関係を解消される。
それでもアーノに対する想いやジャンの浮気で不安定になるが、それでも付いて行く。
豪華客船にある金塊を取りに行くべく海に潜り、そこでアーノと二人での逃避行を迫った。
最後は上の様子を見に行ったアーノがいない間にサメがやって来て、食われて死亡した。

ジャン=ピエール(演:アーマンド・アサンテ)
沈没船の引き上げや人や物の運搬をする何でも屋。オルテガをアーノに紹介している。
アーマンド・アサンテは代表作に『ジャッジ・ドレッド』、『アポカリプス・オブ・ザ・デッド』などがあります。
大の女好きで仕事をもらうが、妻のジャニーンがアーノと浮気している事を見過ごしている。
オルテガの依頼で沈没した豪華客船から金品財宝を手に入れるべく、アーノと手を組む。
裏ではコキーナにアーノは金品財宝を独り占めすると誑かし、仲間に引き入れようとする。
最後はオルテガを倒すが、アーノとともにコキーナの策略にハマって金品を盗まれた。

トーマス(演:スティーヴン・ペトラルカ)
島で船舶用品店の跡継ぎ。大工としての腕もあって、将来自分の家になる建物を修理する。
スティーヴン・ペトラルカは代表作に『Sparkler』、『Fade』などがあります。
コキーナに片想いをしていて、アーノといい感じな事を許さず脅迫するも返り討ちに。
最後はロブスター祭でコキーナを誘うが、アーノに連れ出され、挙げ句は店の品も奪われる。

ジム(演:スティーヴン・ラング)
島の警察署長。問題が起きると当然のように出しゃばるが、金さえ貢げば黙る強欲な男。
スティーヴン・ラングは近年の出演作に『ビヨンド・ワルキューレ/カリーニングラードの戦い』、『ドント・ブリーズ』などがあります。
犯罪者であるオルテガからも金をもらい、人を運ぶ為にアーノが必要だとして手配する。
オルテガをケガさせた罪でアーノを追う事になるが、彼から貢ぎ物を渡されて帳消しにする。
最後はアーノからの情報でオルテガに連絡し、更に金を受け取って一人だけ懐が潤った。

オルテガ(演:ネスター・セラーノ)
実業家。本当はバハマ沖を仕切る悪党。キューバから人を運び出そうとアーノに依頼する。
ネスター・セラーノは代表作に『バッドボーイズ』、『デイ・アフター・トゥモロー』などがあります。
危険だと察知したアーノに断られ、警察署長のジムに金を積んで協力させるよう仕向ける。
ジムの策略で上手く罠に乗ったアーノに直接頼もうとするが、今度はナイフで刺される。
名目上は死んだ事になっていたが、実際はケガしただけで、今度はジャンに依頼する。
最後は金品財宝を隠していたジャンの船に乗り込むが、部下とともにアーノたちに殺された。

感想

個人的な評価

本作はアーネスト・ヘミングウェイの小説『嵐のあとで』を基に製作された作品です。
ジャケットからサメ映画だと思って借りてみたら、サメは一瞬だけでまったく違っていた。
しかも、ヘミングウェイの作品が原作という事なので、サメ映画はデタラメだと分かる。
本作は一言で言えば、「全員ウソつき」と思わせるほど誰も信用できないという点でしょう。
主人公とヒロインのカップル、そこにライバルのカップルが沈没した豪華船から金品財宝を手に入れようとする。
お互いの利益の為に協力しているが、その裏ではなんとか出し抜こうとウソをついていく。
これはライバルのカップルだけじゃなく、主人公も平然とウソをつくが、味方であるヒロインにも怪しまれるという。
しかも、主人公はライバルのカップルの妻と浮気をしていて、そこもドロドロした関係に。
物語の大半は豪華客船から金品財宝を手に入れて、出し抜こうとする構図が入り組んで、結局誰が最後に勝利するかがポイントとなる。
つまり、期待したサメ映画とはほど遠い内容であり、一応出てくるがサメじゃなくてもいいぐらい存在感がない。
結局は主人公とライバルはまさかのヒロインに出し抜かれて、金品財宝をすべて持ち去れるという終わり方になる。
すべてを失って元の生活に戻った主人公は、大切にしていた父親の懐中時計をヒロインが修理に出して、戻してくれるという同情溢れる結末となる。
あまりにも報われない主人公の結末だったが、それは身から出たサビで、唯一信頼してくれたヒロインを疑ってしまった結果だろう。
普通に騙し合いの内容を全面的に出せばいいのに、なぜサメ映画と勘違いさせるような事をしたのか理解に苦しみます。
何より有名なヘミングウェイの作品が原作なのだから、そっちをメインで扱った方が良かっただけに残念な作品だと感じました。