ノロイ RE-3119

作品紹介

公開年月  2005/08/20
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  白石晃士
脚本  白石晃士、横田直幸
製作  一瀬隆重、一ノ瀬圭生、ほか
製作国  日本
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

2004年4月12日、怪奇ルポの第一人者である実話作家の小林雅文の自宅が全焼する事件が発生してしまう。
焼け跡から妻の遺体だけが発見され、小林本人は失踪して現在でも行方不明のままである。
小林はドキュメンタリー作品『ノロイ』を完成させるも内容の衝撃さでお蔵入りとなるが、プロデューサーたちの追加取材と撮影で映画として完成させるのだった。

登場人物&出演者

小林雅文(演:村木仁)
主人公。怪奇実話作家兼ドキュメンタリー映像作家。『ノロイ』を完成させて失踪した。
村木仁は代表作に『叫』、『アゲイン/28年目の甲子園』などがあります。
プロデューサーたちの追加取材と撮影により、ドキュメンタリー映画の主演として復活する。
当初はいつも変わらない取材だったが、ダムに沈んだ村の鬼祭が判明して調査を続ける。
呪われた松本まりかの為に現地を訪れて模擬の儀式を行い、禍具魂の体現を止めたと考える。
最後は行方不明になるも火事の真相を映したビデオを出版社に送るが、未だに失踪している。

松本まりか(演:松本まりか)
タレント。霊感が強い。心霊番組で強力な呪いを感じてしまい、そのまま呪われてしまう。
松本まりかは代表作に『GACHAPON!』、『ニセコイ』などがあります。
急にその場に倒れて叫び出してしまい、落ち着いた時にはまったく記憶がないという。
マンションの上階に住む後輩のタレントが公園で集団自殺し、怖くなって小林の家に泊まる。
またしても急変すると、ハトが外で死んでいるのを知って村があるダムへ行く事になる。
最後は三度倒れて叫ぶが、小林が謎の少年を保護してから体調が戻り仕事に復帰した。

堀光男(演:寺十吾)
最強の霊能者。「呪い電波」や「霊体ミミズ」を警告する。ゴミ屋敷に住んでいる変人。
寺十吾は代表作に『アヒルと鴨とコインロッカー』、『ハッピーフライト』などがあります。
隣人からは霊能者よりも「キチガイ」と認識されていて、ほとんど近所迷惑な扱いとなる。
松本まりかが来ると異様なモノを感じて、小林が来た時でも対応しながらも何かに反応する。
まりかの呪いが解かれるが、儀式をした現場による強い影響を受けて精神病院に入院した。
最後は病院を抜け出し、小林が保護した少年が「禍具魂」だと主張するも操られて殺された。

矢野加奈(演:菅野莉央)
超能力者を扱った番組に出演した女の子。透視能力や物質を具現化する能力を持っている。
菅野莉央は代表作に『仄暗い水の底から』、『ふたつの昨日と僕の未来』などがあります。
強力な超能力で番組の用意したモノじゃなく、ダムに沈んだ村の鬼祭で使う仮面を透視した。
小林が取材にやって来ると、念力の能力まで発動するなど不安定な状態が続いていた。
それを受けて潤子は「禍具魂」を復活させるべく、誘拐して依り代にされていた。
最後は潤子の部屋で発見されるが、すでに息を引き取っていて少年にずっと見守られていた。

少年(演:神林秀太)
石井潤子の家にいた少年。小林が取材しようとするも拒否され、窓からずっと見ていた。
神林秀太は代表作に『底から描くもの』、『クローズド・ノート』などがあります。
潤子が隣人とトラブルがある度に引っ越していたが、当然のように一緒に転々としていた。
小林が訪れた家で自殺していた潤子や死んだ加奈の遺体とともに一人だけ取り残された。
真実を知る為に小林が家に引き取り、なんとか話しを引き出そうとするが終始無言を貫く。
最後は病院の抜け出した堀に「禍具魂」だと言われ、殴られるも正体を明かして消え去った。

石井潤子(演:久我朋乃)
小林が取材した依頼者の隣人。赤ん坊の声が聞こえると小林が取材するも断固拒否を貫く。
久我朋乃は代表作に『青い車』、『初恋』などがあります。
元々はダムの底に沈んだ村の出身者で、当初は普通の人で特に問題がなかったという。
その後、住居を転々としながらも、隣人に迷惑をかける人物として住民たちから知られる。
実は目的が村に伝わる「禍具魂」を復活させるべく、一人で儀式に取り組んでいた。
最後は強力になりすぎた「禍具魂」の呪いに耐えられず、部屋で首を吊って自殺していた。

感想

個人的な評価

本作はドキュメンタリー封のフィクションであり、モキュメンタリーに属する作品です。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『クローバーフィールド/HAKAISHA』と同じく現実にあった出来事として宣伝しています。
低予算でありながらも本物じゃないかという宣伝により、当時はかなり話題となった作品だと記憶しています。
今ではジャパニーズ・ホラーの名手として知られる白石晃士監督の二作目の長編映画で、日本版『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』とも言われています。
モキュメンタリー自体が苦手じゃない限り、本作はそれなりに楽しめる展開や構成になっていると思います。
ただ、致命的に100分を超えてしまっているので、どうしても中だるみがあって緊張感は長続きしなかったです。
それを除けば、序盤と終盤での緊張感を煽るような演出はさすがであり、思わず魅入ってしまうぐらい引きつけられます。
モキュメンタリーという意味で地道な取材で、バラバラの点が一つの線に結びついて形にするサスペンスとしても悪くないと思います。
しかしながら、点が多すぎたせいで中盤から退屈になってしまい、せっかくの序盤と終盤の良さを打ち消してしまっている。
本作はもう少しスリムにすれば、序盤と終盤の勢いを失わない緊張感となり、あの『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』すら超えていただろう。
本編のドキュメンタリーの他にテレビ番組が挿入されるが、まだテレビ局が面白かった時代を思わせる感じは個人的に良かったです。
あとは今では第一線で活躍する芸人の若かりし時代、引退して亡くなったタレントなど、懐かしい顔も見られたのもラッキーだと言える。
個人的にはラストでの「禍具魂」が正体を暴く描写のインパクトが素晴らしく、チラッとしか見せない演出も秀逸でした。