ロッキー・ホラー・ショー RE-2550

作品紹介

公開年月  1975/08/14
ジャンル  ミュージカル/ホラー
原作  リチャード・オブライエン 『ロッキー・ホラー・ショー』(舞台)
監督  ジム・シャーマン
脚本  ジム・シャーマン、リチャード・オブライエン
製作  マイケル・ホワイト
製作国  イギリス
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

恩師スコット博士に婚約の報告をしようと出かけたブラッドとジャネットだったが、急に降り出した激しい雷雨の中、道に迷い山中で車がパンクする。
二人は電話を借りようと近くの古城を訪ねるが、城の主フランクン・フルターは変わった人物で奇怪なパーティーが開かれていた。
フランクン・フルターは自身が作った人造人間「ロッキー」を披露し、ジャネットが魅了され、更にブラッドとも関係を持ってしまうのだった。

登場人物&出演者

ブラッド・メイジャース(演:バリー・ボストウィック)
友人の結婚式でお祝いムードの中、恋人のジャネットがブーケを受け取った事で結婚を決意。
バリー・ボストウィックは代表作に『メガ・フォース』、『スパイ・ハード』があります。
スコット博士に報告しようとするが、車のタイヤがパンクして近くの城へ電話を借りに行く。
そこで妙なパーティーを開くフランクン・フルター博士と出会って真面目な性格が変わる。
一度、フランクン・フルター博士に石にされてから欲望を解放されてダンスを踊った。
最後は恩師のスコット博士によって助けられ、城からなんとか脱出する事になった。

ジャネット・ワイズ(演:スーザン・サランドン)
友人の結婚式で見事にブーケを受け取ると、意を決したブラッドの婚約指を受け取った。
スーザン・サランドンは代表作に『テルマ&ルイーズ』、『デッドマン・ウォーキング』などがあります。
車のトラブルで近くの城に行くと怪しげなパーティーを見てすぐに帰ろうとする。
フランクン・フルター博士の誘惑に負け、処女を捧げた事で一気に性欲を爆発させる。
使用人のリフ・ラフにいじめられた人造人間のロッキーと関係を持った事で石にされる事に。
最後は恩師のスコット博士、正体を暴いたリフ・ラフとマジェンダの乱入で城を脱出した。

リフ・ラフ(演:リチャード・オブライエン)
フランクン・フルター博士の使用人。電話を借りに来たブラッドたちを最初に出迎える。
リチャード・オブライエンは代表作に『ダークシティ』、『ダンジョン&ドラゴン』などがあります。
実はトランシルバニアという性倒錯の惑星から来た宇宙人でフルター博士の為に働いた。
しかし、暴走するフルター博士に対して疑問を抱き、人造人間のロッキーで最高潮に達する。
結果としてフルター博士を排除する計画を立て、最終的に目的を達成して宇宙へと飛び去る。

マジェンダ(演:パトリシア・クイン)
フランクン・フルター博士の使用人。カールした長い赤い髪を持つ。メイド服がラフ。
パトリシア・クインは代表作に『美女と野獣』、『ロード・オブ・セイラム』があります。
リフ・ラフの妹で同じくトランシルバニアの宇宙人でフルター博士の下で働いていた。
フルター博士の元恋人でパーティーの参加者だったコロンビアとは異様に仲が良い。
兄と同様にフルター博士の研究に疑問を持ち、これを制裁しようと考えていた。
最終的にフルター博士とコロンビアを殺害すると、故郷の惑星へ城とともに飛び去った。

コロンビア(演:ネル・キャンベル)
フランクン・フルター博士の元恋人。奇妙なパーティーの参加者として歌って踊る。
ネル・キャンベルは代表作に『大いなる遺産』、『キリング・フィールド』などがあります。
かつてフランクン・フルター博士が作り上げた人造人間のエディとは恋人だった。
醜いエディを気に入らないフルター博士が処分した事で関わらないようにした。
その後、石にされて欲望を解放されると、怒りを忘れてフルター博士の哀しみに共感した。
最後は正体を現したリフ・ラフの持つレーザー銃によってあっさりと殺されてしまう。

ロッキー(演:ピーター・ハインウッド)
フランクン・フルター博士に研究成果よって命を与えられた完璧な人造人間。
ピーター・ハインウッドは代表作に『タム・リン』などがあります。
美しい肉体穢れを知らない彼をフランクン・フルター博士は気に入っていた。
しかし、嫉妬したリフ・ラフのいじめられ、研究所に逃げるとジャネットと出会う。
そこで初めて女を知った事でフランクン・フルター博士の怒りを買ってしまう。
リフ・ラフとマジェンダの乱入でフルター博士が殺され、哀しみを募らせた。

