シャドウワールド RE-3112

作品紹介

公開年月  2019/03/21
ジャンル  アクション/ホラー
原作  なし
監督  ティアゴ・メスキッタ
脚本  マーク・モーガン
製作  ロス・オッターマン
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

2022年、EUは崩壊し新たにEF(欧州連邦)が誕生し、初代大統領選挙の最中にシャーマン暫定大統領の側近が何者かに殺された。
大統領夫人のパトリシアは、女性私立探偵のクリスティにシャーマンの警護を依頼する。
その裏では歴史の陰で闇の世界に潜んでいた二つの血族、狼男族とヴァンパイア族の暗躍が明らかになっていくのだった。

登場人物&出演者

クリスティ(演:シャーロット・ベケット)
私立探偵。狼人間族。叔父のハリーが同族に殺され、パトリシアの依頼と併せて捜査を開始。
シャーロット・ベケットは代表作に『Mercenaries』、『ゲティ家の身代金』があります。
小さい頃からハリーから狼人間族の内なる野性を警告されるが、酔っぱらって自制をなくす。
独自に犯人探しと黒幕を突き止めようとするが、なかなか真相が分からず振り回される。
刑事であるバスティアンと肉体関係を持ち、探偵として情報交換して黒幕をようやく知る。
最後はパトリシアに罪をなすり付けられて刑務所に入るが、出所した際に復讐を誓った。

バスティアン刑事(演:オリヴィエ・エングルベルト)
マクレガー警部補の部下。人間。マクレガーとは違ってなぜかクリスティと肉体関係を持つ。
オリヴィエ・エングルベルトは代表作に『The Comic Adventures of Max and Leon』などがあります。
一向に捜査が進まなかったが、クリスティの情報をもらって犯人に一歩近づいていく。
最後はなぜかランドルを始末し、逃げたエドルマンをクリスティとマクレガーに知らせた。

マクレガー警部補(演:ジャンニ・カッパルディ)
ハリーが殺された原因の調査をする。人間。シャーマン陣営から早急な究明を求められる。
ジャンニ・カッパルディは代表作に『アウトレイジ・ギャング』、『レイジング・コップス』などがあります。
捜査をしても一向に犯人が分からず、イラついてバスティアンに厳しい言葉を浴びせる。
殺人現場にいつも来ているクリスティにも不満をぶつけて、捜査妨害だと罵っていた。
フレデリックスの指示で暗殺されそうになるが、クリスティのおかげで免れて協力する事に。
最後はクリスティを手助けするが、パトリシアに噛まれて吸血鬼族にされてしまう。

フランク(演:オリヴィエ・ボンジュール)
狼人間族。バーを経営している。クリスティは顔馴染みで奥さんには尻を敷かれている。
オリヴィエ・ボンジュールは代表作に『ヒットマンズ・レクイエム』、『アナザー』がある。
ハリーについても良く知っていて、悲しんでいたクリスティの為に店で一杯を彼に捧げた。
ランドルも店の顔馴染みで同族殺しをしている事実に時代の移り変わりに嘆いていた。
クリスティがランドルの仲間を探し出し、油断していた彼女を助けて代わりに殺してくれた。
最後は狼人間族と吸血鬼族が政治を支配する事実を知ったマクレガーに酒を提供していた。

エドルマン(演:ジャン=ミシェル・ヴォフ)
実業家で大富豪。狼人間族。ランドルに大金を渡し、キルボーン大使に情報を渡していた。
ジャン=ミシェル・ヴォフは代表作に『Diamant 13』、『Fractal』などがあります。
マシュー副大統領に紹介される形でシャーマン暫定大統領と会い、協力を求められる事に。
シャーマン暫定大統領に大統領選で負けるように提案し、裏で金銭を渡す取引を持ちかける。
ハリーを殺した黒幕だとクリスティに脅迫されるが、あくまで誰も殺していないという。
最後はシャーマン暗殺でなぜか逃げ出し、クリスティからも逃れるも黒幕に殺されてしまう。

ランドル・ジャクソン(演:ローラン・レセイン)
狼人間族。シャーマン暫定大統領のブレーンであった同族のハリーを大金で殺している。
ローラン・レセインは本作が長編映画デビュー作となります。
同族殺しをしても一切の気負いをせず、手に入れた大金を仲間と分けて次の仕事をする。
フレデリックスの命令によってクリスティとマクレガーの暗殺を企てるも失敗してしまう。
最後はシャーマンの暗殺に成功するが、そこに来たバスティアン刑事に呆気なく殺された。

