デッド寿司 VD-397

作品紹介

公開年月  2013/01/19
ジャンル  ホラー/コメディ
原作  なし
監督  井口昇
脚本  井口昇
製作  永田素久、坂井洋一、ほか
製作国  日本
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

伝説の寿司職人を父に持つケイコは、幼い頃から厳しい寿司修行から反発し、とある温泉旅館の中居として働いていた。
ある日、そこに製薬会社の団体客がやって来ると、彼らに復讐を抱く男・山田が旅館の寿司に殺戮生物“デッド寿司”に変えてしまう。
宿泊客たちはデッド寿司に襲われる中、寿司修行でカンフーを叩き込まれたケイコは勇敢に立ち向かうのだった。

登場人物&出演者

ケイコ(演:武田梨奈)
主人公。伝説の寿司職人を父に持つ。小さい頃から寿司もカンフーの厳しい修行をしていた。
武田梨奈は代表作に『ハイキック・ガール』、『KG/カラテガール』などがあります。
才能がないと父親に言われ、家を飛び出して「刈乃湯ホテル」で中居として働いている。
土田の適当な握り寿司に文句を言って、グルメを自称した社長たちに間違いを主張していた。
寿司が狂暴化して旅館を飛び回ると、澤田と協力してみんなを助けようと奮闘していた。
最後はマグロと化した山田を倒し、実家へ帰って成長した姿に父親が認めて寿司を握る。

澤田(演:松崎しげる)
「刈乃湯ホテル」の従業員。20年間も務めており、現在は雑用だが以前は板長をしていた。
松崎しげるは代表作に『その後の仁義なき戦い』、『猫侍/南の島へ行く』などがあります。
お客さんとトラブルになって、包丁で暴れていた時に妻を刺してしまい、トラウマを抱える。
失敗したケイコの手を見て、職人の才能があるとして、落ち込んでいたところを励ました。
山田に捕まってしまい、ケイコに助け出され、みんなを修行していた小屋に連れ出した。
最後は声で寿司たちを黙らせ、再び料理ができるようになってケイコに寿司を食べさせた。

花巻由美(演:亜沙美)
「刈乃湯ホテル」の女将。元々はヤンキーで夫が尽力して女将となって旅館を必死に守る。
亜沙美は近年の出演作に『ツングースカ・バタフライ/サキとマリの物語』、『スモーキング・エイリアンズ』などがあります。
ケイコが失敗してしまうと、夫とともに注意していたが、そのせいで少し疲れてしまう。
実は板長の土田と浮気をしていて、夫がいない間に濃厚すぎる独特なキスを交わしていた。
社長のご機嫌取りに女体盛りを中居たちにやらせるが、狂暴化した寿司を偶然食べてしまう。
最後は狂暴化する直前に夫へ謝罪して許されると、そのまま噛んで一緒にケイコを襲った。

花巻(演:仁科貴)
「刈乃湯ホテル」の主人。100年続く老舗の旅館で親から受け継ぐ。キレると関西弁になる。
仁科貴は代表作に『アキレスと亀』、『ジョン・ラーベ/南京のシンドラー』などがあります。
ケイコが客の社長たちに失礼を働くと、顔を真っ赤にしてすぐ謝って罰を与えようとする。
山田が社長を襲っていた時、父親から託された拳銃を背後から発砲してあっさりと殺害する。
旅館が狂暴化した寿司で危険になると、感染した妻を澤田の修行しま小屋に連れて行く。
最後は妻の浮気を許し、狂暴化した彼女に自ら噛まれて感染してケイコを襲ってしまう。

土田(演:津田寛治)
「刈乃湯ホテル」の板長。寿司が評判で調子に乗っている。女将の由美と浮気している。
津田寛治は近年の出演作に『HOKUSAI』、『MISSION IN B.A.C. THE MOVIE』がある。
社長たちがバカ舌だとすぐに見抜くと、適当な寿司ネタと握り方をして満足させていた。
それを見ていたケイコに言われてしまい、プライドを傷つけられて襲いかかるが返り討ちに。
社長たちに女体盛りを提供するが、狂暴化した寿司に失明されて包丁を振りましていた。
最後は包丁でなぜか鼻と唇を自分で削ぎ落としてしまい、みんなの前で苦しみながら死んだ。