エディ(演:ミートローフ)
フランクン・フルター博士の作り出した人造人間。見た目が醜いとして邪険にされる。
ミートローフは代表作に『ファイト・クラブ』、『絶叫のオペラ座へようこそ』があります。
ロッキーの誕生で喜んでいるところに乱入して恋人だったコロンビアと一緒に歌う。
しかし、醜い見た目に耐えきれないフランクン・フルター博士によって殺される。

スコット博士(演:チャールズ・レイ)
ブラッドとジャネットの恩師。車椅子。UFOの研究家として知られた人物。
チャールズ・レイは代表作に『007/ダイヤモンドは永遠に』、『レガシー』などがあります。
甥のエディを探し求めてフランクン・フルター博士の城に壁を突き破って登場。
フランクン・フルター博士を宇宙人だと睨んでいたが、有無を言わさず石にされる。
欲望を解放されるギリギリのところで正気を保とうとするが結局は踊らされる。
リフ・ラフとマジェンダの乱入で状況が好転して、城から脱出をした。

フランクン・フルター博士(演:ティム・カリー)
城の主。トランシルバニアから来た性倒錯者。城では奇妙な人々とパーティーを催す。
ティム・カリーは代表作に『ホーム・アローン2』、『チャーリーズ・エンジェル』などがあります。
実はトランシルバニアという性倒錯の惑星からやって来て夜な夜な人造人間の研究をする。
やって来たブラッドとジャネットをそれぞれ誘惑し、隠された欲望を引き出した。
その二人の最高傑作となる人造人間のロッキーを見せると、誰にも譲らない為に隔離する。
最後は裏切ったリフ・ラフとマジェンダによって慈悲もなく殺されてしまう。

感想

個人的な評価

本作はリチャード・オブライエンの同名ミュージカルを映画化した作品。
現在ではいわゆるカルト映画として位置づけられるが、試写会の席では多くの観客が途中退席するほど不評でした。
ミュージカル映画でありながら、猟奇的な描写、インモラルな要素、刺激的な音楽や衣装、同性愛などを扱った内容に反感を持たれていた。
そのせいで映画館は深夜興行だけとなったが、あまりにも過激な内容に触発した多くの人間が熱狂的なファンとなっていきます。
こうして本作はカルト映画として現在の地位を確保しているが、本作はまだ70年代と考えればなかなかのエキセントリックな内容です。
そう、本作は「冷静」に考えてしまうと40年も前の作品であるが、現代でも通用するような刺激的で派手な作品だと言える。
しかしながら、本作は「冷静」に鑑賞しちゃいけない作品だと鑑賞後に気づきました。
なぜ、未だに熱烈な人気があるのかというと、本作は家で落ち着いて鑑賞するような作品ではないからです。
あくまで映画館に足を運び、同じ本作が好きな人たちとコスプレをして、ワイワイ楽しむのが本来の楽しみ方なのです。
だから、本作は決して「冷静」に鑑賞しちゃいけない作品で、それをしてしまったら評価が大きく変わっていきます。
カルト映画というのは特定の熱烈なファンによって支持される作品を指すが、本作はまさしくその典型とも言える作品だと感じさせます。
ハッキリ言って、映画好きでも、ミュージカル好きでも、音楽好きでもない人にオススメはできないタイプの作品です。
これを面白いと言って他者にオススメするのは単なる押しつけであり、普通は本作を「面白い」と評価する人が圧倒的に少ないと思います。
本作は映画好き、ミュージカル好き、音楽好きの人種ならば、理解はあるけど、それらの要素と縁遠い人には退屈な作品に感じられる。
多くの意見として「ハマる人はハマるが、ハマらない人はとことんハマらない」というのがあるけど、その主因としてノリの違いだと思います。
本作は観客参加型の映画であり、どれだけ世界観に入り込めるかが最大のポイントとなる。
更に本作を世界観に入っていける仲間をどれだけ集められるかによって、本作にハマっていくのが左右されます。
ノリはあまり得意じゃない人は微妙に感じるが、ノリのいい人は素直に楽しめるだろう。
これがハマる人とハマらない人の差であり、残念ながら自分は後者になってしまう。
本作を「冷静」に鑑賞した結果、「面白い」というよりは「なるほど」という感想が最初に出てきてしまったのです。
もちろん、劇中のノリのいい音楽は良かったし、妙なダンスも悪くないけど、これが心に響くまでには至らなかったです。