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モンスター・フィールド RE-2514

モンスター・フィールド RE-2514

作品紹介

公開年月  2014/10/09
ジャンル  パニック/ホラー
原作  なし
監督  マーティン・バーネヴィッツ
脚本  ソーレン・グリンダスレフ・ハンセン
製作  キャロライン・ブランコ、クリスティアン・ボタリヴォ
製作国  デンマーク
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

地下室でいなくなった飼い猫を探していたダニーだが、家の外が騒がしいと気づくと、書斎の窓ガラスが割れ、弟ウィリアムと父親が謎の生物に襲われる。
ダニーとウィリアムは地下室に逃げ込んで一晩を過ごすが、買い物で外出していた母親を探すべく外へと出る事に。
しかし、街は破壊され、怪物に食い荒らされた人間の死体に埋め尽くされていた。
政府は事態の収拾に取りかかるべく毒ガスで街ごとを壊滅させる作戦を計画するのだった。

登場人物&出演者

ダニー(演:ウィリアム・ヨンク・ニルセン)
主人公。真面目で冴えず、同じクラスのリーに思いを寄せるが目も合わせられない。
ウィリアム・ヨンク・ニルセンは代表作に『未来を生きる君たちへ』、『Bare tjue』がある。
いじめっ子のルーカスには言いなりで、弟がいじめられても何も言わないクズ野郎です。
学校では何も言わないクセに、家だと兄貴だという事で上から目線で物事を言う内弁慶野郎。
怪物が襲った時に母親を探しに行こうとする弟を止めるなど、主人公とは思えないクソ。
本作の登場人物は悉くコイツの為にいるのは最後まで納得できなかったです。

ウィリアム(演:トーマス・ガーヴィー)
ダニーの弟。学校では浮いていて、いじめっ子相手でも一切物怖じしないタイプ。
トーマス・ガーヴィーは本作が長編映画デビュー作となります。
腰抜けでヘタレな兄とは似ても似つかないほど行動的で衝動的な部分がある。
だが、それはクズな兄との対比によって、魅力的なキャラクターになっています。
動こうとしない兄を動かしたの彼だし、最後まで母親の生存を信じた純真さもありました。
ただ、主人公である兄のせいで引き立て役になってしまったのは残念でした。

リー(演:エミリー・ヴェルナー・セメルロート)
ヒロイン。ダニーが10年間も片想いしている女の子。いじめっ子のルーカスといい感じに。
エミリー・ヴェルナー・セメルロートは代表作に『Bølle Bob/Alle tiders helt』、『Far til fire』シリーズなどがあります。
いじめっ子ルーカスが狙っていたが、実はダニーの事が好きだったというオチ。
怪物が襲った後、ルーカスたちと生き残っていたが、主人公とくっつくので出しゃばる。
軍が怪物を毒ガスで抹殺するもガスマスクが足りない事を知って女友達に譲る謎の自己犠牲。
結局は普通に助かったしまい、主人公にくっつく当たり前の流れになりました。

アダム(演:ピーター・ガンツェラー)
怪物たちが襲撃した後、街をさまよっていたところでダニーの家にたどり着く。
ピーター・ガンツェラーは代表作に『幸せになるためのイタリア語講座』、『テンプル騎士団』シリーズなどがあります。
当初は頼れる父親のような存在として怪物からダニーたちを守ろうとする。
だが、相手が危険だと知って愕然してしまい、ウィリアムが母親を探しに行く事を止める。
結局はダニーにも見捨てられ、地下室に閉じ込められるも最後は軍に助け出される。

ルーカス(演:マルコ・イルソ)
いじめっ子。自信たっぷりで子分を連れている。ダニーが好きだったリーに目をつける。
マルコ・イルソは代表作に『特捜部Q/キジ殺し』、『モデル/欲望のランウェイ』がある。
怪物が襲った後、リーたちと生き残って相変わらずの自信たっぷりな感じで仕切りだす。
しかし、主人公補正を発揮したダニーの前でデカイ態度は身を潜め、最後は泣き出す始末。
それでもなぜか無傷で生き残るという脇役のクセに強運の持ち主でした。

父親(演:ラース・ミケルセン)
ダニーとウィリアムの父親。作家。毎日の暑さと犬の鳴き声でなかなか集中できない。
ラース・ミケルセンは代表作に『リチャードの秘密』、『ダブル・リベンジ/裁きの銃弾』などがあります。
今時テープレコーダーで記録していて、それがダニーに勇気を与える事になる。

感想

個人的な評価

一部で話題となった『トロール・ハンター』や『ピクセル』のVFXチームと、メジャー大作『ハリー・ポッター』のSFXチームが集結した作品。
舞台はデンマークとなっているが、以前にゾンビ映画『レジデント』が同じデンマークが舞台となっていました。
本作は北欧が舞台という事で、アメリカとは違った雰囲気が漂っています。
まず、アメリカの映画では絶対に登場する黒人がおらず、全員が白人というのがデンマーク映画だと分かるだろう。
主人公たちのいる街を壊滅させた怪物はなかなか姿を現さず、基本的に唸り声を体の一部だけを見せる典型的な演出となっています。
突然やって来る怪物に街の人間は襲われるが、主人公のダニーと弟のウィリアムは地下室に逃げた事で生き延びる。
ここら辺は主人公補正となっていて、どう見ても普通のドアを蹴破れない怪物に怖さがない。
主人公のダニーは中盤までヘタレ要素全開であり、観ていて非常にイライラさせられる。
逆に弟のウィリアムは学校で浮いた存在で、いじめっ子のルーカスに反抗するなど、キャラクターとして立っています。
ただ、ウィリアムは主人公じゃないせいで見せ場があまりなく、なぜかヘタレの兄が終盤で逞しく行動していく。
ハッキリ言って、ダニーは主人公という補正のおかげで行動力を身につけただけにしか見えませんでした。
本来なら弟のウィリアムの方が魅力的なキャラクターだが、なぜか脇役という感じである。
ダニーが主人公なので、ずっと片想いしていた女の子と両思いだったというオチも納得ができず、母親を助けたいウィリアムの方が説得力があった。
中盤辺りには家族を失ったオッサンがダニーたちの家に来て、父親のような感じで頼れる人物になるはずが、なぜあのような醜態に落ち着いたのか理解できない。
更に序盤から存在感をアピールしていたルーカスといういじめっ子も醜態をさらす。
あれだけ態度がデカかったのに、なぜかビビリを発揮して役立たずとなってしまうが、あの自信たっぷりだった姿のギャップに説得力はなかった。
やはり、本作はヘタレが最後に勇気と女を手に入れる物語に集約したかったので、オッサンは邪魔だったのだろうか。
あとは主人公を格好良くしたい製作側の演出が見え見えすぎて、個人的に萎えてしまった。
『レジデント』でも感じた事だが、本作は迫ってくる脅威をあまり見せず、あくまで主人公が成長していく事を第一にしている。
その主人公に説得力があればいいのだが、本作のヘタレな演出はちょっとやり過ぎたと思う。
弟を二回も裏切った腰抜けのヘタレなのに、終盤は主人公のような顔をして、女を手に入れるご都合主義は甚だしい限りだ。

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