ガーディアンズ RE-2802

作品紹介

公開年月  2018/01/20
ジャンル  SF/アクション
原作  なし
監督  サリク・アンドレアシアン
脚本  アンドレイ・ガヴリロフ
製作  アレクセイ・リャザンツェフ、ウラジミール・ポリャコフ、ほか
製作国  ロシア
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

冷戦下のソ連、違法な遺伝子操作で特殊能力を持つ兵士を生み出す“パトリオット計画”が進行し、超人部隊が生み出されようとした。
だが、名声の為に組織の科学者クラトフの裏切りで研究所が爆破され、超人たちも姿を消してしまう。
50年後、自らも強大な力を持つ超人となったクラトフがロシアを崩壊させようとした時、パトリオットはかつての超人たちを見つけ、国家の危機を防ごうとするのだった。

登場人物&出演者

レア(演:セバスティアン・シサク)
アルメニアの田舎で羊飼いとして世捨て人として暮らしていた。岩石を自在に操る超人。
セバスティアン・シサクは代表作に『孤独の暗殺者/スナイパー』、『Earthquake』がある。
ラーリナが最初にガーディアンズへスカウトし、クラトフへの復讐ができるとして参加。
クラトフとの戦いでクローン兵を倒すが、直接対決で歯が立たず重傷を負ってしまう。
他のメンバーと同じく年をまったく取らない為、老いて亡くなった娘の事をラーリナに話す。
最後はクラトフの暴走を止めるべく出動し、彼を倒す伝達エネルギー砲の砲手となって倒す。

ハン(演:サンジャル・マディ)
カザフスタンの辺境地で悪人を倒していた。光束の超人で二振りの曲刀を自在に操る。
サンジャル・マディは代表作に『ザ・ファントム』、『Obratnaya storona』があります。
ガーディアンズに誘われる時、武装していた悪人たちを一人で次々と倒していた。
自身の兄こそが目指すべき目標でありながら、彼の影に過ぎないとして劣等感を持っていた。
クラトフと出会って超人となって兄に挑んだが、理性を失った殺した過去を持っている。
最後はスピードがクラトフに通じずメンバーを避難させ、伝達エネルギー砲で破壊を止めた。

アルスス(演:アントン・パンプーシュニー)
シベリアの奥地にある密林で何かの研究をしていた。体を熊の獣人へ変化させられる超人。
アントン・パンプーシュニーは代表作に『アレクサンドル/ネヴァ大戦』、『Der 7. Tag』などがあります。
ガーディアンズに誘うべくやって来たラーリナの部隊を蹴散らし、ハンを見て抵抗を止める。
実は科学者でクラフトの実験で獣人に改造され、変身の度に元へ戻るのが難しくなっている。
過去にクセニアと恋人関係にあって、8年前に彼女を見つけるも記憶が戻らず遠くで見守る。
最後はリスクを承知で完全に獣へ変身して戦い、伝達エネルギー砲でクラトフを止めた。

クセニア(演:アリーナ・ラニナ)
モスクワのサーカスショーで能力を使って暮らしている。透明化と温度への耐性を持つ超人。
アリーナ・ラニナは本作が長編映画デビュー作となります。
ガーディアンズへ誘うハンに攻撃を加え、後から来たレアに対しても抹殺しようとする。
実は他のメンバーと違い記憶が戻らず、自分が何者か分からないまま40年も孤独に過ごした。
ガーディアンズに加わる事で記憶が戻ると分かると、協力を依頼したラーリナに承諾した。
最後はクラトフを守る磁気シールドを破壊する為に身を挺し、伝達エネルギー砲で勝利する。

エレーナ・ラーリナ(演:ヴァレリア・シュキランド)
パトリオット計画の指揮官に任命される。暴走するクラトフを止めるべく超人を集める。
ヴァレリア・シュキランドは代表作に『バタリオン/ロシア婦人決死隊 vs ドイツ軍』、『All That Jam』などがあります。
各地に潜んでいたガーディアンズのメンバーを集めるべく、自ら部隊を率いて勧誘する。
最初にリーダー的存在のレアを誘い、一度は断れるもクラトフへの復讐ができるとして説得。
暴走するクラトフを止めるべくガーディアンズに協力し、彼らの悩みについても聞いていた。
最後はドブロヌラーヴォフ博士からガーディアンズの切り札を教え、クラトフを倒した。

