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映画 ビリギャル RE-2269

映画 ビリギャル RE-2269

作品情報

公開年月  2015/05/01
ジャンル  ドラマ/青春
原作   坪田信貴

『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役 合格した話し』

監督  土井裕泰
脚本  橋本裕志
製作  那須田淳、進藤淳一
製作国  日本
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

中高大一貫私立学校の高校二年生、工藤さやかは中学入学以来、ギャル仲間と遊びに夢中で一切勉強をせず、ついに学年ビリの成績に。
心配した母親が学習塾に通わせると、なんと彼女の学力は小学四年生のレベルと判明する。
彼女を受け持つ事になった塾講師の坪田も困惑するも、それでも第一志望をノリで慶応大学と宣言してしまう。
坪田は巧みな指導と褒め方によって、さやかのやる気を引き出し、彼女を本気にさせる。
こうして絶対不可能だと思われた慶応大学の合格を目指し、二人三脚の受験勉強が始まる。

登場人物&出演者

工藤さやか(演:有村架純)
主人公。高校二年生にして小学四年生レベルの学力で、父親とは不和となっている。
有村架純は様々なテレビドラマや映画に出演し、2017年の前期連続テレビ小説のヒロインに選ばれています。
まず、ギャルという設定は有村架純では似合っておらず、金髪がカツラにしか見えなかった。
しかし、そこから直向きに勉強する姿はかなり説得力があったのは大きいだろう。
これこそが有村架純本来のイメージであり、ギャルの設定はムリしているように見えた。
あとは髪を染める時、温泉でのワンシーン時、髪を結んでいるが、顔がやたら大きく見えた。

坪田(演:伊藤淳史)
青峰塾の講師。経営難であるが、本人は落ちこぼれと呼ばれた生徒たちに希望を持たせる。
伊藤淳史はテレビドラマや映画で活躍し、近年の出演作には『劇場版MOZU』、『ボクは坊さん。』などがあります。
とにかく、本作における真の主人公とも言えるほど圧倒的な魅力を備えた人物です。
一人ひとりに合わせた褒め方を心得ていて、その為の努力は一切惜しまない。
だからこそ説得力のある褒め方をして、生徒にやる気を出させる上手さを持っている。
こんな人が講師ならば、この人の為に頑張ろうと思えるほど人望の厚いキャラクターでした。

工藤あかり(演:吉田羊)
さやかの母親。誰よりも娘の可能性を信じており、彼女の為ならなんでもする努力家。
吉田羊はテレビドラマ、映画、舞台、CMと幅広く活躍しています。
典型的な縁の下の力持ちであり、家庭を支える良妻賢母として登場しています。
自由奔放に育った娘をずっと信じていて、見放している父親にも強く言わないタイプ。
だからこそ、感情が爆発した時の意味合いが活きてくる効果的な演出でした。

工藤徹(演:田中哲司)
さやかの父親。プロ野球選手の夢を長男に託し、娘たちは母親に丸投げしている。
田中哲司は様々なテレビドラマ、映画、舞台に出演し、名脇役として活躍しています。
母親とは対極的な存在であり、不器用な愛情表現や過度なプレッシャーを与える。
家庭を顧みずに自分勝手な部分があるけど、クライマックスの和解には説得力を生む。
こんな親は非常に多く、自分勝手な夢を子供に押しつけて知らず知らず追い詰めていく。

玲司(演:野村周平)
さやかが通う同じ塾の同級生。当初は荒くれていたが、次第に勉強を始めていく。
野村周平はテレビドラマや映画で活躍し、近年の出演作には『ミュージアム』、『森山中教習所』があります。
どう見ても不良生徒だったが、坪田のマジックによって心を入れ替える。
さやかに刺激されて勉強を頑張り、容姿が変わった時のギャップはなかなかでした。

西村(演:安田顕)
高校の担任教師。さやかのグループをクズ呼ばわり、最後まで認めなかった人物。
安田顕は俳優だけではなく、タレントとして多方面で活躍しています。
本作の悪役を引き受けているが、その徹底したヒールぶりはなかなかでした。
父親は肉親だから和解があったけど、こちらは他人だから徹底した悪役は良かった。

感想

個人的な評価
原作は実際にあった出来事を綴ったノンフィクション作品が基になっている。
とにかく、話題になった作品で映画化した時はテレビで良く宣伝していたのが記憶にある。
基本的にあまり邦画への期待はないけど、本作についてはかなり期待をしていた。
その結果、裏切られる事が多い邦画であるが、本作はかなり良作の部類と言えるだろう。
邦画独特のムダな描写がほとんどなく、登場人物たちはセリフではなく演技で感情を表現しているのも良い。
何より分かりやすい登場人物たちの立ち位置が物語をいい意味で単純化させている。
どうしても邦画は製作費の安さ、大人の事情などが絡むので、純粋に面白い作品は少ない。
しかし、本作はかなりエンターテインメントを意識したライトな作品になっています。
そのおかげで非常に観やすいし、最後まで飽きずに鑑賞できたのはかなりの高得点です。
主人公を演じた有村架純はギャルとして微妙だが、直向きに頑張る姿は良かった。
それまでは反抗していた彼女が、周囲の人間が協力してくれる事を知って涙を流す場面が特に良かったです。
典型的な押しつけの父親、縁の下の力持ちの母親というキャラクターも効果的でした。
変に複雑な要素を入れなかった分、スッキリとした描写になったのは良かったです。
何より主人公の生き方そのものを変えた塾講師を演じた伊藤淳史の存在が大きい。
彼こそが本作における真の主人公とも言えるほど、非常に魅力的な人物となっています。
今後続編を作る事があれば、彼の視点で物語を作るのが一番いいと思うほどです。
対極的に学校の先生を演じた安田顕の嫌なヤツぶりは最高に感じが悪いです。
これも分かりやすいキャラクターになったのも、ストーリー上では効果的でした。
本作は簡略化した登場人物と日本の一般家庭で起きる問題を上手く組み込んでいると思う。
その上で主人公が一つの勝利を手にして、崩壊したモノを取り戻す王道的な構成との相性は最高に抜群でした。
邦画を連続で10本以上鑑賞してきたけど、最後の方に回して良かったと思えるほど気分のいい作品だった。

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