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ザ・タイガー!!! RE-3161

ザ・タイガー!!! RE-3161

作品紹介

公開年月  2014/08/21
ジャンル  アクション
原作  なし
監督  パン・ウィシットサック
脚本  パン・ウィシットサック
製作  チップ・カシポンパイサン、ランサーン・ルジアヌラク
製作国  タイ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

タイのジャングル奥地で多国籍のハンターが集う農村で妖虎が現れ、ハンター・ブーンの妻が殺害される事件が起きる。
ブーンは間一髪のところで娘のラムドゥアンを救い出すも、彼女が次の標的にされている事を知って自ら妖虎の息の根を止めるべくジャングルへ向かう。
妖虎は地域一帯で30人の犠牲者を出し、ブーンを含めた様々なハンターに狙われながらも近親者の姿に化けて近づいて容赦なく襲いかかるのだった。

登場人物&出演者

ブーン(演:プータリット・プロムバンダル)
主人公。ハンター。ジャングルで迷子のディンを助け、妖虎を見事に退治していた。
プータリット・プロムバンダルは代表作に『Bangrajan』、『Thong Dee Fun Khao』などがあります。
妻が妖虎に襲われて死亡し、燃えていた家から娘を助け出して復讐を誓いジャングルへ。
単独で妖虎を狙って息を潜んでいると、上半身が人間で下半身が虎という奇妙な生物に遭遇。
実はプラーンのカタキを取ろうとした時に殺されていて、魂がずっと妖虎に定着していた。
最後はラムドゥアンの為に妖虎を止めて倒させると、魂となってプラーンと再会をした。

ラムドゥアン(演:ネランチャラ・ラートパーサート)
ブーンの娘。母親と一緒にいたところで妖虎がやって来て、間一髪ブーンに助けられる。
ネランチャラ・ラートパーサートは本作が長編映画デビュー作となります。
ローン村長に預けられていたが、一緒にジャングルへ行くと、父親から教わった弓術を使う。
妖虎だと思って弓の一撃を食らわせたが、あとから来たブーンのアドバイスを聞いていた。
チャートと妖虎を追い詰める段階ですでにブーンが死んでいたと判明するも奮い立つ。
最後はブーンの魂に助けられて妖虎を倒し、村に残ったチャートの帰りをデーンと待った。

チャート/シュラチャート・ペンホーン(演:アティワット・ティーラニティットナント)
新しく赴任してきた森林警備隊。カメラを片手に物珍しそうにいろんなところを映していた。
アティワット・ティーラニティットナントは代表作に『Seng Ped』、『The Snow White』などがあります。
隊長に自己紹介もしない内にハンターの村から来た少年により、妖虎を始末する任務に就く。
ジョンたちも村へ行くという事で車に乗せてもらうが、彼らがハンターというのは知らず。
ハンターを取り締まる職務を放棄して、なぜか村に居座ってラムドゥアンの勇ましさを知る。
最後はブーンがすでに死んでいると知り、ラムドゥアンと妖虎を倒して村に残ると決めた。

デーン(演:タンヤブーン・ブーンプラサート)
ハンターの村の少年。ジャングルでブーンを探していたが妖虎に襲われるも彼に助けられる。
タンヤブーン・ブーンプラサートは本作が長編映画デビュー作となります。
村が何人も妖虎の犠牲になってしまっている事から、単独で森林警備隊に助けを求めてきた。
ヒッチハイクで村に行くところでジョンたちに声をかけられ、道案内として車で一緒に行く。
ジョンたちと仲良くなって村の外で獲物を狙うが、ベンのせいで妖虎に迫られてしまう。
最後はなぜか助かって両親を亡くしたラムドゥアンと仲良く村でチャートの帰りを待った。

トム(演:ジュリアン・ミューラー)
ジョンとともにタイへやって来たハンター三人組の一人。タイ語はまったくできない。
ジュリアン・ミューラーは代表作に『トランスポーター3』、『コロンビアーナ』がある。
チャートたちと一緒にジャングルに行く事となり、デーンがトイレにいると知らせた。
ジャングルに到着すると車が通れない場所だと言われ、歩き出すと大きな声で歌い始める。
ベンとジョンが妖虎に殺され、デーンが襲われる寸前に助けるも仕掛けた罠にかかって気絶。
最後は妖虎に再び狙われるもカンボジアのハンターに助けられ、一人だけ帰国を果たした。

