X-MEN:アポカリプス VD-39

作品紹介

公開年月  2016/05/09
ジャンル  SF/アクション
原作  『X-MEN』(モチーフ)
監督  ブライアン・シンガー
脚本  サイモン・キンバーグ
製作  ブライアン・シンガー、サイモン・キンバーグ、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

紀元前3600年、人類史上初のミュータントである“アポカリプス”は、四人の従者“黙示録の四騎士”を従えて神として世界に君臨していた。
ところが、新しい肉体へ転移しようとした時に反乱に遭い、崩壊したピラミッドとともに封印されてしまう。
1983年、プロフェッサーXは“恵まれし子らの学園”で若きミュータントの教育に尽力し、マグニートーは身を隠して妻子とともに静かに暮らしていた。
そんな中、長い眠りから目覚めたアポカリプスは、堕落した人間への怒りを募らせ、世界の再構築を目論むのだった。

登場人物&出演者

【X-MEN】

チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX(演:ジェームズ・マカヴォイ)
世界最強のテレパス。マグニートーが原因で下半身不随の車椅子生活になる。
ジェームズ・マカヴォイは近年の出演作に『ヴィクター・フランケンシュタイン』、『フィルス』などがあります。
瞬間移動と同じぐらい便利な能力は、エン・サバ・ヌールがずっと求めていた。
体を乗っ取られないように抵抗するけど、それが原因で髪の毛が抜け落ちる。
これでなぜプロフェッサーXがスキンヘッドなのか分かる展開となります。

ハンク・マッコイ/ビースト(演:ニコラス・ホルト)
研究の結果、自由に人間から青い野獣に変身して超人的な身体能力を発揮する。
ニコラス・ホルトは近年の出演作に『アウトバーン』、『ダーク・プレイス』があります。
やはり、終盤では青い野獣になって戦うが、相変わらず微妙な活躍になります。

ジーン・グレイ(演:ソフィー・ターナー)
テレパシーとテレキネシスを操る。予知能力も持っている。潜在能力に怯えている。
ソフィー・ターナーは代表作に『ベアリー・リーサル』などがあります。
エン・サバ・ヌールに対抗できる最強のミュータントは最後に力を解放する。

スコット・サマーズ/サイクロップス(演:タイ・シェリダン)
両眼から破壊光線オプティック・ブラストを放射する。制御ができずバイザーが必要。
タイ・シェリダンは代表作に『ツリー・オブ・ライフ』、『グランド・ジョー』があります。
既存の真面目なリーダーのイメージとは違い、かなり調子に乗っている性格でした。

アレックス・サマーズ/ハボック(演:ルーカス・ティル)
太陽光を体内に吸収して強力な破壊光線オプティック・ブラストを全身から放射する。
ルーカス・ティルは近年の出演作に『パワー・ゲーム』、『イノセント・ガーデン』などがあります。
能力に目覚めた弟を学園に紹介するも、エン・サバ・ヌールの登場で鮮やかに爆死。

カート・ワグナー/ナイトクローラー(演:コディ・スミット=マクフィー)
悪魔のような容姿を持つ。視認できる場所か過去にいた場所なら瞬間移動ができる。
コディ・スミット=マクフィーは代表作に『モールス』、『マッド・ガンズ』があります。
瞬間移動は便利すぎる能力で、本作はキャラクター性よりも能力が先行してしまった。

レイヴン・ダークホルム/ミスティーク(演:ジェニファー・ローレンス)
青い肌と赤い髪に黄色い瞳を持ち、どんな人間にも姿を変えられる。高い格闘能力を持つ。
ジェニファー・ローレンスは近年の出演作に『ジョイ』、『アメリカン・ハッスル』などがあります。
フラフラと微妙な活動をしていたが、戦う事が必要だと訴える為に学園へ戻る。

ピーター・マキシモフ/クイックシルバー(演:エヴァン・ピーターズ)
周囲がスローモーションのように見えるほど超高速で動く事ができる。
エヴァン・ピーターズは代表作に『アメリカン・クライム』、『キック・アス』があります。
前々作でも活躍しているが、本作でも見せ場もあって、本領を発揮してくれています。

【アポカリプスと四騎士(フォーホースメン)】

エン・サバ・ヌール/アポカリプス(演:オスカー・アイザック)
分子構造を自在に操れる。儀式を通じて魂を新たな肉体に転移する事できる。
オスカー・アイザックは代表作に『インサイド・ルーウィン・デイヴィス/名もなき男の歌』、『エクス・マキナ』などがあります。
適者生存という信念の下、弱者が支配する地球に絶望して作り替えようとする。
何千年も生きていて、転移する度に新たな能力を手に入れる最強のミュータント。
特殊メイクをしているのだが、演じているオスカー・アイザックがデニス・ホッパーに見えて仕方なかったです。

