恐怖の火星探検 RE-2997

作品紹介

公開年月  1958/08/13
ジャンル  SF/ホラー
原作  なし
監督  エドワード・L・カーン
脚本  ジェローム・ピクスビー
製作  ロバート・E・ケント、エドワード・スモール
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

人類初の火星探検ロケットが遭難して音信不通となった半年後、救援に向かった第2次探検隊が火星に到着する。
そこには唯一の生存者である船長のカルザース大佐を発見するが、彼は謎の静物に襲われたと主張するも誰も信じてもらえず。
カルザース大佐は乗組員たちの殺害容疑をかけられ地球に送還されるが、ロケット内には火星の怪物が潜んでいたのだった。

登場人物&出演者

エドワード・カルザース大佐(演:マーシャル・トンプソン)
主人公。第1次火星探検隊の船長。半年前に火星に着陸するも自分以外は怪物に殺された。
マーシャル・トンプソンは代表作に『悪漢バスコム』、『愛と喝采の日々』などがあります。
救助船がやって来るが、殺人容疑で軍法会議にかけられるた為に地球へ送還される事になる。
特にヒューゼン大佐から疑われていたが、怪物を目の前にしてようやく無実を認められる。
みんなからの誤解が解かれるが、何をしても船内に侵入した怪物を退治できずにいた。
最後は酸素を抜いて怪物を窒息死させ、ロマンスを繰り広げたアンといい感じになった。

・アン・アンダーソン(演:シャーリー・アンダーソン)
救助船の乗組員。地質学者。当初からカルザース大佐の殺人容疑に疑問を持っていた。
シャーリー・アンダーソンは代表作に『North of the Rockies』、『The Land Unknown』などがあります。
ただし、あくまで中立的な立場を取っていて、一方的なヒューゼン大佐の考えに反対する。
実際に怪物が船内に現れると、中立的な立場からカルザース大佐が無実だと信じる事に。
火星へ来る前までヒューゼン大佐といい感じになるが、次第にカルザース大佐に惹かれる。
最後はエリックとの連携で怪物を窒息死させたカルザース大佐と親密な関係になっていく。

メアリー・ロイス(演:アン・ドラン)
救助船の乗組員。医者。エリックは夫。同じ女性乗組員のアンとともに男たちの面倒を見る。
アン・ドランは代表作に『愛のアルバム』、『リトル・モー』などがあります。
基本的に主婦のような感じで食事などを提供して、医者としての活躍はあまり見せない。
乗組員が怪物に襲われると、唯一の医者として出番が回ってケガ人の面倒を見る事に。
怪物によって細菌に感染したヒューゼン大佐やパデュー中尉の治療をするも効果が出ず。
最後は怪物がハッチを突破するも、カルザース大佐とエリックにより倒されて生還する事に。

エリック・ロイス(演:ダブス・グリア)
救助船の乗組員。メアリーの夫。殺人容疑のかかるカルザース大佐を信じようとしている。
ダブス・グリアは代表作に『肉の蝋人形』、『テキサス魂』などがあります。
感情的にカルザース大佐を追い込もうとするヒューゼン大佐と違い、冷静に分析をする。
怪物が船内に出現すると、銃を手にとって応戦するも通用せずにみんなと安全な場所に避難。
なんとか対抗する案を考えながらも、同時に怪物が火星人の成れの果てとして結論を出す。
最後はカルザース大佐と同じ考えで船内の酸素を抜き、見事に怪物を倒して生還を果たした。

ボブ・フィネリ(演:リチャード・ベネディクト)
救助船の乗組員。低温物理学者。ムードメーカー。弟でお調子者のジーノといつも一緒。
リチャード・ベネディクトは代表作に『地獄の英雄』、『オーシャンと十一人の仲間』などがあります。
食事の時は談笑する中の中心人物となって、ジーノの冗談も一緒に楽しんでいた。
怪物がジーノを襲ってしまうと、なんとか助けようとするも他の乗組員から止められた。
パデュー中尉が弟を助けられなかったが、あくまで彼じゃなく怪物を憎んでいた。
最後はケガをしたコルダー中尉を助けようとするも失敗し、怪物に襲われて死亡した。

