サタニック・ビースト/禁断の黒魔術 VD-413

作品紹介

公開年月  2018/12/06
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  ロドリゴ・アラガォン
脚本  ロドリゴ・アラガォン
製作  ロドリゴ・アラガォン、キカ・オリヴェイラ、ほか
製作国  ブラジル
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

幼少期にとある事情で山奥に住む老人の元に引き取られた少女クララは、美しく成長したある日、森の奥深くで瀕死の男に出くわす。
地獄に落ちる自分を救って欲しいと頼む男は、古びた本をクララに手渡し、彼の亡骸を埋めて呪文を唱えた。
すると、森には恐ろしい現象が起き始め、黒魔術の本だと判明するも魅了されるクララは悪魔を呼び出そうとするのだった。

登場人物&出演者

クララ(演:キャロル・アラガォン)
主人公。小さい頃にペドロに拾われ、貧しい生活をしながら育てたペドロに感謝している。
キャロル・アラガォンは本作が長編映画デビュー作となります。
ペドロが倒れてしまい、代わりに市場へ行くが、帰り道で男から金貨と古文書を手に入れる。
泥棒に金貨とジーンの命を奪われ、古文書を使おうとするが、伝道師や信者たちに追われる。
ジョゼの協力でニワトリの化け物を作り、クラリッサの赤ん坊を生贄にジーンを復活させる。
最後は襲ってきたジーンを倒す為に悪魔を召喚し死ぬが、生き返って崩壊した世界を見た。

ジョゼ(演:フランシスコ・ガスパー)
妊娠中の妻とボケている母親と森の奥に住んでいる男。ニワトリを可愛がって名前をつける。
フランシスコ・ガスパーは代表作に『ロスト・パトロール』、『荒野の殺し屋』があります。
妻の愚痴と文句を言われる毎日で、病気の母親を世話しながら陰口で不満を漏らしている。
信者に追われるクララが来ると、金貨に目が眩んで彼女の為に卵で儀式の手伝いをする。
ニワトリの化け物に母親と妻を殺され、赤ん坊をクララが取り上げるも醜い姿で落ち込む。
最後は召喚された悪魔で世界がメチャクチャとなり、クララを復活させて懸命に戦っていた。

マリア(演:クラリッサ・ピンヘイロ)
ジョゼと彼のボケた母親と森の奥に住んでいる。妊娠中で常にイライラして文句を口にする。
クラリッサ・ピンヘイロは代表作に『悩めるジアンのバラード』などがあります。
ジョゼのボケた母親の面倒は一切みず、すべて夫に任せるがそれでもグチは止まらない。
夫がニワトリに名前をつけて可愛がっている事にも文句を言って、一羽殺して食料にする。
ニワトリの化け物を見て怯え、ジョゼの母親に張り付け殺されても特に悲しまずにいた。
最後はニワトリの化け物が顔面に張り付き、騒いでいたら転けて頭を打って簡単に死亡した。

ソコ(演:マルコ・アントニオ・ヘイス)
二人組の泥棒の一人。市場に来ていたクララの売り上げ金をなぜか狙って盗んで逃亡した
マルコ・アントニオ・ヘイスは本作が長編映画デビュー作となります。
なぜかタイミング良く町へ向かおうとしたクララとジーンを狙い、金貨と命を奪ってしまう。
酒場でハメを外して楽しんでいたが、目覚めたクララの呪いを受けてベットの下に隠れる。
金貨を取り戻しに来たクララに呪いを解くように迫り、儀式で棺の中で三日間放置された。
呪いが解かれ自由になると、復活してクララを襲うジーンを止めるも腕を折られてしまう。
最後は悪魔が解き放たれた世界で抵抗する勢力を率いて、古文書によりクララを復活させた。

ジーン(演:エルバート・マーリン)
市場で働く青年。薬を売りに来たクララに気が合って、困っている彼女を何かと助けている。
エルバート・マーリンは本作が長編映画デビュー作となります。
クララがアビゲイルに寄付を迫られると、すぐに割って入ってなんとか助けてあげた。
クララと町に向かう道中に泥棒が金貨を奪い、取り戻そうとして撃たれて死んでしまう。
クララに遺体を保存され、クラリッサから生まれた異形の赤ん坊を生贄に生き返る事に。
最後はクララを襲ったが、彼女が召喚した悪魔によってあっさりと真っ二つにされて死んだ。

