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シェイプ・オブ・ウォーター RE-2788

シェイプ・オブ・ウォーター RE-2788

作品紹介

公開年月  2017/12/08
ジャンル  ラブロマンス/ファンタジー
原作  なし
監督  ギレルモ・デル・トロ
脚本  ギレルモ・デル・トロ、ヴァネッサ・テイラー
製作  ギレルモ・デル・トロ、J・マイルズ・テイラー
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

1962年のアメリカ、口に利けない孤独な女性イライザは、政府の極秘研究所で掃除係として働いていた。
ある日イライザは、研究所の水槽に閉じ込められたアマゾンの奥地で原住民に神と崇められていた彼に出会う。
やがて、二人が密かな愛を育んでいく中、研究を主導する冷血な高圧的なエリート軍人ストリックランドは、ついに彼の生体解剖に移行するのだった。

登場人物&出演者

イライザ・エスポジート(演:サリー・ホーキンス)
主人公。口が利けない。航空宇宙研究センターで清掃員として働く。映画館の上に住む。
サリー・ホーキンスは代表作に『ハッピー・ゴー・ラッキー』、『ブルージャスミン』などがあります。
掃除をしていた時に“彼”が運ばれ、不思議に思って近づくと同じような気持ちを持つ。
それ以降、彼に卵を上げて交流していき、解剖される事を知って自分の家に逃がしていく。
彼との生活の中で男女の恋愛に発展していくが、次第に衰弱して海へ逃がす事にする。
最後はストリックランドに撃たれるが、彼の治療を受けて目を覚まし、海で幸せに暮らす。

不思議な生物/彼(演:ダグ・ジョーンズ)
アマゾン川の奥地からストリックランドが連れて来た生物。原住民から神として崇められる。
ダグ・ジョーンズは近年の出演作に『バイバイマン』、『クリムゾン・ピーク』があります。
当初は差別的なストリックランドの影響で人間に対して敵意剥き出しで恐れていた。
イライザとの出会いによって心を通わせるうち、人間に対する敵意が消え去っていく。
何度もストリックランドに痛めつけられるが、体が発光して驚異的な治癒能力で元通りに。
最後は執念のストリックランドを殺し、撃たれたイライザを治療して幸せに暮らした。

ジャイルズ(演:リチャード・ジェンキンス)
画家でゲイ。イライザと同じく映画館の上のアパートに住む。ダイナーに好きな男がいる。
リチャード・ジェンキンスは代表作に『扉をたたく人』、『モールス』などがあります。
独り身同士であるイライザと気が合い、彼女の作る夜食を楽しみにいつも絵を描いている。
クビにされた出版会社に絵を描くも時代遅れと言われ、協力を求めたイライザに手を貸す。
彼を見張っていた時に飼い猫を食われるが、それでも許し、驚異的な治癒能力を知る。
最後は彼を逃がそうとしたが、ストリックランドに邪魔されるも、イライザたちを見送った。

ゼルダ・D・フラー(演:オクタヴィア・スペンサー)
航空宇宙研究センターで掃除係として働く。イライザの良き同僚で友人でもある。
オクタヴィア・スペンサーは代表作に『評決のとき』、『ダイバージェント』シリーズなどがあります。
いつも夫の愚痴をイライザに話していて、仕事が終わると足が痛いと文句を言っていた。
イライザが不思議な生物と交流している事を知りながらも、それを止めず黙っていた。
ついに彼を連れ出す事になったイライザを一度止めるが、彼女の想いを知って手伝った。
最後はストリックランドに脅されるが屈せず、イライザたちの元に駆けつけて見送った。