ジョン・パデュー少尉(演:ロバート・バイス)
救助船の乗組員。ヒューゼン大佐の部下として忠実に働く。点呼される時しか登場せず。
ロバート・バイスは代表作に『東京上空三十秒』、『乱暴者』などがあります。
次に登場するのはジーノが襲われ、ハッチの中にいるとして率先して中に入って確かめる。
そこで怪物に遭遇して頭を撫でられて大ケガするが、銃を撃ちながらなんとか逃げ出す。
その後はメアリーの治療を受けて変な風に包帯を巻かれ、ボブに弟を見捨てた事を謝った。
最後はケガ人としてほとんど機能せず、カルザース大佐とエリックのおかげで生還する。

ジェームズ・コルダー中尉(演:ポール・ラングトン)
救助船の乗組員。ヒューゼン大佐が最も信頼する部下。出発前にゴミを捨てた事が問題に。
ポール・ラングトンは代表作に『コレヒドール戦記』、『地獄の戦線』などがあります。
勝手にエアロックを開けたせいで怪物が侵入するが、誰も気付かずにそのまま出発をした。
ヒューゼン大佐と代わり番こで殺人容疑のかかるカルザース大佐の見張り役となった。
怪物が出現して対抗手段がなくなると、奇襲攻撃を仕掛けるも足を折って身動きができず。
最後はずっとガスバーナーで怪物を追い払い、カルザース大佐たちによって生還を果たす。

ヴァン・ヒューゼン大佐(演:キム・スポルディング)
救助船の乗組員。戦傷。カルザース大佐が乗組員を殺したとして終始に渡って彼を疑う。
キム・スポルディングは代表作に『The Jackpot』、『西部の決斗』などがあります。
カルザース大佐が部下を殺したと決めつけるが、片想いを寄せるアンに否定されてしまう。
怪物が登場してカルザース大佐のせいじゃないと分かって、それでも認めようとしない。
途中で怪物に足を掴まれて細菌を移されると、メアリーの治療では間に合わず死期を悟る。
最後は侵入してきた怪物に体を張って止めるが、そのせいで一撃を食らって死んでしまう。

感想

個人的な評価

本作はリドリー・スコット監督の『エイリアン』に内容が酷似して盗作したと裁判沙汰になった作品です。
『エイリアン』より20年前の作品であったが、リドリー・スコット監督のおかげで知られるようになりました。
確かに本作は『エイリアン』の中核を担うプロットと似ていますが、裁判沙汰になるほど似ているとは思えなかったです。
映画でも音楽でもそうですが、もうネタは出し尽くされていて、必然的に似てしまう場合は多々にあると思います。
『エイリアン』の方がもっと細かく設定されていて、本作からインスパイアされていたとしても、完全に別物だと思いました。
本作は古き良きSF映画という感じで、現代のSF映画と比べるとチープな作りですが、当時としては画期的だったかもしれません。
未だに有人火星探査が実現できていない上に、当時は月面着陸すらできていない時代で作られた映画として最先端だったと思います。
まだ火星には人間のような生命体がいると信じられた時代の中で、未知なる世界に対する当時の人々が持つ自由な発想があった作品でした。
登場する怪物は明らかな着ぐるみであるが、当時のSF映画では珍しくないし、それが限界だったと思います。
どうしても『エイリアン』と比べると些か緊張感が少ないけど、未知なる世界の危険性を訴える作品としては悪くないと思います。
宇宙船内で当たり前のように銃撃や手榴弾の爆破という常識外れの行動は首を傾げるが、そんな細かい事など考える必要はありません。
半世紀以上も前の作品なので現代と比べてしまうとチープであるが、古き良きSF映画として悪くないと感じる作品でした。