ペドロ(演:マルクス・コンカ)
森の奥で自家製の薬を作っている老人。親のいなかったクララが連れて来られて育てる事に。
マルクス・コンカは代表作に『デス・マングローヴ/ゾンビ沼』、『シー・オブ・ザ・デッド』などがあります。
立派に育ったクララを誇りに思い、面と向かって何度も大切な娘だと話して可愛がる。
市場で自家製の薬を売りに行こうとするが、何かに乗り移られて倒れて断念してしまう。
最後は森の奥で儀式をするクララを見つけるが、悪魔の手下に捕まって命を奪われてしまう。

アビゲイル(演:マイラ・アラルコン)
偉大な伝道師であるフランシスコの忠実な従者。市場で大々的に伝道師が来たと宣伝する。
マイラ・アラルコンは代表作に『吸血鬼/チュパカブラ』、『シー・オブ・ザ・デッド』などがあります。
市場に来ていたクララに寄付を迫るが、拒まれてしまい、泥棒に金を盗まれて笑っていた。
クララが魔女だと少女から話を聞き、伝道師とともに信者たちを先導して捕まえようとした。
ようやくクララを捕まえると、生贄として伝道師の願いを叶える為に準備をしていた。
最後は悪魔に取り憑かれた伝道師に気を取られ、クララによって頭を何度も殴打されて死亡。

フランシスコ(演:ジャクソン・アンヌーン)
宗教の偉大な伝道師。小さな村にやって来るという事で、弟子が大々的に市場で宣伝した。
ジャクソン・アンヌーンは代表作に『A Festa da Menina Morta』、『Carcereiros: O Filme』などがあります。
悪魔を召喚しようとしたクララに解放された子供から話を聞き、小屋を訪れ魔女と主張する。
クララに逃げられてしまうが、信者たちに彼女を捕まえるよう徹底的に洗脳していく。
クララがソコの呪いを解く儀式の最中に見つけ、古文書を手に入れてそのまま捕まえた。
古文書を使って大統領になろうとクララを生贄にするが、本と繋がる彼女により邪魔される。
最後はナイフで殺そうとするが、先に喉を突かれてしまい、大量の血を流して死亡した。

感想

個人的な評価

本作は『シッチェス・カタロニア映画祭』や『サンパウロ・ラテンアメリカ映画祭』などで上映された作品となります。
ブラジリアン・ホラーを牽引するホドリゴ・アラガォンが監督や脚本を務めいています。
『シー・オブ・ザ・デッド』や『デス・マングローヴ/ゾンビ沼』でエログロでグチョグチョなホラーが得意なホドリゴ・アラガォンの作品として期待しました。
しかし、本作ではオカルトに傾倒している内容になっていて、本来のエログロでグチョグチョなシーンがあまりなかったです。
そもそも、本作はいつよりも長尺になっていて、鑑賞前から不安しかなかったです。
実際に鑑賞すると予想は的中して、内容が散漫になっていて抑揚があまりなくて退屈なシーンが連続していました。
丁寧に描こうとしたが、ホドリゴ・アラガォン監督にはその実力がなく、まとまりのない感じになってしまったという感じです。
相変わらずの常連たちが出ていますが、意外にも演技が以前よりも上手くなっていてちょっと面白かっです。
多分、時代は現代だろうけど、日本人からしたら20世紀の印象を持つだろう。
ですか、実際のブラジルの辺境はあのような感じで電気や水道のインフラが整理されていない地域が多く、そもそも戸籍に載っていない人もそれなりにいます。
なので、個人的に違和感がなかったが、使っている銃が19世紀の古いヤツに見えて、そこが少し気になりました。
登場人物については何がしたいのか分からない行動が多く、特に主人公がどこに向かっているのか分かりせん。
好きになった男を生き返らせようとするのに、大事に育ててくれた父親を生き返らせようとしないところに矛盾があったかと。
本作のオチもかなり強引で、スケールを大きくしたかったようだが、その過程としての伏線が弱くてギャグかと思いました。
やはり、ホドリゴ・アラガォンの作品は最初からバケモノが出で、あの汚いグチョグチョなグロテスクな描写がないとダメと感じました。