マニカルニカ/ジャーンシーの女王 RE-3300

作品紹介

公開年月  2019/01/25
ジャンル  歴史劇/アクション
原作  ジラクシュミー・バーイー 『インド大反乱』(モチーフ)
監督  ラーダ・クリシュナ・ジャガルラームディ
脚本  K・V・ヴィジャエーンドラ・プラサード
製作  カマル・ジャイン、ヨギラージ・シェティ
製作国  インド
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

ヴァラナシで僧侶の娘として生まれたマニカルニカは、ピトゥールの宰相に育てられ、幼い頃から武士階級の男子同様に武芸を磨いてきた。
その勇敢な行動を見かけたジャーンシー藩王国の大臣から、藩王ガンガーダル・ラーオとの縁談が持ちかけられてマニカルニカは嫁ぐ。
藩王も病死して藩はイギリスに併合され、王族たちは去るも、インド大反乱が勃発するもマニカルニカは国と民の為に立ち上がるのだった。

登場人物&出演者

マニカルニカ/ラクシュミー・バーイー(演:カンガナー・ラーナーウト)
主人公。元宰相のバージ・ラーオ二世と実父モーロバントに育てられ、才色兼備の美女に。
カンガナー・ラーナーウトは代表作に『クリッシュ』、『クイーン/旅立つわたしのハネムーン』などがあります。
ジャーンシー王国の大臣ディクシトから国王ガンダール・ラーオと結婚で王妃となる。
息子が早世し、夫のガンダール・ラーオも病気で亡くなると、王国を守る為に立ち上がる。
ジャーンシー王国を焼き払われるが、グワーリヤル城を無血開城させマラーター王国を再建。
最後はヒュー・ローズ将軍を迎え撃つが、銃撃を食らい、炎の中で戦士としての死を選んだ。

カンガーダル・ラーオ(演:ジーシュ・センーングプタ)
ジャンシー王国の国王。文学と芸術を重んじて、部下たちの心配を他所に楽しんでいた。
ジーシュ・センーングプタは代表作に『ピクー』、『Ek Je Chhilo Raja』などがあります。
女物の腕輪をいつも付けているが、母親だけが咎めるもマニカルニカとの結婚式でも外さず。
マニカルニカの持つ可能性を信じていて、自身の病が悪化すると戦う気持ちが湧き上がる。
王位継承の儀式では王族サダーシヴの息子が養子の予定が、民間人の子供にすり替えた。
最後はマニカルニカに王国を守るように言い渡し、病が悪化してそのまま亡くなってしまう。

グラーム・ガウス・カーン(演:ダニー・デンソンパ)
ジャーンシー王国でマニカルニカの結婚を祝福した戦士。黒い服装で他とは違っている。
ダニー・デンソンパは代表作に『セブン・イヤーズ・イン・チベット』、『ロボット』などがあります。
ガンダール・ラーオを亡くし、イギリスに文書で糾弾したマニカルニカの手法に不満を持つ。
生粋の戦士であるが、マニカルニカが持っていたインドの将来に対する考え方に賛同した。
ジャーンシー城でイギリス軍を迎え撃つ為に準備し、マニカルニカの作戦に従っていた。
最後はイギリス軍の銃弾を食らい、同胞の裏切りで負傷し、マニカルニカの前で亡くなった。

バージー・ラーオ二世(演:スレーシュ・オベロイ)
マラーター王国の元宰相。東インド会社に全部奪われ、年金をもらい小さな領地で暮らす。
スレーシュ・オベロイは代表作に『真っ赤なスパイス』、『ラージャー・ヒンドゥースターニー』などがあります。
部下の僧侶だったモーロバントに娘のマニカルニカが生まれると、彼女の可能性を見出した。
モーロバントとともにマニカルニカを戦士として育て上げ、その強さは男三人以上になる。
最後はディクシト大臣から婚礼の話がやって来ると、故郷を救うマニカルニカの存在を示す。

ディクシト大臣(演:クルブーシャン・カルバンダ)
ジャーンシー王国の大臣。バージラーオ二世の元を訪れた時、マニカルニカの勇姿を知る。
クルブーシャン・カルバンダは代表作に『デザート・フォース』、『ミルザーブル/抗争の街』などがあります。
マニカルニカこそジャーンシー王国に必要な存在だと察知し、すぐに婚礼の話しを進めた。
バージラーオ二世も承諾し、マニカルニカも承諾して、ジャーンシー王国の安泰をもたらす。
ジャーンシー王国を追われたマニカルニカを心配するが、立ち上がる彼女に黙って従った。
最後は強固なグワーリヤル城を無血開城させたマニカルニカの偉大さを知る事になった。