野坂(演:須賀貴匡)
製薬会社の幹部。イケメンで仕事ができ、唯一社長や社員に対して意見や主張している。
須賀貴匡は代表作に『魁!!/クロマティ高校THE★MOVIE』、『天国からのラブレター』などがあります。
社長のご機嫌を取る秘書のやり方にケチをつけ、他の社員とは違うというところ見せる。
失敗したケイコの持つ強さをすぐに見抜き、セクハラを働く社長に堂々と非難していた。
山田を警察に手引きした裏の顔を持ち、実際は野心家でずっと社長の座を狙っていた。
最後はカップラーメンも感染していて、それを食べたせいで頬が破裂してカッコ悪く死亡。

小松社長(演:手塚とおる)
製薬会社の社長。自称グルメ。社員たちがなぜかチンピラの風体でヤクザのように振る舞う。
手塚とおるは代表作に『20世紀少年』シリーズ、『シン・ゴジラ』などがあります。
秘書に勧められ寿司を堪能するが、土田の適当な材料と調理に気付かずケイコに言われる。
ご機嫌取りに女将たちに女体盛りを要求して、中居たちを並べて社員たちと楽しんだ。
狂暴化した寿司に追われるが、社長の座を狙う野坂に裏切られて山田に襲われるも逃げた。
最後は風呂で体を洗っていた女を覗き見していて、やって来たマグロ化した山田に殺された。

山田(演:島津健太郎)
ホームレスの男。旅館で捨てられた寿司を拾って勝手に食いながらキスするカップルを見る。
島津健太郎は近年の出演作に『日本極道戦争』シリーズ、『CONFLIT』シリーズがあります。
実は製薬会社で死んだ動物を蘇生する薬の研究し、完成するも副作用で狂暴化すると知る。
そのせいで社長と野坂に危険な薬を作ったとして、警察に逮捕された人生が台無しに。
復讐に寿司を狂暴化させ、撃たれて倒れるが、感染した寿司を食った事で体がマグロ化。
最後はケイコを殺そうとするが、覚醒されて空へ蹴り飛ばされると、軍艦巻きと爆死した。

感想

個人的な評価

本作は『ファンタジスア国際映画祭』など世界各国でプレミア上映された作品となります。
更に『トロント・アフターダーク映画祭』では観客賞銀賞など、4部門で受賞しています。
『片腕マシンガール』や『ゾンビアス』などで知られる井口昇監督の愛すべきバカ映画。
インディーズの邦画を支えている人物と言っても過言じゃないぐらい突飛なアイデア、バカバカしさを惜しまず、隙あらば雑なエロを入れてくるこだわりの人でもある。
そんな本作はタイトルからぶっ飛んでいて、もちろん、内容もバカバカしさを極めており、疑問に思ったら負けなシーンがいくつも用意されています。
中途半端な事をせず、とことん突き抜けたバカバカしさは称賛に値すると思います。
主演の武田梨奈は空手有段者であり、本作では本格的なアクションをやっているギャップもまた面白さを引き出しています。
インディーズでは常連の島津健太郎を悪役に置き、津田寛治や亜沙美がしっかりと脇を固めてくれています。
特に亜沙美が魅せる変顔はインパクト大で、もうそれだけでも楽しめるのは素晴らしい。
被り物も得意な井口昇監督だからこそ、悪役の頭がマグロになってもクォリティが意外にも高くて殺人鬼にしても面白いかもしれない。
ただ、さすがにバカなネタが多すぎて途中から胸焼けみたいな感じになってしまいます。
ですが、それすらニヤニヤしながら鑑賞できる点でも楽しまそうとする心意気が伝わる。
邦画はメジャーな作品よりも、こういうバカみたいなインディーズの方が面白いし、大人の事情があまり絡まないから多大な可能性を持っていると思います。
本作はまさにバカ映画の見本とも言える作品であり、井口昇監督の良さがしっかりと出ていた良作でした。