ゴジラ/FINAL WARS VD-265

作品紹介

公開年月  2004/12/04
ジャンル  アクション/怪獣/SF
原作  なし
監督  北村龍平
脚本  三村渉、桐山勲
製作  富山省吾
製作国  日本
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

20XX年、数年前から世界各地で特殊能力を持った超人類「ミュータント」が確認され、地球防衛軍では対怪獣用戦力として特殊部隊“M機関”を組織した。
そんなある日、北海道沖で巨大怪獣のミイラが引き上げられ、ミュータント兵の尾崎真一と科学者の音無美雪が共同で調査する。
ニューヨークやパリ、上海にシドニーなど世界中で同時に怪獣が出現し、地球防衛軍は全戦力を投入するも防戦一方になるのだった。

登場人物&出演者

尾崎真一(演:松岡昌宏)
主人公。地球防衛軍の特殊部隊“M機関”の一人。兵士として優秀だが優しさが最大の欠点。
松岡昌宏は代表作に『怪物くん』などがあります。
ライバルである風間よりも強いが、トドメを刺さないせいで逆転されて注意を受ける。
なぜか国連から派遣された美雪の護衛役となり、当初は嫌われるも次第に好かれる事に。
実は統制官と同じく最強の存在カイザーだと判明し、主人公補正で急に強くなっていった。
最後は統制官を当然のように倒し、ピンチだったゴジラにエネルギーを与えて勝利に導いた。

音無美雪(演:菊川怜)
ヒロイン。国連から派遣された分子生物学者。科学者とは思えないモデルファッション。
菊川怜は代表作に『ダブル・デセプション/共犯者』、『大奥』などがあります。
護衛役として就いた尾崎を最初から毛嫌いし、後半には彼を誰よりも心配する立ち位置。
北海道で発見されたガイガンのミイラから遺伝子を分析し、ミュータントと同じだと解明。
姉の杏奈から頼まれて入手した醍醐の偽物の血液を調べると、X星人だと判明させた。
最後はX星人と戦い、新・轟天号の舵を取るなど、ヒロインとしての恩恵を与えられた。

風間勝範(演:ケイン・コスギ)
地球防衛軍の特殊部隊“M機関”の一人。新・轟天号の操舵手。日本語と英語を使い分ける。
ケイン・コスギは近年の出演作に『MAXX』、『テラフォーマーズ』などがあります。
尾崎の強さを誰よりも知っているが、その優しさと甘さは戦場だと致命的だと意見していた。
訓練の時は尾崎と格闘をするが、明らかな負けでもトドメを刺さない為に逆転してみせた。
統制官の放った力によって操られてしまい、尾崎と死闘を繰り広げるも一方的に倒された。
最後は母船を守っているバリアを破壊するべく、単独で突撃して自らの犠牲で破壊した。

音無杏奈(演:水野美紀)
日東テレビのテレビキャスター。美雪の姉。なぜかミニスカートを履いて美脚をアピール。
水野真紀は代表作に『冬物語』、『うさぎ追いし/山極勝三郎物語』などがあります。
日本人初の国連事務総長となった醍醐にインタビューし、その際に愛犬の存在を知った。
偽物の醍醐が唱えた宇宙連合に対し、なぜか一人だけ疑問に思って正体を暴こうとしていた。
美雪やゴードンたちと偽物の醍醐から血液を採取し、その正体がX星人だと突き止めた。
最後はテレビの前で偽物の醍醐を暴き、X星人たちの地球制圧を全世界に伝えた。

ダグラス・ゴードン大佐(演:ドン・フライ)
地球防衛軍戦艦「新・轟天号」の艦長。一人だけ英語で話しているのに不思議と通じる。
ドン・フライはプロの格闘家で、映画の代表作に『パブリック・エネミーズ』、『ロシアン・ルーレット』などがあります。
見た目通りの脳筋で豪快な性格でありながらも、部下からは絶大な信頼を寄せている。
地球人よりも身体能力に勝っているX星人を二人相手にも引けを取らないバケモノ。
過去に新兵として轟天号でゴジラと南極で戦い、ミサイルを撃ち込んで生き埋めにした。
最後はX星人の本性を暴き、地球を救うべくゴジラを南極から復活させるべき行動した。

醍醐直太郎(演:宝田明)
日本人初の国連事務総長。愛犬家。常に忙しく世界中を飛行機で飛び回っている。
宝田明は代表作に『ゴジラ』シリーズ、『ミンボーの女』などがあります。
生命の根源について今後は解明されるという展望を持ち、問題の解決になると信じる。
ニューヨークに向かう途中で出現したラドンに襲われるが、X星人の母船に幽閉される。
偽物が倒されると、尾崎たちが母船に突入して囚われた他の者たちと自力で脱出した。
最後は向かってくるゴジラを呆然と見ていて、仲介に入ったミニラのおかげで助かった。

