メイズ・ランナー RE-2195

作品紹介

公開年月  2015/05/22
ジャンル  SF/アドベンチャー/アクション
原作  ジェイムズ・ダシュナー 『メイズ・ランナー』
監督  ウェス・ボール
脚本  ノア・オッペンハイム、グラント・ピアース・マイヤーズ、ほか
製作  エレン・ゴールドスミ=ヴァイン、ウィク・ゴッドフリー、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

青年が意識を取り戻したのは動く檻の中で、そのまま送られた先は巨大な壁に囲まれた草原の広場で、そこにいたのは彼と同世代の若者たちで、思い出したのはトーマスという名前だけ。
トーマスがいたのは壁が巨大な迷路になっており、夜間になると閉じられ、翌朝には新たな道順が出現するというモノ。
彼らはこの広場(グレード)でコミュニティを作って生活し、ランナーと呼ばれる精鋭たちが、出口を発見するべく危険な迷路探索に挑むのだった。

登場人物&出演者

トーマス(演:ディラン・オブライエン)
ギャリー(演:ウィル・ポールター)
テレサ(演:カヤ・スコデラーリオ)
ニュート(演:トーマス・ブローディ・サングスター)
アルビー(演:アムル・アミーン)
ミンホ(演:キー・ホン・リー)

感想

個人的な評価

本作は2014年に公開されたSFサスペンス映画です。
この作品はジェームズ・ダシュナーの同名小説を基に作られています。
原作は若者向けのSF小説としてシリーズ化されて、現在では5作ほど刊行されています。
監督には美術スタッフとして活躍していたウェス・ボールが務めています。
ウェス・ボール監督にとって本作が長編映画の監督デビュー作となっています。
本作において世界観の説明を受ける主人公のトーマスを演じるのはディラン・オブライエン。
ディラン・オブライエンは本作が初主演作となっており、他にテレビドラマシリーズにも出演しています。
若者向けの小説らしく、主人公こそが世界を救う典型的なキャラクターとなっています。
だから登場した時から特別扱いになっていて、他の登場人物とは一線を画すような描き方。
特別だから主人公は止まっていたグレードを動かす大きな意味合いの人物となるのです。
トーマスが最初に出会うギャリーにはウィル・ポールター、説明役のニュートにはトーマス・ブローディ・サングスターが演じています。
ウィル・ポールターはイギリス出身で出演作には『リトル・ランボーズ』、『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』があります。
主人公にとって必要不可欠なライバル役として登場しており、最後まで役割を果たしました。
トーマス・ブローディ・サングスターはイギリス出身で、出演作には『ナニー・マクフィーの魔法のステッキ』、『トリスタンとイゾルデ』があります。
主人公と観る側にとって何かと説明する重要な役だが、物語の中盤からは影が薄くなるという感じでした。
謎が多いグレードにおいて紅一点となるテレサを演じるのはカヤ・スコデラーリオです。
カヤ・スコデラーリオはイギリス出身で本作がハリウッドデビュー作となります。
独特な世界観を徐々に解明していくが、テレサは紅一点という存在として際立っています。
物語としてはディストピア映画に分類され、若者が世界を救うという王道的な構成です。
ただ、本作は気持ち悪い管理された世界ではなく、謎の中から真実を見出していくストーリーとなっている。
そのおかげでディストピア映画の持つ独特な不自然さを逆手にとっていて、真実を求める意味では引きつける要素がありました。
しかしながら、本作は三部作という事で1作目となった本作はまさしく導入部という感じ。
もちろん、謎はすべて解けたワケじゃなく、今後公開される作品で徐々に解明していく流れなので、1本の映画としては消化不足でしょう。
個人的にはディストピア映画は気持ち悪い世界観が多いけど、本作はちゃんと面白くしているのは評価が高い。
確かに単体の映画としては未完成であるが、きちんと次へ繋がるような構成で引きつける演出にしているのはいいと思った。
名作にはほど遠い内容ですが、ディストピア映画としては珍しく楽しめたのは良かったです。