作品紹介
公開年月 | 2017/03/10 |
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ジャンル | パニック/アクション |
原作 | なし |
監督 | ジョーダン・ヴォート=ロバーツ |
脚本 | マックス・ボレンスタイン、デレク・コノリー |
製作 | トーマス・タル、ダン・ギルロイ |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | 試写会 |
あらすじ
未知の生命体の存在を確認しようと学者やカメラマン、軍人からなる調査部隊が太平洋の孤島“スカル・アイランド”にやって来る。
そこに突如現れた島の巨大なる“守護神”キングコングは、島を破壊された事で彼を怒らせた人間たちの究極のサバイバルを強いられる事に。
しかし、脅威はそれだけに留まらず、狂暴にしてデカすぎる怪獣たちが島に潜んでいた。
登場人物&出演者
【民間人】
・ジェームズ・コンラッド(演:トム・ヒドルストン)
主人公。イギリス陸軍特殊空挺部隊の元隊員。現在は除隊して傭兵として暮らしている。
トム・ヒドルストンは近年の出演作に『クリムゾン・ピーク』、『ハイ・ライズ』がある。
地図のない髑髏島でのガイド、遭難者の救出の能力を買われてランドに雇われる。
当初はパッカード大佐の指示に従っていたが、自分を見失った彼と行動を別にする。
コングが島の守護者だと知り、亡き者にしようとするパッカードの凶行を止める役割を担う。
・メイソン・ウィーバー(演:ブリー・ラーソン)
ヒロイン。反戦カメラマンとして同行し、特ダネでピューリッツァー賞を狙う。
ブリー・ラーソンは代表作に『ショート・ターム』、『ルーム』などがあります。
反戦を訴えるべく参加しており、あらゆる場所で写真を撮りまくっている。
なぜか原住民が築いた高い壁の外に出て、都合良くコングと出くわすという演出に。
最終的に巨大なスカル・クローラーから時にコングが助けるオリジナルのオマージュに。
・ハンク・マーロウ(演:ジョン・C・ライリー)
28年前の太平洋戦争で日本兵のグンペイ・イカリとともに髑髏島へ墜落したパイロット。
ジョン・C・ライリーは近年の出演作に『五日物語/3つの王国と3人の女』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』などがあります。
敵同士だったグンペイは兄弟のような関係になり、何度も島からの脱出を試みるも失敗する。
グンペイはスカル・クローラーに食われ、途方に暮れていた時にジェームズたちが現れる。
島の状況や原住民の文化を良き知り、迷い込んだジェームズたちにコングが何者か教える。
・サン(演:ジン・ティエン)
特殊研究機関“モナーク”の生物学者。ブラジルのジャングルで奇形の調査を行っていた。
ジン・ティエンは代表作に『ポリス・ストーリー/レジェンド』、『グレートウォール』などががあります。
最後までセリフがないのではないかと心配するほど序盤は一切言葉を発しなかった。
一人だけ東洋人で完全に浮いていたが、最後までジャングルにいたと思えないほど汚れなし。
・ブルックス(演:コーリー・ホーキンズ)
特殊研究機関“モナーク”の地質学者。地球空洞説を提唱し、髑髏島で立証を試みる。
コーリー・ホーキンズは代表作に『アーミー・ロード』、『フライト・ゲーム』があります。
ランダとともに上位議員を説得し、髑髏島でサイズミック爆弾を投下して地質を調べる。
しかし、それが引き金となって地中に眠っていたスカル・クローラーを起こす事に。
・ウィリアム・“ビル”・ランダ(演:ジョン・グッドマン)
特殊研究機関“モナーク”の主要メンバー。学界では長年に渡って変人扱いを受けていた。
ジョン・グッドマンは近年の出演作に『パトリオット・デイ』、『10/クローバーフィールド・レーン』などがあります。
実は過去に軍艦で髑髏島を訪れたが、彼以外の乗組員は全員死亡し、その事実は封印された。
怪物の存在を黙っていた事でパッカードに銃口を向けられるも一歩も引き下がらなかった。
最終的にコングの墓場でカメラのが誤作動し、スカル・クローラーに食われてしまう。
・ニエベス(演:ジョン・オーティス)
人工衛星ランドサットが発見した髑髏島の詳細を知る科学者で同行する事になる。
ジョン・オーティスは代表作に『AVP2/エイリアン vs プレデター』、『パブリック・エネミーズ』などがあります。
髑髏島が巨大な嵐で船による突入が困難だと知り、計画の中止を訴えるもヘリで向かう事に。
コングの襲撃で無事に生き残り、なぜかマーロウと息の合った妙な会話をしていく。
油断していたところでサイコ・バルチャーの餌食にされ、そのまま連れ去られてしまう。
【スカイデビルズ】
・パッカード大佐(演:サミュエル・L・ジャクソン)
米軍ヘリ部隊の隊長。ベトナム戦争の撤退で帰還予定だったがランダの護衛として同行する。
サミュエル・L・ジャクソンは近年の出演作に『トリプルX:再起動』、『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』などがあります。
戦場で倒れていった部下たちに深い悲しみを持ち、敵に対して徹底した武力を示していく。
当初はチャップマンの救出をするが、死んでいる事を知るが、それでも復讐の為に戦う。
常軌を逸した考えに部下たちは反旗を翻し、コングを始末しようとして逆に潰される。
・チャップマン(演:トビー・ケベル)