小美人(演:長澤まさみ/大塚ちひろ)
インファント島に住む双子の妖精。ガイガンの調査にやって来た尾崎たちの前に現れる。
長澤まさみは近年の出演作に『BLEACH/死神代行篇』、『50回目のファーストキス』などがあります。
大塚ちひろは代表作に『シベリア超特急3』、『ジョニーの休日』などがあります。
尾崎がガイガンを作り出したX星人の邪悪な血を受け継ぐが、信念で正義となると話した。
人間が地球の味方になれば、モスラが守ってくれるとして島のお守りを手渡した。
最後は改造ガイガンに襲われるゴジラを助けるモスラをインファント島から見守っていた。

司令官(演:伊武雅刀)
X星人の一人。X星人の全権代表。表向きは人類を怪獣と妖星ゴラスから助ける為に来た。
伊武雅刀は代表作に『
世界各地で暴れていた怪獣たちを消滅させ、国連事務総長の醍醐を救って友好を見せていた。
実際は怪獣を操って人間たちを欺きながら、じっくりと侵略しようと計画を進めていた。
最後はテレビ出演で尾崎たちに陰謀が暴かれてしまい、参謀の裏切りで殺害されてしまった。

参謀/統制官(演:北村一輝)
X星人の一人。X星人司令官に仕える参謀。穏健派の司令官と違って好戦的で残忍さを持つ。
北村一輝は近年の出演作に『億男』、『去年の冬、きみと別れ』などがあります。
当初はゆっくりと人類を侵略する司令官に意見するが、上官という事で引き下がっていた。
自分たちの正体がバレてしまうと、司令官を殺害して統制官となり本格的な侵略を開始した。
尾崎も自分と同じ最強生物カイザーだとして仲間に引き入れるが、モスラのお守りで孤立。
最後は覚醒した尾崎に倒されてしまい、侵略がムリだとして宇宙船とともに自爆をした。

感想

個人的な評価

本作は『ゴジラ』シリーズの28作目となり、第3期シリーズでは第6作目となります。
ゴジラ生誕50周年作品であり、同時に『ゴジラ』シリーズの最終作と銘打たれた。
当初は新たなゴジラ映画を作るはずだったが、当時の映像技術では実現できないとして妥協された作品。
ハリウッドでも活躍していた北村龍平を監督に迎え、『ゴジラ』の最終作として相応しい作品を作り出そうとしていました。
しかし、その中身はシリーズの伝統を完全に破壊して、もう二度と作らないような徹底的に北村龍平監督の世界観を先行させました。
確かに『ミレニアム』シリーズは興行的にも評価的にもダメでしたが、最終作の本作をここまでシリーズを破壊させる作品にしたのはなぜだろうかと思う。
単純に本作を『ゴジラ』シリーズとして評価するなばら、個人的には最低の作品だと思う。
マンネリ化しているとは言え、これまで積み上げてきたモノをまったく違った形で破壊するのは如何なモノかと思います。
最終作だからこそ、シリーズの集大成として伝統を守りながら新たな要素を取り入れるならば大歓迎です。
ですが、本作は最初からシリーズの伝統など無視して、あくまで北村龍平監督のやりたいようにやった作品でした。
逆に北村龍平監督の作品としては非常に見応えがあって、得意としている格闘アクションが満載で飽きないと思います。
更にトンデモ設定を容赦なく盛り込んでツッコミさえも許さないテンポの良い展開も北村龍平監督らしい演出だと言えます。
ただ、本作はあくまで『ゴジラ』シリーズの作品なので、間違っても高い評価を与えるべきじゃないと思っています。
本作のタイトルに『ゴジラ』がなければ、それなりの評価ができる作品だが、そうじゃないからシリーズを考えると最低のクソ映画だとしか言えない。
『ゴジラ映画』というのは人間がオマケであって、物語の中心には必ず怪獣王がいなければならないのです。
残念ながら本作は人間と宇宙人が物語の中心にあって、後から収拾を付ける為にゴジラが登場しているだけに過ぎない。
そうなってくると、本来ある『ゴジラ映画』から路線が外れてしまい、ある意味、シリーズを終わらせるには説得力ある作品だったと思います。
そもそも北村龍平監督は怪獣映画と相性が悪いのは周知の通りのはずだが、敢えて起用したところに本シリーズの終止符を上層部が決めた覚悟が伝わってきた。
だからこそ、庵野秀明総監督が打ち出した『シン・ゴジラ』のシリーズに対するオマージュと新要素がより素晴らしく感じさせてくれました。