デッド11/復活ナチゾンビ軍団 VD-394

作品紹介

公開年月  2017/11/26
ジャンル  ホラー/戦争
原作  なし
監督  レオ・シャーマン
脚本  レオ・シャーマン、マット・ブーイ
製作  タイラー・レヴァイン
製作国  カナダ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

第一次世界大戦が終結し、ドイツ軍は後退し、降伏の手段を交渉していた。
しかし、実はドイツ軍には最終秘密兵器として開発した危険な兵士が残されていた。
アメリカ・イギリスの連合軍が放棄されたドイツのトレンチ11の深い地下施設に足を踏み込むと、そこにはゾンビ兵の軍団が待ち受けるのだった。

登場人物&出演者

・バートン中尉(演:ロッシフ・サザーランド)
カナダ兵。12日間いた地下から仲間の工兵たちを脱出させた。その功績で休暇を取っていた。
ロッシフ・サザーランドは代表作に『ハイエナ・ロード』、『バグダッド・スキャンダル』などがあります。
地下壕に入ってから部隊に指示をしていき、ドイツ兵の警告も少佐の命令で中に入っていく。
少佐の命令でクーパーと出口を探すが、ミューラーたちに捕まり地下壕の爆破を強制される。
仲間が狂暴化して銃を奪うが、ミューラーと平和を願う友情を結んで作業を続けていく。
最後はミューラに爆破を任せて逃げ出し、ライナーに邪魔されるも倒して無事に脱出した。

クーパー大尉(演:ルーク・ハンフリー)
アメリカ兵三人組の一人。他の二人とずっと前線で戦ってきた。情報通で状況を説明する。
ルーク・ハンフリーは代表作に『Cruel But Necessary』、『I Was Lorena Bobbitt』などがあります。
三人の中で階級が上であるが、部隊の指揮権を持っているジェニングス少佐に黙って従う。
地下壕へ入ると、ドイツ兵に襲われるも追い返し、少佐の命令で重要な資料を探す事になる。
途中で狂暴化したドイツ兵に脇腹を刺されるが、気にする事なく出口を見つける捕まった。
最後は動かなくなったケリーを心配したが、鼻と喉を食い千切られてそのまま死亡した。

・プロンガー軍曹(演:ジェフ・ストローム)
アメリカ兵三人組の一人。前線で戦っていた。誰よりも敵兵を殺していると言われている。
ジェフ・ストロームは代表作に『俺たち喧嘩スケーター』、『フラクチャード』があります。
どこかで狩った動物の毛皮を着込み、錠剤のコカインをいつも摂取して戦場に臨んでいる。
地下壕へ入ると、生き残りのドイツ兵から警告を受けるが、少佐の命令で扉を開けてしまう。
生き残ったドイツ兵たちは普通じゃないと分かり、無茶振りするジェニングスにキレる。
最後はジェニングスに銃を向けるが、やって来たドイツ兵たちに抵抗するも蜂の巣にされた。

ケリー二等兵(演:アダム・ハーティック)
アメリカ兵三人組の一人。前線で戦ってきた。他の二人と比べて経験と知識が劣っている。
アダム・ハーティックは代表作に『チャイルド・プレイ/チャッキーの狂気病棟』、『ゴーストランドの惨劇』などがあります。
バートンの事をまったく知らず、クーパーに教えてもらい、工兵の大変さを知る事になる。
地下壕へ入ると、ドイツ兵にゲロをかけられ、引き返すべきだと主張するが撤回される。
ミューラーが率いるドイツ兵たちに捕まってしまい、その後は体調が急激に悪化していく。
最後は狂暴化して心配したクーパーの鼻と喉を食い千切り、銃を拾ったバートンに殺された。

ジェニングス少佐(演:テッド・アサートン)
イギリス兵。放棄された「トレンチ11」の調査を任される。バートンを部隊に推薦する。
テッド・アサートンは代表作に『ハリウッドランド』、『スタンドオフ』などがあります。
元々はデスクワーク組で昇進を狙っていて、今回の任務で功績を手に入れようとしている。
地下壕へ入ると、生き残ったドイツ兵から危険だと言われても無視してそのまま侵入させる。
目的であるライナーの研究室を見つけると、止めようとするケリーに権力で黙らせていた。
最後はプロンガーたちと銃を向け合い、やって来たドイツ兵のガトリングガンで射殺された。