ベン(演:ダミアン・メイビス)
ジョンとともにタイへやって来たハンター三人組の一人。タイ語はまったく話せない。
ダミアン・メイビスは代表作に『クーデター』、『カンフー・ヨガ』などがあります。
チャートたちと一緒にジャングルに行く事となり、ジョンから積み荷の確認をされる。
ジャングルに到着して歌い出したトムにデーンがなにやら怒っている事を冗談で話した。
村の外で獲物を待っていると、若い娘の色仕掛けにかかってしまい単独で追っていく。
最後は若い娘に化けていた妖虎に襲われ、デーンが見ている前で食い殺されてしまう。

ジョン(演:ジェフリー・ジュリアーノ)
アメリカ出身の機械工。タイが好きで4年住んでいてタイ語も堪能。仲間三人で来ている。
ジェフリー・ジュリアーノは代表作に『スコーピオン・キング3』、『メカニック:ワールドミッション』などがあります。
ハンターの村に向かおうとしたチャートとデーンたちを見て、一緒に行くという事になる。
ジャングルに到着すると、デーンから車が通れない場所だと分かって素直に徒歩を選択した。
村に着いても歓迎されないと分かり、外でキャンプを張ってデーンと獲物を狙っていた。
最後はベンに化けた妖虎に襲われて殺され、魂を奪われ助けを求める叫びをデーンに見せた。

ローン村長(演:ナッタキット・ウドムスリラート)
中国系でハンターの村を束ねる。五人兄弟の長男で狩りの時は面を被って棒術を使っている。
ナッタキット・ウドムスリラートは本作が長編映画デビュー作となります。
ブーンが復讐に駆られる状況を見て一度は止めるが、意志の固い彼の無事を祈るしかない。
復讐に出かけたブーンの頼みでショックを受けている娘のラムドゥアンの面倒を見ている。
弟の一人が狩りの最中に面が外れ、他の兄弟から注意される中で一人だけ励ましていた。
最後は末弟が妖虎に襲われる寸前に助けるが、致命傷を食らって弟たちの前で死亡した。

プラーン(演:メイサビー・ブラパジング)
ブーンの妻。ブーンの帰りを娘のラムドゥアンと待っていたら妖虎が人に化けてやって来る。
メイサビー・ブラパジングは代表作に『Hong lork lorn』、『Pattaya』などがあります。
銃を構えて迎え撃つも当てられず倒れるが、ラムドゥアンが狙われると火を放って阻止した。
最後は妖虎に殺されてしまうが、ラムドゥアンがトドメを刺してブーンと再会を果たした。

感想

個人的な評価

本作はタイ版アカデミー賞と言われている『スパンナホン賞』にて最優秀特殊効果賞』を受賞しています。
タイ映画というと近年ではアクションのイメージは強く、本作はそれにVFXの技術を加えた大胆な作品になっています。
アジア映画だと今は中国が豊富な資金で目立っていますが、タイ映画も『マッハ!!!!!!』以降は世界を意識した作品を多く作っています。
そんな本作はファンタジー色が強いテーマだが、そこにはタイらしい不思議な雰囲気とジャングルの背景が溶け込んでいます。
本作ではタイ人だけじゃなく、中国人、カンボジア人、西洋人までも登場するという国際色豊かな作品になっています。
ここら辺でも世界を意識している感じが伝わり、いろんなタイプのハンターが登場するのは素直に面白いと感じさせてくれます。
肝心の人に化ける妖虎は過去に主人から虐待を受けて、その恨みから彼の妻を殺して自由になっているという。
つまり、妖虎は快楽やナワバリで殺しているのではなく、ただ人間に対する憎しみから惨殺を繰り返している設定になっている。
そうなってくると、妖虎にも同情の余地があって、冒頭ではブーンに仲間を殺されている事も考えてもどちらも正義でも悪でもないです。
色々なハンターが出てくるのは面白いが、物語の中心にいるべき主人公のブーンがあまり目立っていないのはちょっとバランスが悪い。
ラストでなぜ主人公はあまり出てこない理由が明確になるが、それでももっと出して娘との絆を描くべきだったと思います。
ちょっとばかり他の登場人物にエピソードを使いすぎた印象があって、誰に注目すればいいのか分からなくなってしまいます。
そのせいで視点が定まらなくなってしまい、新人の森林警備隊なんて蛇足に感じてラストで彼が見せた選択に説得力がなかった。
この視点をちゃんと定まって物語を構築していれば、もっと芯の通った作品になっていただけに惜しい感じになってしまった。