作品紹介
公開年月 | 2019/01/16 |
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ジャンル | SF/アクション |
原作 | なし |
監督 | ティモ・ヴオレンソラ |
脚本 | ダラン・マッソン、ティモ・ヴオレンソラ |
製作 | テロ・カウコマー、オリヴァー・ダミアン、ほか |
製作国 | フィンランド、ドイツ、ベルギー |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
月面ナチスとの戦いに勝利した人類だったが、核戦争の勃発で地球は荒廃し、生き残った人々は地球を脱出して月面基地で生き延びていた。
次第に資源の枯渇して月面基地の人々は滅亡の危機を迎え、レナーテとジェームズの娘オビは地球の深部にあるエネルギーを求めて旅立った。
しかし、そこにはナチス・ヒトラーと結託した秘密結社ヴリル協会が人類滅亡を企むべく、恐竜とともに待ち受けていたのだった。
登場人物&出演者
・オビ・ワシントン(演:ララ・ロッシ)
主人公。レナーテ司令官の娘。月面基地で唯一のエンジニアで故障するとすぐに修理する。
ララ・ロッシは代表作に『素敵なウソの恋まじない』、『フッド:ザ・ビギニング』がある。
月面基地に未来がないと分かりながらも、得体の知れないサーシャを受け入れる脳天気。
常にタンクトップを着て中途半端な筋肉を見せつけ、鼻には牛のリングをする微妙なセンス。
ヴォルフガングに言われた通りにアガルタから聖杯を奪い、平温な楽園を崩壊させている。
最後はヴォルフガングが持つiPhoneで自爆させ、サーシャと恋人になって火星を目指す事に。
・レナーテ司令官(演:ユリア・ディーツェ)
月面基地の司令官。オビの母親。病気を患っていて治療できずに命が尽きかけている状態。
ユリア・ディーツェは代表作に『弾丸刑事(デカ)/怒りの奪還』、『デンジャラス・ミッション』などがあります。
基地へやって来たサーシャたちを警戒し、現実を忘れてジョブズ教に救いを求めている。
ヴリル・ヤーを摂取した事で病気を克服して、若返って再び司令官として月面を取り仕切る。
地球から帰ってきたオビから聖杯を見せられるが、ヴォルフガングに人質に取られてしまう。
最後は聖杯の力を手にしてヒトラーのペットを倒すが、崩壊する月面基地と運命を共にした。
・サーシャ(演:ウラジミール・ブルラコフ)
ロシア人。地球で生き残った人類をツギハギで作った宇宙船により月面基地へ到着した。
ウラジミール・ブルラコフは代表作に『Nachthelle』、『Brother and Sister』があります。
すぐにオビと知識の交換で特別な想いを持ち、自分の強さをアピールして近づこうとする。
ヴォルフガングの話しで地球へ行く術として宇宙船に乗せて、アガルタへと向かっていく。
ずっとマルコムとライバル関係を持っていたが、彼がホモだと分かって徒労だと分かる。
最後はオビと気が合って恋人同士となり、宇宙船で新たな星である火星を目指す事となる。
・マルコム(演:キット・デイル)
月面基地にいる警備兵。レナーテ司令官から信頼されており、オビの夫に相応しいと話す。
キット・デイルは本作が長編映画デビュー作となります。
マッチョこそが正義だと考えている脳筋であり、完全防護服をなぜか脱いで話すクセがある。
オビたちが無断で地球へ向かう際、その場に居合わせて軽いノリで一緒に行く事となる。
地球の空洞へ到着すると、様子見で恐竜に教われるも自慢のマッチョでなんとか倒している。
最後はオビに興味がなくホモでピーナッツと甲殻類アレルギーで失神するも復活した。
・ドナルド(演:トム・グリーン)
ジョブズ教の教祖。食糧危機に陥る月面基地の中で上層部としてなぜか君臨している。
トム・グリーンは代表作に『ロード・トリップ』、『クール・ボーダーズ』などがあります。
スティーヴ・ジョブズを神のように讃えており、彼の作り出したアップル製品を信奉する。
信者たちにベーシックな製品を与えるが、違法にカスタムした者を破門して自爆させる。