ロバート・ホフステトラー博士/ディミトリ(演:マイケル・スタールバーグ)
アマゾン川から連れて来た不思議な生物の研究をするべく、新たに派遣された学者。
マイケル・スタールバーグは近年の出演作に『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』、『君の名前で僕を呼んで』などがあります。
実はその正体はソ連のスパイで、不思議な生物を研究して母国に情報を送る役目を担う。
ストリックランドの提案で不思議な生物を解剖するべきだとゴリ押しされて焦る。
ソ連の幹部から彼を殺すよう命令されるが、イライザたちの計画に乗じて協力をした。
最後は仲間に会うも撃たれてしまい、ストリックランドにイライザの事を話して死亡した。

ホイト元帥(演:ニック・サーシー)
アマゾン川から連れて来た不思議な生物の研究を許可した。ストリックランドの上司。
ニック・サーシーは代表作に『キャスト・アウェイ』、『マネーボール』などがあります。
レイシストであるストリックランドと同じく、彼をソ連に引き渡さない事だけを考える。
解剖で知識を得る方が貢献できると主張したストリックランドの主張を聞いて許可した。
最後は彼を逃してしまったストリックランドをクズ扱いし、厳しい処分があると言い渡した。

リチャード・ストリックランド(演:マイケル・シャノン)
航空宇宙研究センターにアマゾン川から連れて来た不思議な生物の管理を担う男。
マイケル・シャノンは近年の出演作に『ポッターズビルの奇跡』、『ノクターナル・アニマルズ』などがあります。
レイシストでパワハラをして、掃除係であるイライザやゼルダたちを見下している。
不思議な生物に対して動物と同じ考えを持ち、自分が上だと誇示する為に痛めつける。
そのせいで指を食い千切られるが、それでも態度を変えず、解剖をするべきだと主張した。
最後は地位と名誉を取り戻す為に暴走するが、怒った彼によって呆気なく殺された。

感想

個人的な評価

本作は『第74回ヴェネツィア国際映画祭』のコンペティション部門で上映され、金獅子賞を受賞した作品です。
他に『第42回トロント国際映画祭』や『東京国際映画祭』などでも上映されています。
世界各国で高い評価を受けたギレルモ・デル・トロ監督の異種生物による恋愛映画です。
気持ち悪いクリーチャーを造るのが好きなギレルモ・デル・トロ監督は、本作でもその性格を変える事なく恋愛映画を描きました。
同時期に公開された『美女と野獣/2017年版』に対して、ギレルモ・デル・トロ監督は強い嫌悪感を示しています。
ギレルモ・デル・トロ監督は異形のクリーチャー好きとしても知られ、ファンタジックに描いた作品にもの申していました。
それならば、自分が理想とする『美女と野獣』を描こうとして、本作を作ったという熱意を持った人間である。
当然のように本作は登場する不思議な生物である“彼”は、ギレルモ・デル・トロ監督のこだわりが詰まったキャラクターとなります。
ファンタジックな要素を排除し、あくまで現実にいるとすれば、どのような事をするのかをリアルに描いています。
それに対して、恋愛映画の要素に欠かせないヒロインを演じたサリー・ホーキンスは決して美女とは言い難いでしょう。
確かにキレイな人であるけど、すでに年齢が40歳を超えているので、純愛をテーマにした本作ではかなり強引と言えると思います。
しかし、だからこそギレルモ・デル・トロ監督はキャスティングして、世間から疎まれる存在を引き合わせています。
片方は独身で口も利けない年増の女、もう片方は人間ですらない生物だが、お互いが強く引き合う共通点を持っていました。
ギレルモ・デル・トロ監督が描きたかった事は充分に伝わりましたが、正直言って、娯楽映画としてはあまり面白いとは感じませんでした。
それはヒロインが年増だからとか、相手が半漁人だからというワケじゃなく、心に突き刺さる描写がなかったからです。
確かに純愛をテーマにしている本作ですが、もう一歩心の中に踏み込むような感情に訴える場面が欲しかったです。
そこがなかったのが普段から恋愛映画を作らないギレルモ・デル・トロ監督の弱点だと言えるだろうと思う。
本作には様々なメッセージ性が込められているが、肝心の恋愛映画として感情をかき立てる部分が弱かったのが惜しいところでした。

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