米軍ヘリ部隊のパイロット。パッカード大佐が最も信頼している片腕的な部下。
トビー・ケベルは近年の出演作に『ベン・ハー』、『ウォークラフト』などがあります。
息子のビリーに手紙を書いていて、髑髏島にたどり着いても大事に持ち歩いていた。
コングの襲撃で一人だけ島の西側に飛ばされ、武器調達の為に墜落したヘリへ向かう。
休憩していた時に背後からスカル・クローラーによって呆気なく殺されてしまう。
・シンプソン(演:トーマス・マン)
空軍ヘリ部隊のパイロット。部隊の中で比較的若く、父親が整備士という経歴を持つ。
トーマス・マンは代表作に『ヘンゼル&グレーテル』、『ブラッド・ファーザー』がある。
ジェームズたちを行動し、無線でパッカード大佐たちと交信する事に成功する。
当初はパッカード大佐の指示に従うも、最終的に間違っていると悟って反旗を翻す。
・ミルズ(演:ジェイソン・ミッチェル)
米軍ヘリ部隊のパイロット。ベトナム戦争の撤退でようやく国に帰れると喜んでいた。
ジェイソン・ミッチェルは代表作に『ハード・ラッシュ』、『バリー』などがあります。
帰還がなくなって髑髏島へ行く事に一人だけ文句をずっと言っていたという正常な反応。
コールとは仲良しだが、彼のマイペースな行動に対してツッコミを入れる役割。
・コール(演:シェー・ウィガム)
空軍ヘリ部隊のパイロット。常にマイペースで上官の命令には逆らわず従う。
シェー・ウィガムは代表作に『アメリカン・ハッスル』、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などがあります。
コングが部隊を壊滅させるが、助かった彼はなぜかマイペースに食事をする。
巨大なスカル・クローラーに手榴弾で自爆を仕掛けるも尻尾で吹き飛ばされ不発に終わる。
・レムル(演:ユージン・コルデロ)
米軍ヘリ部隊のパイロット。多くを語らないが、仲間からの信頼は厚い。
ユージン・コルデロは代表作に『午後3時の女たち』、『ゴーストバスターズ』があります。
コングの襲撃で部隊のヘリが墜落する中、パッカード大佐とともに不時着する。
反旗を翻したシンプソンを見て、パッカード大佐が間違っていると認識して銃口を下げる。
感想
個人的な評価
ついに“モンスターバース”の二作目となる本作を鑑賞した。
今回は初体験となったMX4Dだが、本作で良かったと思っている。
少々お値段が張るけど、一度は体験してみるのはいいかもしれません。
詳しい事については『脳内ミニシアター(仮)』の方で記事として投稿したいと思います。
さて、本作は2005年に公開されたピーター・ジャクソン版から12年が経過した。
一時は怪獣映画がハリウッドで作られなくなったが、ギレルモ・デル・トロ監督の『パシフィック・リム』に端を発し復活をした。
そして、製作会社であるレジェンダリー・ピクチャーズはシリーズ化を構想している。
それが前述で書いた“モンスターバース”であり、『脳内ミニシアター(仮)』の方でも記事として紹介しています。
日本を代表とする怪獣と言えば、ほとんどの人は「ゴジラ」と思いつくでしょう。
では、アメリカを代表する怪獣と言えば、それはもちろん、「キングコング』となります。
本作は単独の作品ではなく、あくまで“モンスターバース”の1本として製作されています。
2020年には『Godzilla vs Kong』の公開がすでに発表され、それを踏まえた上で本作が製作されています。
今回のコングは映画史上で二番目の大きさで、31.6メートルと巨大化しています。
ピーター・ジャクソン版では25フィート(7.6メートル)と意外にも小さいのです。
それから考えてみると、本作のコングは巨大であり、ヘリは叩くだけで壊せるほど。
しかし、対決が待たれるゴジラは108メートルなので、この先どう変わるのか分からない。
で、率直な感想として、今回のコングはサブタイトルのような“巨神”でした。
ピーター・ジャクソン版では“島の王者”として君臨していたが、本作は更に一歩踏み込んだ“島の守り神”となっています。
つまり、本作のコングは“島”を守る事がすべてであり、それは生き物や土地を外敵から体を張って守るという役目を持っています。
明確な立場を示しているので、原住民や島を破壊しない人間には一切の危害を加えないどころか、体を張って守るという心優しい怪獣なのです。
その上でコングは侵入してきたアメリカ軍に対して攻撃を仕掛けたのは意味があります。
最初は狂暴な大猿に見えていたコングだが、次第に彼こそ“島の守り神”だと分かり、その表情から浮かぶ感情が伝わってくる。
本作ではコングの強さはもちろん、彼が守っているモノを破壊する人間の姿も描かれる。
これにはメッセージが込められ、小さな人間と巨大なコング、どっちが危険なのかをハッキリと描写しているのです。
ただ、個人的にはどうしてもピーター・ジャクソン版が良かっただけに、本作はそれなりの不満を持ってしまいました。
登場人物については主人公らしい主人公がいないので、コングとの交流を図ったヒロインの行動は強引に感じてしまった。
そこからコングが彼女を助ける一連のシーンはオリジナルへのオマージュだろうが、演出としてはあまり上手いとは感じなかった。
ピーター・ジャクソン版ではしつこいぐらいにコングとヒロインの関係性を描いた分、本作はあまりにも淡泊すぎると思ってしまった。
今後は『Godzilla』との対決が控えているので、コングはどのような進化を遂げるのか、非常に楽しみとなりました。