オビたちが地球へ向かう時に同行してレプティリアのジョブズに接触してヒトラーと出会う。
最後は移住を希望して取引するが、当然のように約束を守らないヒトラーたちに殺された。
・アメリカ合衆国大統領(演:ステファニー・ポール)
人類とナチスとの核戦争を勃発させた結果、地表を荒廃させてしまう元凶を作った張本人。
ステファニー・ポールは代表作に『Separation City』、『アイアン・スカイ』があります。
荒廃したホワイトハウスから南極へ向かい、地球の空洞にあるアガルタの都市に向かう。
晩餐会を開く歴史上の人物たちに混ざり、ボスであるヒトラーを大胆にも批判をしていた。
最後は登場したヒトラーに地球を台無しにした責任を取らされ、仲間に全身を食われた。
・ウォルフガング・コーツフライシュ(演:ウド・キア)
恐竜時代に宇宙から来たヴリル族。サーシャの宇宙船に紛れ込んで月面基地にやって来る。
ウド・キアは近年の出演作に『アメリカン・アニマルズ』、『ドント・ウォーリー』がある。
自分の部屋に入ると追いかけてきたオビに見つかりヴリル・ヤーをレナーテの治療に渡す。
レナーテの病気が治って若返ると、ヴリル・ヤーが地球の内部に存在すると説明をした。
聖杯を持ち帰ったオビから奪おうとするが、兄が登場して暴れると有耶無耶にされてしまう。
最後は宇宙船でオビたちを追いかけるが、iPhoneの自爆装置によって爆発四散された。
・アドルフ・ヒトラー(演:ウド・キア)
ウォルフガングの兄。弟と一緒に恐竜時代の地球に来た。恐竜を飼い慣らす事に執着する。
レプティリアたちを使って人間を争わせていたが、米国大統領のせいで地球が荒廃する。
言い訳する米国大統領を仲間に食わせ、ジョブズ教の教祖ドナルドと取引して彼を殺した。
月面基地までやって来ると、ペットの恐竜に跨って登場してヴォルフガングと再会する。
最後は聖杯の力を取り込んだレナーテに吹っ飛ばされ、落ちてきた部品に潰されて死亡した。
感想
個人的な評価
本作はファンからのクラウドファンディングで1.5億円が集まって製作されています。
前作はブラックユーモアをふんだんに盛り込み、カルト的な人気を集めていました。
そんな本作は文字通り、ファンたちのカンパによって作られた続編となります。
もちろん、期待されるのはメチャクチャなストーリーと過去に色々と問題を起こした歴史上の人物たちを容赦なく投入するところだろう。
残念ながら前作の記憶はほとんどないが、かなりぶっ飛んだストーリーとナチスが織りなす展開は尖ったイメージを持っています。
なので、本作でもそれを期待したら、なぜか真面目にやろうとする方向性に根本的な間違えにガッカリさせられました。
どうしても1作目の強烈なインパクトがあるので、それをイメージさせように安定したストーリーに乗せたのがそもそもの失敗である。
やはり、本作は唐突で不自然な展開にするべきであり、ちゃんとした整合性を持たせるような流れはいりません。
個人的に求めるのはどこまで不自然でご都合主義でありながら、予想もできないような斜め上を行くような展開でした。
しかし、本作は万能な主人公を中心にして組み立てているせいもあって、歴史上の人物たちの存在意義がかなり薄れてしまっている。
せっかくスティーヴ・ジョブズをネタに使い、ザッカーバーグも出しているのに、オマケ程度の扱いにしているのはもったいない。
ヒトラーなんて前作を意識して不自然さではなく、出さないといけない使命感みたいのが伝わって逆効果に感じられた。
本作は出発点から間違っていて、果たして出資者たちはこのような無難な仕上がりの方向性を望んでいたのか気になります。
正直言って、本作で一番笑ったのはジョブズ教の紹介だけで、物語を引っ張る魅力のない万能な主人公には萎えてしまいました。
そもそも主人公を演じるララ・ロッシは何かとタンクトップになって肉体を見せるが、筋肉は中途半端だし、美人でもないから鑑賞するのに耐えていたような感じです。
他のオタクなロシア人やマッチョでホモな警備兵も中途半端で今一つ魅力が伝わってこない。
全体的にちゃんとした作品にしようとした監督の考えが間違っていて、前作が残した爪痕に比べて平凡すぎる作品だったと思います。