エンジェル/アークエンジェル(演:ベン・ハーディ)
背中に鳥のような白い翼を持つ。エン・サバ・ヌールにより金属の翼に強化される。
ベン・ハーディは6作に出演し、本作が映画デビュー作となっています。
意気揚々とX-MENに挑むけど、なぜか一番残念な扱いを受けてしまう。

サイロック(演:オリヴィア・マン)
体内から発した紫色に光るエネルギーを物理的な剣やムチに変えられる。
オリヴィア・マンは代表作に『案山子男/オン・ザ・ビーチ』、『チャーリー・モルデカイ/華麗なる名画の秘密』などがあります。
エン・サバ・ヌールに利用されている事を知って反旗を翻すも返り討ちに遭う。

オロロ・マンロー/ストーム(演:アレクサンドラ・シップ)
白い髪の毛を持ち、一定空間の天気を自在に操れる。風を制御して空を飛ぶ事ができる。
アレクサンドラ・シップは代表作に『ストレイト・アウタ・コンプトン』があります。
カイロで盗みをしていたその日暮らし。エン・サバ・ヌールに出会って世界へ出て行く。
ヒーローとなったミスティークに憧れていて、結果的に学園に居座る事になる。

エリック・レーンシャー/マグニートー(演:マイケル・ファスベンダー)
地上最強のミュータントの一人。どんな金属でも意のままに持ち上げ形を変えられる。
マイケル・ファスベンダーは近年の出演作に『アサシンクリード』、『スティーブ・ジョブズ』などがあります。
前作では大事件を起こして国際指名手配されるも、ポーランドの片田舎で普通に暮らす。
妻子もいるというビックリするような生活になっていて、マグニートーの面影なし。
しかし、事故とは言え、あまりにも鮮やかに死んだ事でブチ切れます。

【政府機関】

モイラ・マクタガート(演:ローズ・バーン)
X-MENに協力していたCIA。エン・サバ・ヌールに関して調査をしていた。
ローズ・バーンは近年の出演作に『ネイバーズ2』、『SPY/スパイ』などがあります。
過去の記憶が消されているが、またしてもミュータントの戦いに巻き込まれる。

ウィリアム・ストライカー(演:ジョシュ・ヘルマン)
ミュータントを追い続ける軍人。ウルヴァリンを生み出したウェポンXの責任者。
ジョシュ・ヘルマンは代表作に『アウトロー』、『マッドマックス/怒りのデス・ロード』などがあります。
ちょい役であるけど、ウェポンXが脱走した時には冷静に脱出する小物感たっぷり。

ウェポンX/ローガン(演:ヒュー・ジャックマン)
ストライカーが責任者となるウェポンXの研究所に閉じ込められていた。
ヒュー・ジャックマンは近年の出演作に『ローガン』、『イーグル・ジャンプ』があります。
ジーン・グレイにより助けられ、殺しまくってそのまま脱走する竜巻のような登場だった。

感想

個人的な評価

『X-MEN』の新三部作と言えるシリーズの完結編。
もちろん、監督を務めるのは1作目から関わっていたブライアン・シンガー監督です。
アメコミ原作映画が手探り状態だった草創期ではいち早く参戦しました。
その後、マーベル作品から離れ、DCの『スーパーマン・リターンズ』を手がけました。
そんなブライアン・シンガー監督が新三部作を手がけて完結した本作。
圧倒的なスケールを感じさせるストーリー、それに最強の悪役はインパクト大でした。
プロフェッサーXのジェームズ・マカヴォイ、マグニートーのマイケル・ファスベンダーは悲しみの感情を多く表現しています。
マグニートーは妻子を失うという大きな悲しみを背負い、プロフェッサーXは世界の人々を救おうとする思いを持つ。
アメコミ原作映画は派手なアクションのイメージが強いけど、ブライアン・シンガー監督のドラマに比重を置いています。
なぜマグニートーが人間を滅ぼす側についたか、非常に分かりやすい展開を見せている。
シリーズのヒロイン的な存在のミスティークを演じたジェニファー・ローレンスは力強いキャラクターになっている。
本作から新しく登場するキャラクターは過去作にも登場しているキャラクターです。
そもそも本作は1作目の続編というよりは、パラレルワールドという位置づけになっている。
その為、過去とは繋がりはあるけど、少し違うテイストになっているのです。
これに関して、アメコミは歴史の改変が珍しくないので、特に驚くようなモノじゃない。
ただ、本作は実写映画として初めての試みになっているのは面白いと思います。
しかし、ちゃんとキャラクターのエピソードを追っていて、結果が分かっているので、その過程を楽しめる意味でも面白い。
ドラマに力を入れるブライアン・シンガー監督ですが、いつも思うけど、この人はアクション場面はあまり上手くない。
本作のクライマックスでスケールの大きなアクションを展開するが、どうにもスッキリしない印象を受けます。
同じアメコミ原作映画の『アベンジャーズ』と比べて、幾分か爽快感が足りないのです。
アクションに爽快感がないので、ここら辺はブライアン・シンガー監督の欠点だと言える。
それでも、新三部作の完結編として相応しいスケール感の大きな作品でした。