X-ミッション VD-43

作品紹介

公開年月  2015/12/04
ジャンル  アクション/犯罪
原作  キャスリン・ビグロー 『ハートブルー』(リメイク)
監督  エリクソン・コア
脚本  カート・ウィマー
製作  アンドリュー・A・コソーヴ、ブロデリック・ジョンソン、ほか
製作国  アメリカ、中国、ドイツ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

エクストリームスポーツのアスリートだったジョニー・ユタは、親友の死をきっかけに自らの人生を見つめ直し、FBI捜査官になる。
折りしも世界各地でエクストリームスポーツを駆使した謎の強盗事件が立て続けに発生する。
それはエクストリームスポーツのカリスマ、ホーディが率いるチームが捜査線上に浮かぶ。
そこで元アスリートのジョニーはホーディのチームに潜入し、犯罪の決定的証拠を掴むよう指令が下るのだった。

登場人物&出演者

ジョニー・ユタ(演:ルーク・ブレイシー)
主人公。エクストリームスポーツの元アスリート。FBIの新米捜査官となる。
ルーク・ブレイシーは代表作に『G.I.ジョー/バック2リベンジ』、『スパイ・レジェンド』などがあります。
技術よりも度胸を優先するタイプだが、そのせいで親友を亡くしてしまう。
人生を改めようとFBI捜査官になるが、結局エクストリームスポーツをやっている。
親友を亡くした事で辞めたはずなのに喜んでやっている時点で本末転倒な気がしてならない。
そもそも、FBI捜査官としての自覚がなさすぎるし、犯罪者を逃す時点で失格だと思う。

ホーディ(演:エドガー・ラミレス)
エクストリームスポーツのカリスマ。チームを率いてオザキ8に擬えて犯罪を繰り返す。
エドガー・ラミレスは代表作に『ドミノ』、『ボーン・アルティメイタム』などがあります。
オザキ8を提唱したオノ・オザキを信奉しているが、恩返しという行為を曲げている。
生粋のアスリートであるけど、その思想は明らかにテロリストと変わらない。
本作ではいいヤツ風に描いているけど、やっている事は他人に迷惑をかけているクズです。
キャラクターとして悪くないと思っただけにストーリーの犠牲となったのは残念。

サムサラ(演:テリーサ・パーマー)
ホーディが率いるチームの紅一点。両親を雪崩で亡くし、オノ・オザキが里親だった。
テリーサ・パーマーは近年の出演作に『ライト/オフ』、『トリプル9/裏切りのコード』などがあります。
ヒロイン的な立場なので、当然のように主人公のジョニーとはいい感じになります。
ただ、ストーリーによって犠牲となったキャラクターの一人になってしまった。

グロメ(演:マティアス・ヴァレラ)
ホーディが率いるチームの一人。ホーディとは多くのラインを渡り歩いてきた。
マティアス・ヴァレラは代表作に『イージーマネー』があります。
すぐにジョニーを認めたホーディとは違い、当初は彼を警戒していた。
7つ目の試練であるロッククライミングでラインが見えず、途中で諦めて投身する。

ローチ(演:クレーメンス・シック)
ホーディが率いるチームの一人。ずっとジョニーに対して厳しい態度で接する。
クレーメンス・シックは代表作に『ロスト・メモリー』、『アウトバーン』などがあります。
雪山をスノーボードで下りる際、コントロールを失ってそのまま崖下に墜落死する。

パパス(演:レイ・ウィンストン)
イギリス支局のFBI捜査官。昔気質で地味でつまらない捜査を信条としている。
レイ・ウィンストンは近年の出演作に『ザ・ガンマン』、『ノア/約束の舟』があります。
当初はジョニーのやり方に批判的だったが、それは単なるツンデレだと判明する。
実は誰よりもジョニーを認めていて、特別にFBI捜査官のバッジを作らせている。

ホール(演:デルロイ・リンドー)
FBIの指導官でジョニーの上司。新米のジョニーの能力を高く買っている。
デルロイ・リンドーは近年の出演作に『アナーキー』、『ザ・ビッグバン!!』があります。
エクストリームスポーツを使う謎の犯罪者集団に振り回され、ジョニーを頼る事になる。
途中で犯罪者集団のワケの分からない思想に翻弄されるが、それは観ている側も一緒。

感想

個人的な評価

本作は1991年に公開された『ハートブルー』を再構築したリメイク作品。
ダブル主演でパトリック・スウェイジとキアヌ・リーブス、監督にキャスリン・ビグローが務めていました。
主人公はエクストリームスポーツの元アスリートだったけど、友人を亡くしてFBI捜査官に転身する。
そこで主人公は逮捕できない犯罪者集団を監視と調査する為に派遣されるという流れ。
これはどこかで観たようなシチュエーションだと思えば、『ワイルド・スピード』シリーズに通じるモノがありました。
ただ、本作は乗り物ではなく、あくまで己の肉体がすべてとなっているのです。
物語では“オザキ8”と呼ばれる架空の人物が提唱した8つのエクストリームスポーツに擬えて犯行を繰り返す犯罪者集団を追っていく。
その中で同じアスリートだった主人公のFBI捜査官がオザキ8に挑戦していくのです。
しかし、立場が違うので途中で仲違いをするワケだが、その見せ場となるエンジェルフォールの場面も凄まじかった。
鍛え抜かれた肉体を使い、海、山、空、崖と険しい大自然を相手に制覇していきます。
当然だが、そこにたどり着く場面を映し出しているが、相手が大自然という事で人間はちっぽけに見えてしまう。
本作最大の見どころは人間が小さく見えてしまうほどの圧倒的な大自然の光景だろうと思う。
そこにアスリートとしての魂を燃やしていくが、犯罪を絡めたのはかなり微妙な要素だったと感じた。
これは素直にオザキ8へ挑戦する男たちの物語にすれば、もっと彼らに感情移入ができた。
でも、本作の彼らはオザキ8というモノを利用した犯罪者だから同情もクソもない。
勝手に大自然を相手に挑戦するのは構わないが、周囲に迷惑をかける事をするのは人として間違っている。
大自然に挑んで一人で勝手に死ねばいいけど、そこに無関係の他人を巻き込むのはダメだとしか思えないのです。
だから彼らが一つの試練を達成して喜んでも、所詮は犯罪者のやっている事だから観ている側として一緒に喜べない。
やはり、本作は単純にオザキ8を達成する為に挑戦する男たちの物語にすれば良かった。
犯罪とか、FBI捜査官とか、ハッキリ言っていらない要素だったと感じた作品です。