サイレント・ナイト/悪魔のサンタクロース RE-2377

作品紹介

公開年月  2012/12/04
ジャンル  ホラー/スプラッター
原作  『悪魔のサンタクロース/惨殺の斧』(リメイク)
監督  スティーヴン・C・ミラー
脚本  ジェイソン・ロスウェル
製作  リチャード・サバースタイン、ブライアン・ウィッテン
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

アメリカの平和な田舎町で、クリスマスを前に連続殺人事件が発生。
捜査に乗り出した地元の保安官たちは、犯人がサンタクロースの扮装をして人々を襲っている事を突き止める。
しかし、クリスマス時期の為、町は至るところにサンタクロース姿の人物がいて、捜査は難航するのだった。

登場人物&出演者

オーブリー(演:ジェイミー・キング)
主人公。保安官。夫のジョンを亡くして初のクリスマスを迎えるも人手が足りず出勤する。
ジェイミー・キングは代表作に『シン・シティ』、『シン・シティ/復讐の女神』がある。
父親も保安官をやっていて、お墨付きの資質を持っているが実は精神的に弱かった。
それでも殺人鬼に立ち向かっていく中で、なんとか倒すという主人公補正を発動させる。
主人公である特性以外は目立ったような印象がなかったのが痛いところだった。

所長(演:マルコム・マクダウェル)
クリスマスが控える中で、人手が足りず、休暇を取っていたオーブリーを呼ぶ。
マルコム・マクダウェルは近年の出演作に『31』、『おとなのワケあり恋愛講座』がある。
小さな田舎町を守る保安官として誇りを持ち、殺人現場では物怖じしないベテラン。
誰よりも犯人を捕まえる事に自信を持っていて、日頃の訓練の成果を出すべきだと言う。
ある意味、主人公よりもキャラが立っていたのはマルコム・マクダウェルだからでしょう。

ジム(演:ドナル・ローグ)
サンタクロースとして働いているが、口が悪いせいでクレームを出していた。
ドナル・ローグは代表作に『ブレイド』、『ゴーストライダー』などがあります。
オーブリーと所長から殺人の犯人だと思われ牢屋にぶち込むが、人違いだったという。
しかも、本物の殺人鬼にケンカを売られたと思って挑むも返り討ちに遭う。
結局、このキャラクターは何がしたかったのか分からない立ち位置であった。

ブレンダ(演:エレン・ウォン)
保安官事務所ではオペレーターを担当する。オーブリーとは仲良し。
エレン・ウォンは19作に出演し、本作が長編映画デビュー作となっています。
犯人探しで忙しくなって仕事に追われる。殺人鬼が事務所に乗り込むも運良く生き残る。

サンタクロースの格好をした殺人鬼(演:リック・スキーン)
少年時代、浮気した母親を父親が自作の火炎放射器で処刑した場面をじっと見ていた。
リック・スキーンは代表作に『殺意の瞬間(とき)』、『呪い村436』がある。
実際にしゃべったセリフは一言で、ラストで火傷を負った姿を見せている。
オリジナルでは動機が描写されているが、本作では他人任せのせいで退屈な殺人鬼に。

感想

個人的な評価

オリジナルとなる『悪魔のサンタクロース/惨劇の斧』は当時話題となりました。
サンタクロースの格好をした殺人鬼という設定が論争を巻き起こしました。
その影響で公開して6日後には上映中止に追い込まれてしまうのです。
それほどに多大な不快感を生み出したオリジナルは、逆にカルト的な映画になったのです。
話題に乗じて合計で5作も製作されるのはアメリカらしい手法だと言えます。
一応、オリジナルの方も鑑賞していますが、個人的な評価はなかなか良かったようです。
本作に登場するサンタクロースの格好をした殺人鬼は、どこかジェイソン・ボーヒーズに似た行動理念を持っています。
ジェイソンは悪い事をしようとするバカ者(若者)に容赦ない制裁を加えていく。
そんな本作のサンタクロースの格好をした殺人鬼も、「いい子にはプレゼント、悪い子には血の制裁」というポリシーを持っています。
当然ながらほとんどが悪い子なので、サンタクロースの格好をした殺人鬼は殺しまくる。
しかし、純粋な子供だけは悪い事をしないので、キャンディをあげて立ち去ります。
そのギャップこそが本作の持ち味であり、殺人鬼の徹底したポリシーがよく分かります。
もちろん、こういう作品で活躍するのは主人公で、当然ながら女性となります。
ただ、実際に主人公が殺人鬼にたどり着くまで回り道があるせいで、クライマックスの盛り上がりが今一つでした。
それに監督は色々と伏線を張って仕掛けようとしているが、上手く機能していない。
まあ、監督がスティーヴン・C・ミラーだと分かれば、そうなるのは仕方ないと思う。
オリジナルの印象的なシーンを使っているが、本来なら殺人鬼になった少年の物語を入れるべきだったと思います。
確かに何を考えているのか分からない殺人鬼はいいけど、殺人の回数を重ねていくとインパクトが薄れてしまう。
やはり、そこには殺人鬼の動機や素性をきちんと演出すれば、もう少し話しに広がりができたと思います。
オリジナルの方がそこら辺を描いているので、どうにも本作は物足りないと感じました。