プリースト軍医(演:チャーリー・キャリック)
イギリス兵。医学に精通している。ライナーが地下壕で行う危険な実験に興味を持っている。
チャーリー・キャリックは代表作に『Molly Maxwell』、『Angelique’s Isle』があります。
放棄された「トレンチ11」には戦利品があるとして、ジェニングス少佐と調査に向かう。
地下壕へ入ると、ドイツ兵が危険だと警告するのを訳して少佐に聞くべきだと助言していた。
生き残りのドイツ兵を解剖し、全身を寄生虫に支配されていると判明して驚愕していた。
最後はドイツ軍に捕まってしまい、ライナーから拷問を受けても情報を漏らさずに死んだ。

ミューラー大尉(演:ショーン・ベンソン)
ドイツ軍の将校。ライナーの人体実験を以前から疑問視し、爆破させるも中途半端になった。
ショーン・ベンソンは代表作に『タイピスト!』、『ウィンターストーム/雪山の悪夢』などがあります。
ドイツ兵を率いて「トレンチ11」にやって来ると、調査に来ていた連合軍を捕虜にする。
自前の工兵が感染者に殺され、仕方なくバートンたちに地下壕を破壊するように命令した。
ケリーの狂暴化で銃をバートンが手にするが、そこから妙な友情が生まれて平和を祈った。
最後は感染者の襲撃で足が折れ、時限装置の代わりに残って約束した通りの時間に自爆した。

ライナー博士(演:ロベルト・シュタットローバー)
ドイツ軍の将校で科学者。「トレンチ11」に研究所を持ち、危険な人体実験を行っている。
ロベルト・シュタットローバーは代表作に『スターリンググラード』、『フレディ/エディ』などがあります。
ミューラーと意見が衝突していたが、将軍の命令で「トレンチ11」を完全破壊する事になる。
「トレンチ11」にやって来ると、ノンビリとワインを楽しみながらプリーストと会話する。
プリーストから情報を引き出そうと拷問するも何も得られず、サンプルを手に脱出を図った。
最後は逃げるバートンを追い詰めるが、爆破でサンプルが目に刺さって崩壊で生き埋めに。

感想

個人的な評価

本作は『トロント・アフターダーク映画祭2017』にて作品賞を受賞し、その他の映画祭でも大絶賛されています。
あのデヴィッド・クローネンバーグなどの大物映画監督の助監督として活躍したレオ・シャーマンの監督作品となります。
まず、本作は色々と詐欺っぽい事になっているので、間違っている箇所を指摘したいと思う。
タイトルに「ゾンビ」が入っていますが、残念ながら本作はゾンビ映画ではなく、感染系ホラー映画となります。
つまり、これは『28日後…』を代表とした普通の人間がウイルスなどに感染して、ただ狂暴化しているだけの状態です。
ゾンビ映画というのは一度死んでから蘇っているが、感染系ホラー映画の場合は生きているうちに感染しているだけで身体能力は普通の人間と変わりません。
次に「ナチ」という言葉があるけど、第一次世界大戦で1918年と冒頭で明言しています。
そもそも、「ナチス」は1933年頃に立ち上がった政党なので、どう考えても本作のドイツはナチスでもなんでもありません。
原題は舞台となった地下壕を指しているから、明らかに邦題が二重の詐欺という事になる。
感染系ホラー映画で密室だから低予算でもごまかせるが、ハッキリ言って、ストーリーのテンポとしては非常に悪いです。
会話劇が中心になるも面白さや工夫があまりなく、状況説明と無能な上官の行動ばっかりで退屈するかもしれない。
しかし、そんな微妙なストーリーですが、人体破壊や解剖、それにメインとなる寄生虫の造形は秀逸だと思いました。
さすがはデヴィッド・クローネンバーグの下で助監督してきたレオ・シャーマンだけに、グロテスクな描写は相当力が入っています。
なので、そんなグロテスクな描写を活かすだけの脚本さえあれば、本作はもっと面白くできただけに残念です。