ロッキー2 RE-288

作品紹介

公開年月  1979/06/15
ジャンル  スポーツ/ドラマ
原作  なし
監督  シルヴェスター・スタローン
脚本  シルヴェスター・スタローン
製作  アーウィン・ウィンクラー、ロバート・チャートフ
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

アポロとの死闘の後、ロッキーは恋人エイドリアンと結婚し、やがて妊娠する。
エイドリアンの為に二度とボクシングをしないと身を引いたロッキーだったが、生来の不器用さで報われない日々を送っていた。
そんな中、世間のバッシングを受けていた無敗のチャンピオン・アポロは執拗にロッキーへの再戦を猛アピールしていた。
エイドリアンの願いもあって、再びロッキーはリングに戻る為に猛特訓を始めるのだった。

登場人物&出演者

ロッキー・バルボア(演:シルヴェスター・スタローン)
エイドリアン(演:タリア・シャイア)
ミッキー(演:バージェス・メレディス)
ポーリー(演:バート・ヤング)
アポロ・クリード(演:カール・ウェザース)

感想

個人的な評価

この作品はシルヴェスター・スタローンの主演と脚本で世界的に大ヒットした前作の続編。
もちろん、本作の主人公であるロッキー・バルボアを演じるのはシルヴェスター・スタローンですね。
前作では製作側の主張を退け、かなり譲歩した形で見事にシルヴェスター・スタローンはヒットさせた。
これで一気にスターダムにのし上がったシルヴェスター・スタローンを20世紀最大の奇跡と呼ばれたぐらいです。
そんなシルヴェスター・スタローンは前作監督を務めたジョン・G・アヴィルドセンに代わってメガホンを取っている。
つまり、シルヴェスター・スタローンは主演と脚本に加え、監督という三役を務めている。
だが、本作からはどうしても第一作を超える事ができなくなってしまったのですね。
これはシリーズ化する作品のマンネリと、主人公のロッキー・バルボアの変移が影響してしまっている。
さて、本作は前作のロッキー対アポロのハイライト形式のクライマックスから始まる。
あの有名なBGMから始まり、最後はリング内で恋人エイドリアンのシーンが繰り返されます。
これだけを観てもすぐにでも感動できるぐらい、強烈で上手いシーンだったと改めて思わせてくれました。
そんなロッキーはアポロとの壮絶な試合で有名になり、CMまで引き受けるぐらい生活が一変しています。
環境が変わり金が手に入ったロッキーはすっかりと浮かれてしまい、車や家まで買ってしまうという状態になります。
だけど、これは全て愛するエイドリアンの為であり、決してロッキー自身の欲望からやったモノではない。
元々はプアーホワイト(白人貧困層)という社会背景からロッキー・バルボアは誕生していて、その理由は黒人への優遇措置の鬱憤が爆発した結果という。
それしても、前作よりもロッキーという人物は実に人間的な部分が増している。
よくしゃべるけど、ほとんど内容に意味がなく、気取らない性格も等身大の人間として好感が持てる。
ボクサーに必要な闘士はあまり感じられないが、心の底からボクシングが好きだと分かる。
これは現代のボクシング漫画である『はじめの一歩』と同じ主人公設定とも言えますね。
一度はボクシングから引退したロッキーだが、中卒の彼を雇いところがなく、結局ボクシングをするしかなかった。
それは勝利したけど内容では負けたと言われたアポロ・クリードの存在が大きい。
試合が終わって時間が経過してもアポロの熱烈な挑発に乗らなかったロッキーでも、経済的に厳しい状況では仕方ない。
それにしても、アポロを演じるカール・ウェザースはさすがに運動能力が高いですね。
元NFL選手だっただけに前作も然り、本作でも充分に高い運動能力を垣間見る事ができる。
で、本作のヒロインでロッキーの恋人で結婚したエイドリアンは本作で更にキャラクターの磨きがかかっている。
これはロッキーと同様に、演じるタリア・シャイアもエイドリアンという女性を理解している証拠です。
人見知りな女性から恋する女性への変身は良かったけど、本作における夫を心配する控え目な妻も見事でした。
そんなエイドリアンは妊娠しロッキーの子供を宿すが、過度のストレスで早産してしまう。
人間臭いロッキーはベッドの上で昏睡状態のエイドリアンを見て涙を流すけど、ここの場面をもっと大事にして欲しかったですね。
案外あっさりと流してしまったせいで、ちょっとばかりもったいないと感じてしまった。
最後に忘れちゃいけないのは、ロッキーにボクシングを教えたジムの経営者であるミッキーを演じるバージェス・メレディス。
前作ではあまり出番はなかったけど、本作ではかなり出番が増え、腑抜けとなっていたロッキーを奮い立たせる。
厳しいトレーナーで口が悪いが、これも『はじめの一歩』でジムの会長とセコンドを務める鴨川源二に通じますね。
確かに前作と比べると全てに置いてパワーダウンしているけど、実に惜しい作品だと思う。
いい場面があるけど、撮り方が下手なので実にもったいないと思ってしまいました。
シルヴェスター・スタローンじゃなく、もっと腕のある監督が撮っていたならば、本作も前作に負けない名作になっていたと思います。
それでも本作はロッキーとエイドリアンのドラマに焦点が絞っており、ファンとしては楽しめる作品だと思います。
シリーズとしても悪くない出来だと思いますよ。