バーフバリ/王の凱旋 RE-2789

作品紹介

公開年月  2017/04/28
ジャンル  歴史劇/アクション/アドベンチャー
原作  なし
監督  S・S・ラージャマウリ
脚本  S・S・ラージャマウリ、K・V・ヴィジャエーンドラ・プラサード
製作  ショーブ・ヤララガッダ、プラサード・デーヴィネーニ
製作国  インド
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

勇者アマレンドラ・バーフバリは、母国シヴァガミから新国王に指名され、麗しく勇敢な姫を妻を迎える事になった。
だが、王位継承争いに敗れた従兄弟バラーラデーヴァの邪悪な策略によって、王の座を奪われた上に誕生したばかりの息子の命に危機が及ぶ。
愛と正義の名の下にバーフバリと妻子は壮絶な運命に巻き込まれていくのだった。

登場人物&出演者

マヘンドラ・バーフバリ/アマレンドラ・バーフバリ(演:プラバース)
主人公。先の戦いで敵方を倒し、国母シヴァガミよりマヒシュマティの国王を約束される。
プラバースは代表作に『Billa』、『Mirchi』などがあります。
国母シヴァガミから国王になるべく、見聞を広げる為にカッタッパとともに旅へ出る。
その道中でクンタラ王国のデーヴァセーナにひと目惚れし、結婚を誓うも母と仲違いする。
バラーラデーヴァの策略によってシヴァガミから死刑を言い渡され、カッタッパに殺された。
最後は父の遺志を継いだマヘンドラ・バーフバリはバラーラデーヴァを倒し、国王となった。

デーヴァセーナ(演:アヌシュカ・シェッティ)
ヒロイン。小国であるクンタラ王国の王女。男勝りで小さい頃から武術を叩き込まれる。
アヌシュカ・シェッティは代表作に『Arundhati』、『Rudhramadevi』などがあります。
武術ばかりに傾倒するせいで、両親から結婚は従兄のクマラしかいないと心配されてしまう。
クマラの使用人として仕えるバーフバリを最初から怪しみ、彼が国を助けた事で結婚を決意。
その後、バーフバリの子を宿すが、バラーラデーヴァの策略で夫が殺されて幽閉される。
最後は父の遺志を継いだマヘンドラ・バーフバリと戦い、バラーラデーヴァを焼き殺した。

カッタッパ(演:サティヤラージ)
バーフバリが生まれた時から仕える戦士。先の戦いでバーフバリに忠誠を誓い従者となる。
サティヤラージは代表作に『Villadhi Villain』、『チェンナイ・エクスプレス/愛と勇気のヒーロー参上』などがあります。
ビッジャラデーヴァがシヴァガミの殺害を企んでいる事を嗅ぎつけ、その警告を発していた。
バーフバリが国王としての見聞を広げる為に、身分を偽って共に国中を旅する事となる。
デーヴァセーナと結婚したバーフバリを誇りに思うも、彼が追放された時は何もできずに。
最後は父の遺志を継いだマヘンドラ・バーフバリに付き従いバラーラデーヴァを倒した。

アヴァンティカ(演:タマンナー)
クンタラ王国の一党で戦士。バラーラデーヴァに囚われるデーヴァセーナを救出に向かう。
タマンナーは代表作に『Ayan』、『Oopiri』などがあります。
その道中でマヘンドラ・バーフバリであるシヴドゥと出会うと、二人は恋に落ちていく。
最後は父の遺志を継いだマヘンドラ・バーフバリとともにバラーラデーヴァを倒した。

クマラ・ヴァルマ(演:スッバラージュ)
クンタラ王国の王女デーヴァセーナの従兄。小心者で常に己の力を誇示しようとする。
スッバラージュは代表作に『Arya』、『Pokiri』などがあります。
見聞を広げる為に旅をしていたバーフバリが身分を偽り、彼を使用人として召し抱える。
愚鈍な存在だと思っていたバーフバリに武術を教えていくが、ビビリという事を見抜かれる。
盗賊に国が襲われた時、バーフバリの力強い言葉を受けて勇敢に立ち向かい女たちを助けた。
最後はバラーラデーヴァとビッジャラデーヴァの策略にハマり、バーフバリの死刑を招いた。

