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幽霊ゾンビ VD-322

幽霊ゾンビ VD-322

作品紹介

公開年月  2007/11/23
ジャンル  ホラー/コメディ
原作  なし
監督  白石晃士
脚本  白石晃士
製作  大橋孝史
製作国  日本
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

生きる気力のないタクシードライバーの斎藤は、アイドルの遠野実花だけが生き甲斐だった。
ある日、若い女性客を山奥の主神村へ乗せていくと、帰り道の途中で林から出てきた民俗学者の平野を轢き殺してしまう。
それ以降、斎藤は平野の幽霊に取り憑かれるが、心霊交信機を使って主神村にいる遠野実花が助けを求めていると知って向かうのだった。

登場人物&出演者

斎藤(演:ノッチ)
主人公。タクシードライバー。アイドルの遠野実花の大ファンで一番の生き甲斐である。
ノッチはお笑いコンビ「デンジャラス」のメンバーで、映画の代表作に『地球防衛未亡人』などがあります。
遠くまで乗せていた若い女性客を降ろし、帰り道で飛び出した平野を轢き殺してしまう。
バレないように山中へ遺体を隠し、平野の幽霊に指示された場所に行く事となった。
ロッカーに閉じ込められた実花を助けるようとして、ゾンビ化したシゲルの首を刎ねた。
最後は噛まれてゾンビ化するが、自我を保って実花と助け出し、平野とともに村に残った。

遠野実花(演:中村知世)
ヒロイン。人気アイドルでグラビアなどで雑誌の巻頭を飾る。故郷へ里帰りをする。
中村知世は代表作に『スウィングガールズ』、『お姉チャンバラ/THE MOVIE』があります。
幼馴染みのサオリとシゲルと再会を果たし、廃墟となった中学校で楽しい時間を過ごす。
サオリのタロット占いから悪い運気を出されるが、シゲルのせいで結末が分からないまま。
ヨシオが鬼玉石を破壊して村がゾンビだらけになり、安全の為にロッカーへ閉じ込められる。
最後は斎藤と平野に助けられ、生きていた姉とともにタクシーで安全な場所へと帰った。

平野礼二(演:柳ユーレイ)
民俗学者。主神村に行って調査をしていた。なぜか林道に出て斎藤の車に轢かれてしまう。
柳ユーレイは近年の出演作に『アイネクライネナハトムジーク』、『WE ARE LITTLE ZOMBIES/ウィーアーリトルゾンビーズ』などがあります。
斎藤の前に幽霊として姿を現すと、手帳に挟んだ地図にある主神村へ行くように指示する。
指示を無視しようとする斎藤だったが、断ってしまうと呪い殺すとして彼を動かす事になる。
主神村で日本最古のピラミッド文明を調査していたが、ヨシオがゾンビ化して逃げ出した。
最後は斎藤に自我を保たせて、ヨシオを倒す為に力を貸し、村に残って実花たちを見送った。

サオリ(演:飯塚由衣)
実花の幼馴染み。実花の一番の親友。タロット占いを得意として実花の将来を決めた。
飯塚由衣は本作が長編映画デビュー作となります。
シゲルを常に汚物のような扱いをしていて、実花の帰郷で久しぶりに会っていた。
小学校で早速とタロット占いを始めるが、シゲルのせいで結末が分からずに怒っていた。
最後はシゲルの実家にいるとゾンビ化した彼の妹に噛まれてしまい、抵抗もできずに死んだ。

シゲル(演:湯川尚樹)
実花の幼馴染み。実花の姉からからかわれていた。そのせいで実花の姉を苦手にしている。
湯川尚樹は代表作に『かかしの旅』、『パッチギ!LOVE&PIECE』などがあります。
実花が帰郷した事をサオリと喜んでいたが、姉が来ると知って明らかに焦っていた。
サオリの占いは良く当たるとして怖がり、くしゃみをしたせいでタロットの結果が曖昧に。
村がゾンビだらけになると、実花をロッカーに閉じ込めてカギを平野に渡し感染する。
最後は助けにやって来た斎藤と鉢合わせになり、そのまま首をスコップで刎ねられて死亡。

ヨシオ(演:松本寛也)
実花の幼馴染み。村長の息子。昔はただのバカだったが、今ではパンクにハマっている。
松本寛也は代表作に『ワルボロ』、『桜田門外ノ変』などがあります。
村に伝わる鬼玉石を守る宿命を帯びていたが、その番をする事に辟易する態度を見せる。
鬼は存在しないと笑いながら鬼玉石を破壊してしまい、手に傷を負ってゾンビ化する。
平野に呼び出された父親に怒られるが、すでにゾンビ化が完了し襲って村に蔓延させた。
最後は行き止まりに誘い込まれ、斎藤ゾンビと平野幽霊の連係と実花のトドメで倒された。

感想

個人的な評価

本作は最恐のお化け屋敷「台場怪奇学校」を生み出した平野幽霊と斎藤ゾンビがプロデューサーとして参加しています。
更に日本のホラー映画界にモキュメンタリーを持ち込んだ白石晃士が監督を務めています。
この作品はオリジナルビデオとして発売されており、当然ながら低予算だが、そこは白石晃士監督のホームグラウンドと言える。
こういう作品では基本的に安上がりな三流のアイドルが使われるが、本作ではスーパー戦隊シリーズ経験者が出演しています。
一応の演技がそれなりにできる雰囲気だが、残念ながら覚えたセリフを言うだけで精いっぱいのような印象でした。
その中でもベテランである柳ユーレイは多くの作品に出演していますが、本作ではワザとじゃないかと思えるほど下手すぎた。
単なる説明役としてその場でセリフを覚えた感じで、必死に間違えないようにしゃべっているようなヒドイ演技だった。
ヒロイン的な存在の中村知世も一生懸命やっているが、幼馴染みで生き残る茂を演じる湯川尚樹がナチュラルに下手すぎて雰囲気をぶち壊している。
とにかく、本作では軒並み演技がヒドイ三流たちがやっている中で、意外にも芸人であるノッチの方が上手く演じていた。
本作を支えているのは三流のアイドルや役者じゃなく、明らかに芸人として微妙な立ち位置のノッチという状況は逆に面白いと思います。
低予算映画の演技について文句を言ってもしょうがないけど、白石晃士監督だっただけにこのクォリティは残念すぎる。
何より白石晃士監督はいつも尖った作品を作るのに、本作はなんだか大人しすぎて、プロデューサーたちの意向に沿った結果かもしれない。
白石晃士監督を救ってくれたノッチを最大限に活かし、普通に気持ち悪い男であるが、それをヒーローに仕立てる展開は良かった。
タイトルにある通り、ヒロインを助ける為に幽霊となった平野、ゾンビとなった斎藤の二人が一生懸命助けるシーンはなかなか面白いです。
そこにまさかの『エイリアン』のチェストバスターが出てくるとは思わなかったが、それはそれで白石晃士監督の遊び心を窺う事ができました。
最後はなんだかいい話しになっていたが、村に残った斎藤ゾンビと平野幽霊の結末を考える少し悲しい感じがあります。
本作はノッチの素晴らしい演技と彼の役を最大限に活かしたキャラクターにより、ヒドイ演技と微妙な内容を一気に吹き飛ばしてくれました。