ジャルカリ・バーイー(演:アンキター・ローカンデー)
ジャーンシー王国の村に住む若い女性。子羊をイギリス人に奪われても必死に縋り付いた。
アンキター・ローカンデーは本作が長編映画デビューとなります。
領地を見回っていたマニカルニカが話しを聞いて、イギリス人から仔牛たちを助け出す。
なぜか特別に仔牛をマニカルニカが持ってきて、牛乳を飲ませて歌と踊りで歓迎していた。
ジャーンシー城でイギリス軍を迎え撃つべく、マニカルニカから多くの女性と訓練を受ける。
最後はマニカルニカを城外へ逃がすべく影武者となり、イギリス軍とともに爆死をした。

サダーシヴ・ラーオ(演:モハメッド・ジーシャン・アイユーブ)
ガンダール・ラーオの王弟。東インド会社やイギリスの将校たちと結託して権力を狙う。
モハメッド・ジーシャン・アイユーブは代表作に『No One Killed Jessica』、『ミッション・マンガル』などがあります。
王位継承争いで一度破れているが、イギリス人たちに縋り付いて名乗りを挙げようとする。
マニカルニカに息子が生まれてしまい、王位継承を諦めるが、イギリス人の策略で毒殺する。
落ちないジャーンシー城を攻略する作戦をヒュー・ローズ将軍に渡し、忠誠心を見せた。
最後は母国を裏切る人間だとヒュー・ローズ将軍に言われ、用なしとなって処刑された。

ゴードン少将(演:エドワード・ソネンブリック)
イギリス軍の将校。東インド会社やサダーシヴと結託して、ジャーンシー王国の併合を狙う。
エドワード・ソネンブリックは代表作に『親友の結婚式』、『KESARI/ケサリ 21人の勇者たち』などがあります。
イギリス人の方がインド人より偉いと自負し、頭を垂れる国王に堂々とした態度を取る。
頭を垂れないマニカルニカの挑戦的な目つきを記憶に刻み、王国の併合を裏工作で進める。
戦争ではなく法律でジャーンシー城を包囲して手に入れるが、マニカルニカは頭を下げず。
最後はインドの反乱軍にジャーンシー城を襲撃され、見せしめに自身と家族を殺された。

・ヒュー・ローズ将軍(演:リチャード・キープ)
イギリス軍の将校。ゴードン少将が殺されると、東インド会社の総督から招集を受けてきた。
リチャード・キープは代表作に『Bus Palladium』、『マレフィセント2』などがあります。
ヨーロッパ各地での戦績が有名で、イギリスに屈しないマニカルニカを倒す為にやって来た。
ジャーンシー城を奪い返したマニカルニカを倒すべく、大軍を率いるが予想以上に苦戦する。
逃げ延びたマニカルニカを追うが、裏切り者のサダーシヴから情報を得て戦いに備える。
最後は出撃したマニカルニカを見つけるが、戦士として死を選ぶ彼女の強さを後に評価する。

感想

個人的な評価

本作は1857年~1858年にかけて起きたイギリスに対するインドの民族的抵抗運動「インド大反乱」を基に作られています。
その大反乱の中で指導者の一人として君臨したマニカルニカを主人公にした作品となります。
マニカルニカはインド版ジャンヌ/ダルクと呼ばれるほど、当時だけじゃなく、今でもインドで高い人気を誇る女性となります。
男が三人挑んでも負ける事がなく、虎を殺さずに倒す腕前と身体能力が非常に高いです。
それだけじゃなく、いろんな本を読んでいて、敵国となる英語すらできるという文武両道の強い女性だと本作から分かります。
最初からイギリス人に対して強気な態度を見せていて、これこそが後にインド人の誇りをかけた戦いに身を投じる要因となります。
とにかく、本作は歴史大河ドラマのような構成である為、次々と登場人物が出てきて誰が誰だけ分かりません。
しかも、名前も聞き慣れない上に別名とか持っているせいで、本当に誰が何をしているのか途中から分からなくなる。
更に当時のインドにあった風習を当たり前のように描写しているので、こちらも意味が分からずにただ見るしかなかった。
あくまで本作はインド人の為に作った作品であり、インド文化に詳しくない外国人にとっては少し厳しいかもしれない。
同じ歴史大河ドラマの『バーフバリ』は外国向けに簡略化し、分かりやすいストーリーと迫力あるアクションで世界でもヒットしています。
それに対して、本作は収支に渡ってシリアスな展開であり、圧倒的な力を持つイギリス人を悪として立ち上げっていく違いがあります。
確かにマニカルニカは子供を失い、夫を失っても決して折れず、インドの将来を誰よりも考えていたのは充分伝わりました。
母国の為に戦う人たちの信念は凄まじいと伝わりますし、マニカルニカは単なる象徴じゃないとも分かりました。
やはり、全体的に複雑なインドのシステムや儀式、入り乱れる登場人物のおかげで鑑賞する際にはちょっと予習する必要があるかもしれない。