シヴァガミ(演:ラムヤ・クリシュナ)
マヒシュマティ王国の国母。悪魔祓いをする「火の儀式」を執り行うべく命懸けで実行する。
ラムヤ・クリシュナは代表作に『Kante Koothurne Kanu』、『パダヤッパ/いつでも俺はマジだぜ!』などがあります。
バーフバリに英才教育を叩き込んで、バラーラデーヴァよりも弟である彼を次期国王にする。
当初から王族としてのプライドを重んじて、自分が神よりも正しいと勘違いするようになる。
デーヴァセーナの正論に対して権力でねじ伏せ、ついにはバーフバリを追放してしまう。
最後は息子を殺した過ちから孫のマヘンドラ・バーフバリを自分の命と引き換えに助けた。

ビッジャラデーヴァ(演:ナーサル)
国母シヴァガミの夫。左半身が不自由。王座を受け継げない事をずっと根に持っている。
ナーサルは代表作に『Nayakan』、『Avatharam』などがあります。
息子であるバラーラデーヴァではなく、バーフバリを国王に就かせる事に殺意を覚えている。
なんとかして息子を国王にしようとあらゆる策を講じ、シヴァガミを利用しようとする。
バラーラデーヴァと芝居を打ってクマラを騙し、バーフバリの死刑をシヴァガミに誘導した。
最後は父の遺志を継いだマヘンドラ・バーフバリに息子が倒され、罪人として捕らわれる。

バラーラデーヴァ(演:ラーナー・ダッグバーティ)
バーフバリの弟。先の戦いで多大な功績を挙げるが、野心を見抜かれて国王の座から陥落。
ラーナー・ダッグバーティは代表作に『Leader』、『The Ghazi Attack』などがあります。
父親のビッジャラデーヴァが国母の殺害を促すが、それを制止するほどの成長を遂げる。
バーフバリが見初めたデーヴァセーナを横取りするべく、シヴァガミに願い約束をさせる。
シヴァガミを操ってバーフバリを殺害させ、デーヴァセーナを25年間も幽閉させる事に。
最後は父の遺志を継いだマヘンドラ・バーフバリに倒され、デーヴァセーナに焼かれた。

感想

個人的な評価

本作はインド映画史上最高の興行収入を記録した作品となります。
『メルボルン・インド映画祭』ではテルストラ・ピープル・アワードを受賞しています。
さすがにインド映画史上で最高の興行収入を記録しただけの超大作となっています。
冒頭から惜しみない迫力の映像と、ボリウッドらしい音楽に乗せたあらすじのダイジェストだけでも圧倒的な世界観を感じさせます。
本作は続編となっているが、実際は一作目のジヴドゥの父親に当たるアマレンドラ・バーフバリの物語が中心となっています。
前作ではカッタッパがジヴドゥの父親について語り始めるところで終わるが、本作はそこからスタートさせています。
二代に渡ってバーフバリを演じるプラバースのおかげで、最初は混乱してしまいました。
一作目から続けて鑑賞していれば問題はないが、時間を置いてしまうと、時系列がゴチャゴチャになってしまう。
本作のメインは一作目のジヴドゥではなく、賢王として国民から慕われていたアマレンドラ・バーフバリの物語となります。
同じ役者が演じているので混乱してしまうが、父親の物語をカッタッパが語っているという流れになっています。
まさにアマレンドラ・バーフバリは「善」を体現したような人物で、どう考えても国王に相応しい人物だと言えます。
それに対して、兄のバラーラデーヴァは野心に満ちていて、第三者から見ても国王の器ではないと分かります。
ここで物語をかき乱すのが国母シヴァガミで、民から愛されているワリに自分のメンツを気にする傲慢な人物となっている。
確かにバラーラデーヴァは極悪人であるが、シヴァガミだって自分は神より正しいと言い切ってしまうほどヤバイ人なのです。
そんな大層な自信家が明らかに国王に相応しいバーフバリよりも、野心に満ちたバラーラデーヴァを信じるところに矛盾がありました。
誰よりも自分の息子を分かっているはずなのに、あんな簡単に騙されて操られるのはご都合主義の何モノでもなかった。
そのせいでシヴァガミがバラーラデーヴァ並みの極悪人に見えて仕方なかったです。
本作はとにかく金がかかった超大作であり、惜しみなく映像や音楽に力を入れていて、インド映画の凄さを改めて感じさせました。
権力を欲しがる兄と最後まで母親を信じた純真な弟の王座を巡る物語なので、どうしても血生臭くドロドロしたイメージがありました。
個人的には前作にあった牧歌的な分かりやすい展開の方が良かったので、余計にシヴァガミの頭の悪さに少し苛立ってしまいました。
それでも、本作は間違えなくアクションを含めたインド映画の中で最高峰の面白さでした。