ヴィクトル・ドブロヌラーヴォフ(演:アレクサンドル・コミサロフ)
50年前にソ連が行った『パトリオット計画』で超人を造り出す遺伝子操作部門の責任者。
アレクサンドル・コミサロフは代表作に『オーケストラ!』、『Spy』などがあります。
モジュール1の失敗を重ねていたクラトフと違い、実験に成功して超人を生み出す事に成功。
50年の歳月が過ぎてクラトフの暴走を知り、自らパトリオット計画を進める本部に来る。
クラトフにより重傷を負ってしまったレアを治療し、その際に彼らの持つ秘密を知る事に。
最後はクラトフに研究所を破壊されるが、ラーリナにガーディアンズの切り札を教えた。

ニコライ・ドルゴフ(演:ヴィチェスラフ・ラズベガエフ)
ロシア軍の将軍。50年ぶりに現れたクラトフの暴走を知ってガーディアンズの招集をする。
ヴィチェスラフ・ラズベガエフは代表作に『奪還2』、『キル・オア・ダイ/究極のデス・ゲーム』などがあります。
モスクワを破壊して乗っ取るクラトフの猛攻にガーディアンズの指揮をラーリナに任せる。
実は裏でクラトフと繋がっていて、何かの取引でガーディアンズの招集をしていた。
最後はモスクワが破壊されて約束と違うとして訴えるが、呆気なくその場で殺されてしまう。

アウグスト・クラトフ(演:スタニスラフ・シリン)
50年前にソ連が行った『パトリオット計画』で機械を遠隔操作する革新技術部門の責任者。
スタニスラフ・シリンは代表作に『Vse o muzhchinakh』などがあります。
モジュール1の失敗で追いつめられ、ドブロヌラーヴォフの遺伝子研究を盗み出してしまう。
その結果、勝手な人体実験で多くの犠牲者を出し、銃殺刑を言い渡されるも超人と化す。
自分こそが世界を支配するのに相応しいと考え、ガーディアンズも仲間に加えようとする。
最後は一度ガーディアンズを退けるが、恐れていた伝達エネルギー砲を食らって姿を消した。

感想

個人的な評価

本作はマーベルやDCが席巻するスーパーヒーロー映画に殴り込みをかけたロシア製の作品となっています。
当然のようにロシア本国では興行収入初登場一位を記録しているヒット作となります。
ロシア産の映画というのは独特な雰囲気を持っていて、主な特徴として静かな派手さを持っている事が非常に多いです。
ハリウッドのように派手な爆破シーンはあるけど、爆音で圧倒するよりも映像に集中させる演出が特徴的です。
そんな本作はスーパーヒーローを描いた作品ですが、全体的に派手であるが、ロシア映画の特徴である静けさも同居しています。
タイトルで本作にて登場する“ガーディアンズ”のメンバーの能力は、スーパーヒーロー映画を観ている人間なら既視感があると思います。
岩石を操る能力、光速で動く能力、獣人へ変身する能力、透明になる能力など、マーベルやDCには多くいる能力である。
しかし、本作のオリジナリティとなるのは過去にあったアメリカとソ連の冷戦を発端にした超人兵士計画となります。
遺伝子改造によって超人たちが生まれるけど、それを生み出した科学者も自ら変化し、ずっと世界征服を計画していたという王道的な展開である。
個々の能力は確かに魅力的であるが、他に彼らは一切年を取らなくなって、周囲に順応できず孤独に生きている点でしょう。
メンバーが背負っている辛い過去もあって、老いて死にゆく娘を見たり、理性がぶっ飛んで兄を殺したり、変身で元に戻るのが難しくなったり、記憶がなくなって自分が何者か分からなくなったりと悩みを抱える。
このように本作のスーパーヒーローのメンバーにはリスクを伴った背景があって、マーベルやDCとは少し違った一面を見せています。
本作のやりたい事は充分に伝わりますし、ハリウッドに負けないほどの高いクオリティのCG映像もあって見応えは充分でした。
ただ、大きな問題として物語やキャラクターが表面的で深みがまったくない点だと思う。
一見して派手な物語であるが、やっている事がダイジェストのようなエピソードを淡々と見せているだけで深みがまったくありません。
その証拠にガーディアンズのメンバーに対する掘り下げが甘く、何より彼らと指揮官であるラーリナとの関係性もあまり描写されていません。
それなのにラーリナを完全に信用していて、ガーディアンズを招集した将軍の裏切りもあっさりと扱うなど少し雑なところがありました。
ですが、本作から続編を期待させるような終わり方ですので、次回作こそキャラクターの掘り下げをすれば間違えなくマーベルやDCに対抗できるシリーズになります。
それぐらいの可能性を持った作品であり、続編次第では世界的な大ヒットもできるだけに次回作に相当の期待をさせる作品でした。