作品情報
公開年月 | 2015/12/25 |
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ジャンル | ドラマ/アドベンチャー/アクション |
原作 | マイケル・パンク 『蘇った亡霊:ある復讐の物語』 |
監督 | アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ |
脚本 | マーク・L・スミス、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ |
製作 | アーノン・ミルチャン、スティーヴ・ゴリン、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
1823年、アメリカ北西部ではヘンリー隊長をリーダーとする毛皮を採取する集団がいた。
そのガイド役にベテラン・ハンターのヒュー・グラス、その息子ホーク、彼を慕う若者のジム・ブリジャーや敵意を抱く荒くれハンターのジョン・フィッツジェラルドが一緒に旅をしていた。
ある時、一行は先住民の襲撃を受け、多くの犠牲者を出してしまい、混乱の中でヒューたち生き残った者は船を捨て陸路で逃走する事に。
そんな中、ヒューがハイイログマに襲われ、瀕死の重傷を負ってしまう。
ヘンリー隊長は旅の負担になるとヒューを諦め、ブリジャーとフィッツジェラルドに彼の最期を看取り丁重に埋葬するように命じるのだった。
登場人物&出演者
・ヒュー・グラス(演:レオナルド・ディカプリオ)
主人公。ベテランの腕利きハンター。息子の命を狙った少尉を仕方なく殺した過去を持つ。
レオナルド・ディカプリオは近年の出演作には『ウルフ・オブ・ウォールストリート』、『華麗なるギャッツビー』などがあります。
ネイティブ・アメリカンのポーニー族の妻との間にホークも儲けたが、フランス人によって殺されてしまっている。
息子ホークが彼にとってすべてであり、それを奪ったフィッツジェラルドに復讐心を燃やす。
ハイイログマに襲われ瀕死状態となっても、殺された息子の為に過酷な環境でも生き残る強い精神力の持ち主である。
演じたレオナルド・ディカプリオが念願のアカデミー主演男優賞を受賞したが、それは納得ができるほどの好演でした。
セリフはほとんどないが、表情や動きなどで表現していて、最後まで惹きつけられました。
・ジョン・フィッツジェラルド(演:トム・ハーディ)
グラスと同行するハンター。ガイド役のグラスに対して不満を持ち、彼の判断にたてついた。
トム・ハーディは近年の出演作には『レジェンド/狂気の美学』、『マッドマックス/怒りのデス・ロード』などがあります。
過去にネイティブ・アメリカンに捕まり、頭の皮を剥がされていて、欲にまみれた人物。
自己中心的な人物で、一番はお金で、あとは自分の為に行動するだけの小さい人間。
メリットのない瀕死となったグラスを見捨て、彼が生還すると隊長の有り金を奪って逃走。
絵に描いたようなクズであって、何一つ救われない人物として本作での悪役を引き受けました。
・アンドリュー・ヘンリー(演:ドナルド・グリーソン)
部隊のリーダー。何度もグラスに命を救われている恩を感じている。医療の心得がある。
ドナルド・グリーソンはブレンダン・グリーソンの息子であり、映画の他に舞台ではトニー賞にノミネートされています。
すべての判断をグラスに委ねているが、瀕死状態となった彼に敬意を表しつつも部隊の人命を優先して仕方なく置いていく。
フィッツジェラルドが悪事を働いたと知り、真っ先に捕まえに行く点で隊長らしい人物だったと思います。
・ジム・ブリジャー(演:ウィル・ポールター)
グラスを慕う若者ハンター。隊の中で浮いているホークを友人と思う数少ない人物。
ウィル・ポールターは『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』、『メイズ・ランナー』で知られています。
グラスを最後まで看取る約束をするも、フィッツジェラルドに騙されて後悔を抱いたまま置き去りにしてしまう。
結局は生還したグラスの証言で彼の罪は軽くなるけど、慕っている設定が軽く感じる。
・ホーク・グラス(演:フォレスト・グッドラック)
グラスの息子。母親はポーニー族でグラスとともにいるが、隊の中では信頼されていない。
フォレスト・グッドラックは本作が映画デビュー作となっています。
瀕死状態でも最後まで付き添うも、フィッツジェラルドの凶行で命を落としてしまう。
感想
個人的な評価
実在した人物、ヒュー・グラスの過酷なサバイバルを実写映画化した作品。
監督には『バードマン/あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でアカデミー賞に輝いたアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥが務めています。
とにかく、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督はアカデミー賞と相性が良く、作品数は少ないがノミネートと受賞が多い。
本作では徹底した“こだわり”で製作され、スタッフや出演者も過酷な撮影となっています。
特にこだわったマジックアワーと呼ばれる1日1時間半に現れる黄昏時での撮影が印象的。
その中で主人公のヒュー・グラスを演じたレオナルド・ディカプリオの迫真の演技が最初から最後まで光っていました。
これまで5度もアカデミー賞にノミネートされたが、いずれも受賞を逃しています。
本作でついにレオナルド・ディカプリオが主演男優賞を受賞しているが、それだけの説得力があった演技力でした。
とにかく、セリフはあまりなく、ほとんどがしゃべらない難しい演技を要求されている。
それに限らず、作品のリアリティを追求した過酷な環境、時には生肉すら食べるような状況も最後までこなしています。
その負荷をほとんどレオナルド・ディカプリオが請け負っているので、彼の役者魂が窺える作品となっています。
映像にしてもリアリティを追求していて、グラスがハイイログマに襲われるシーンは本当に襲われているのかと思うほどリアルです。
多分、あれはCGだろうと思われるが、動きのすべてがまるで本物にしか見えない。
監督のこだわりが伝わる作品であり、それを再現したレオナルド・ディカプリオの演技力は強烈なインパクトを与えてくれます。
ただ、エンターテイメント性としてはあまりなく、目を背けたくなるようなシーンも何度かあります。
ここら辺はアカデミー受賞作らしい雰囲気と言えるので、純粋に楽しめる作品ではなく、世界観と背景、それに出演者の演技力を楽しむ作品となっています。