マシュー副大統領(演:バリー・ジェイ・ミノフ)
シャーマン暫定大統領とは政党が違う。人間。会議に夫人を参加させる事に不満を持つ。
バリー・ジェイ・ミノフは代表作に『Death House』、『ダークサイド』などがあります。
政策の中心になっている無性エネルギー計画にも不満を持ち、大統領に意見をしていた。
出しゃばるパトリシアに直接無償エネルギー計画を取りやめるように訴えるも無視される。
実はパトリシアが黒幕だと知っていて、彼女が大統領になるまで素直に従っていた。
最後はパトリシアが大統領になって地位が安泰と安心するが、彼女の刺客に殺されてしまう。

ハリー・ゴールドストーン(演:ジョン・フランダース)
シャーマン暫定大統領傘下の選挙対策委員長。狼人間族。クリスティの叔父で何かと教えた。
ジョン・フランダースは代表作に『その男ヴァン・ダム』、『ムーン・ウォーカーズ』などがあります。
シャーマン暫定大統領にとってブレーンであって、暗殺された事で劣勢立たされてしまう。
最後は黒幕がパトリシアと判明すると、最初から邪魔者扱いでついでに暗殺されていた。

シャーマン暫定大統領(演:クリストフェル・ヴェルドンク)
欧州連邦の暫定大統領に就任している。吸血鬼族。正式な大統領選に向けて準備をしていた。
クリストフェル・ヴェルドンクは代表作に『Vele Hemels』などがあります。
片腕である選対委員長のハリーが何者かに殺され、ライバルのキルボーン大使に逆転される。
会議には常に妻のパトリシアを同席させるが、批判を受けると逆に当事者を責めていた。
最後はキルボーン大使に劣勢となり、暗躍していた妻のパトリシアにより暗殺されてしまう。

パトリシア(演:リンジー・ローハン)
大統領夫人。吸血鬼族。夫が狼人間族だと知りながらも結婚して影となって支えている。
リンジー・ローハンは代表作に『フォーチュン・クッキー』、『マチェーテ』があります。
ハリー選対委員長が何者か殺されると、今度は夫だと分かってクリスティに捜査を依頼する。
夫の会議にも参加して政治に口出しするが、かなり有能で他の政治家を黙らせている。
結局、夫が暗殺されてしまうと大統領選に立候補して、見事に欧州連邦の新大統領となる。
最後はすべての陰謀の黒幕だとクリスティに告白し、彼女に罪を被せて事実を闇に葬る。

感想

個人的な評価

本作はWOWOWにて放映され、その時の邦題は『シャドウ・リベンジ』となっていました。
アメリカの作品ながら撮影されたのはベルギーで、ヨーロッパ独特な雰囲気を出しています。
タイトルとジャケットから分かるように、本作は大ヒットした『アンダーワールド』シリーズを連想させる作品となります。
一応、原題は本家と差別化を図っていますが、残念ながらテーマはまったく同じになります。
裏の世界で狼男族とヴァンパイア族の争いが起きていて、お互いに生き残りをかけて表の世界を動かしている。
という設定を期待していましたが、実はもう少し穏やかで両者ともに争っておらず、あくまで政治的な背景を戦いの場にしています。
つまり、本作は分かりやすい内容じゃなくて、良くある単純なモノをワザと複雑な仕組みに見せるクソみたいな演出がてんこ盛りな展開である。
アルバトロスが配給元なのでジャケットのようなシーンはないだろうと思っていたが、予想を大きく上回るクソみたいな展開で途中で何度も意識が飛びました。
改めて鑑賞しても意味が分からず、何より内容が頭に入ってこない構成で、逆にここまで退屈な作品を作れるのかと感心しました。
せっかく『アンダーワールド』を意識しているのに、ここまでつまらない作品に仕上がっている点でも褒めたいぐらいハズしています。
主人公の独白がナレーションで入ってくるけど、それをやりたいならワザワザ映像化する意味がないし、肝心の内容がまったくないのは政治家に対する皮肉だろうか。
政治家自体は優れた政治手腕よりも、演説がウマイだけで中身がない場合が多く、本作はそれを体現しているならば素晴らしいと思います。
さすがに製作側も政治や陰謀の話しだけだと迫力がないからって、強引なアクションやお色気シーンを挟んでくるが、こちらもカメラワークがクソすぎて観る気が失せる。
とにかく、本作は観ている側に立って作っておらず、自分たちが描きたいモノをただ自己満足で描いているだけで終わっています。
本作は久々に楽しめるようなクソ映画じゃなくて、ゴミ映画としてネタにもできないような退屈で面白くない作品でした。