ロック・オブ・エイジズ RE-2443

作品紹介

公開年月  2012/06/15
ジャンル  ミュージカル/ドラマ
原作  クリス・ダリエンツォ 『ROCK OF AGES』
監督  アダム・シャンクマン
脚本  ジャスティン・セロー、クリス・ダリエンツォ、ほか
製作  アダム・シャンクマン、ジェニファー・ギブゴット、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

栄光とスキャンダルに彩られた80年代のハリウッド・サンセット通り。
歌手を夢見て田舎から出てきたシェリーは、ライブハウス“バーボン・ルーム”でウェイターをしながら歌手デビューを目指す青年ドリューと出会う。
彼の紹介でシェリーもバーボン・ルームでウェイトレスをする事となり、二人は次第に距離を縮めていく。
そんな中、かつての勢いはなくなったものの、未だカリスマとして業界に君臨するスーパー・スター、ステイシー・ジャックスのライブがバーボン・ルームで行われようとしていた。

登場人物&出演者

シェリー(演:ジュリアン・ハフ)
主人公。オクラホマの田舎からハリウッドで歌手を夢見て出てきた。家族は祖母だけ。
ジュリアン・ハフは代表作に『バーレスク』、『フットルース/夢に向かって』があります。
ハリウッドに到着して早々に大事なレコードが入ったトランクを盗まれるという不運に。
だが、それがきっかけでドリューと出会い、バーボン・ルームで働く事となる。
当初は歌手を夢見ていたが、ドリューとの運命的な出会いこそが彼女の生きる活力となる。
一時は仲違いするが、ずっとドリューを思っており、最終的に二人は再び結ばれる。

ドリュー(演:ディエゴ・ボネータ)
歌手デビューを目指しバーボン・ルームでウェイターをする。シェリーに仕事を紹介する。
ディエゴ・ボネータは代表作に『ファイナル・ゲーム』、『ペレ/伝説の誕生』があります。
仕事に追われる日々に飽きて、気晴らしを求めているところでシェリーと出会って一変する。
実はライブが苦手であり、人前で歌えなかった彼にシェリーが勇気をチャンスを与える。
一時は仲違いするも、最終的にシェリーのおかげで忘れていたロック魂を思い出す事になる。

ステイシー・ジャックス(演:トム・クルーズ)
ロックの神様と呼ばれるカリスマ。バーボン・ルームで初ステージを踏んでいる。
トム・クルーズは近年の出演作に『ジャック・リーチャー/NEVER GO BACK』、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』があります。
かつてのカリスマも今では落ち目となっていて、ワケの分からない言動が目立っている。
その原因は彼を億万長者に引き上げたマネージャーのポールだとコンスタンスに言われる。
それまで己の道を信じていた彼の世界を壊したコンスタンスこそが運命の女性だと悟る。
再び本気で人を愛する事が思い出し、かつてのカリスマ性を取り戻す事になる。

ロニー(演:ラッセル・ブランド)
バーボン・ルームの雑用係。早くから音楽の才能がない事を割り切って遊びまくっている。
ラッセル・ブランドは代表作に『ベッドタイム・ストーリー』、『テンペスト』があります。
一見して頼りない感じだが、迷うデニスに何かと親身にアドバイスをする熱い一面を持つ。
実はバーボン・ルームに入ってからずっとボスであるデニスに想いを募らせていた。
最終的に想いを告白すると、実はデニスも同じでめでたく二人の恋は実を結ぶ。

デニス(演:アレック・ボールドウィン)
バーボン・ルームの経営者。ステイシー・ジャックスをステージに初めて上げた人物。
アレック・ボールドウィンは近年の出演作に『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』、『アリスのままで』などがあります。
あくまでロックを愛し、若者にチャンスを与える寛大な心を持つロックンローラー。
ステイシー・ジャックス、後に有名となるドリューをステージに上げる先見の明を持つ。
ただ、ポールに騙されて危うくバーボン・ルームを失うところまで追いつめられる。
実はロニーを面接した時から気があって、ついに二人は友情以上の関係となる。

ポール・ギル(演:ポール・ジアマッティ)
ステイシー・ジャックスのマネージャー。ステイシー・ジャックスを億万長者にした。
ポール・ジアマッティは近年の出演作に『ストレイト・アウタ・コンプトン』、『リトルプリンス/星の王子さまと私』があります。
やり手であるが、とことん他者を食い物にして自分の実績と儲けを第一に考えるクズ。
ステイシー・ジャックスを使ってバーボン・ルームでライブを開催するも儲けを全額没収。
落ち目のステイシー・ジャックスを捨て、今度はドリューに目をつける先見の明を持つ。
最終的にドリューがロック魂を取り戻して、ステイシー・ジャックスのペットに殴られる。

パトリシア・ウィットモア(演:キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)
ロサンゼルスの市長となったウィットモア氏の妻。街を浄化する運動を積極的に行う。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズは近年の出演作に『REDリターンズ』、『サイド・エフェクト』などがあります。
ウィットモア氏よりも目立つ存在であり、就任演説の際には彼女が市長と思わせるほど。
執拗にステイシー・ジャックスを敵視しており、永遠に葬ろうと画策していた。
実は過去にステイシー・ジャックスに心酔し、彼のアルバムに上半身裸で映っていた。

コンスタンス(演:マリン・アッカーマン)
ローリング・ストーン誌の女性記者。ステイシー・ジャックスの世界を壊してしまう。
マリン・アッカーマンは代表作に『ウォッチメン』、『ゲットバック』などがあります。
ステイシー・ジャックスの心に深く入り込んだ女性として彼を目覚めさせる原動力になる。

ジャスティス(演:メアリー・J・ブライジ)
ストリッパー劇場の経営者。ドリューと仕事を失ったシェリーに手を差し伸べる。
メアリー・J・ブライジはR&B歌手として活躍し、Q誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガーで第100位に選ばれています。
思い詰めていたシェリーに対し、必要なのは富や名声ではなく、愛だと彼女に教える。

感想

個人的な評価

本作は2005年から始まったロックミュージカルの映画化となっています。
ブロードウェイでは人気を博し、80年代のロックを多くの人に届けてきました。
まさにロックンロールと言える本作の中で歌われる数々の名曲たち。
ただ、残念ながら自分は80年代のロックはほとんど知らないので感動は半減でした。
それに本作はミュージカル映画という事で観る人を選ぶが、それ以上に80年代のロックに限定している事で更に絞られます。
つまり、本作では80年代のロックを知らないと純粋に楽しめないコアな映画になっている。
ミュージカル映画としては感情を表現する為に歌い出すが、みんな上手いのは当然です。
主人公であるシェリーのジュリアン・ハフは歌手として活躍し、相手役のドリューを演じるディエゴ・ボネータは歌手として活躍している。
実力が確かな二人による歌は言うまでもなく素晴らしく、物語の中核になるロマンスも王道的でしっかりとしています。
ただ、二人の恋物語があまりにも単純化しているせいで作品としては面白味に欠ける。
カリスマ的な人気のステイシー・ジャックスを演じるトム・クルーズの存在が非常に大きい。
特にスーパー・スターを演じるトム・クルーズの演技は本物だと思わせるほどの上手さ。
トム・クルーズは過大評価される俳優だと自分は思っているが、これは主人公となった時の周囲が煽てる感じが嫌いなだけです。
実はトム・クルーズは主人公よりも脇役をやった方が真の実力が発揮されるのが分かる。
決して物語の中心ではないが、主人公よりも存在感のある濃いキャラクターはトム・クルーズだからできる事です。
これはブラッド・ピットと同じく、主人公をやると普通すぎて退屈な俳優だと言えます。
本作はほぼトム・クルーズのステイシー・ジャックスのおかげで面白くなっていると思う。
だけど、ステイシー・ジャックスを主人公にすると絶対におかしくなるのは目に見えている。
だからこそ、本作のようなポジションがちょうどいいし、トム・クルーズもノビノビと演じて実力を発揮できるのです。
音楽については80年代は個人的にロックよりもディスコソングの方が好きなので、聴いた事がある程度で感動はそこまでなかった。
作品としては可もなく不可もないという感じで、突出しているトム・クルーズが目立ったぐらいで特別素晴らしいという印象はなかったです。