ヘルボーイ/2019年版 RE-337

作品紹介

公開年月  2019/04/12
ジャンル  アクション/ホラー/ファンタジー
原作  マイク・ミニョーラ 『ヘルボーイ』
監督  ニール・マーシャル
脚本  アンドリュー・コスビー、マイク・ミニョーラ
製作  ローレンス・ゴードン、ロイド・レヴィン、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

地獄生まれの悪魔の子であるヘルボーイは、ブルーム教授に育てられ、今や超常現象調査防衛局(B.P.R.D.)のエースとして魔物退治に奔走している。
そんな中、“ブラッドクイーン”こと最強の魔女ニムエが封印を解かれ、1500年ぶりの眠りから目を覚ましてしまう。
人類への復讐に燃えるニムエは人間界に魔物を解き放ち、地上を地獄に変えてしまう計画を実行に移そうとするのだった。

登場人物&出演者

ヘルボーイ/アヌン・ウン・ラーマ(演:デヴィッド・ハーパー)
主人公。地獄生まれの悪魔。ブルーム教授に育てられ、人間側のヒーローとして活躍する。
デヴィッド・ハーパーは代表作に『エンド・オブ・ウィッチ』、『イコライザー』がある。
同胞たちを殲滅していくが、オシリス・クラブたちの不意打ちで人間への不信感を持つ。
そこにニムエの誘惑を聞いてしまうと、ブルーム教授たちの考えに反対して勝手に行動する。
毒に冒されたアリスを助け出し、アーサー王の末裔だと聞かされ、立ち位置に迷ってしまう。
最後はブルーム教授の言葉で目を覚まし、ニムエを倒し、再び人間を助けるヒーローになる。

トレヴァー・“ブルーム”・ブルッテンホルム教授(演:イアン・マクシェーン)
超常現象調査防衛局の創設者。ヘルボーイを引き取り、彼の中にある善の心を育てていた。
イアン・マクシェーンは代表作に『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』、『ジョン・ウィック』シリーズなどがあります。
ヘルボーイが世界を終わらせる存在だと知りながらも、人間の男として立派に育て上げる。
オシリス・クラブのメンバーとかつて巨人狩りをしていて、交霊術により年を取らなくなる。
同胞たちを殲滅する事に納得できないヘルボーイに怒鳴られるが、それでも彼を信じている。
最後はニムエに殺されるが、アリスの霊媒で誘惑されたヘルボーイの善なる心を呼び起こす。

アリス・モナハン(演:サッシャ・レイン)
優秀な霊能者。霊体を口から出すエクトプラズムにより、死者の言葉を周囲の人間に伝える。
サッシャ・レインは代表作に『アメリカン・ハニー』、『ハーツ・ビート・ラウド/たびだちのうた』などがあります。
過去にグルアガッハと取り替えられるが、ヘルボーイのおかげで助け出された恩がある。
オシリス・クラブから重傷を負ったヘルボーイを助け出し、ニムエを倒す任務に付いていく。
妖精にさらわれた事で霊能力の他に、殴る事で魂を吹き飛ばす物理的な能力も備えている。
最後はニムエの毒にやられるも助けられ、その後はヘルボーイたちと一緒に各地で活躍する。

ベン・ダイミョウ少佐(演:ダニエル・デイ・キム)
M-11特殊部隊の隊長。ヘルボーイの為にブルーム教授が呼ばれ、一緒に行動させられる。
ダニエル・デイ・キムは代表作に『ジャッカル』、『ダイバージェント』シリーズがある。
その真意は世界を終わらせる存在のヘルボーイを監視し、必要な時はトドメを刺す事になる。
過去にベリーズの森林で怪物退治に向かうが、一人だけ生き残り、ジャガーの呪いを受ける。
怒りの感情が引き金となって変身するが、薬を体内に注入する事によって抑制をしていた。
最後は変身してヘルボーイとグルアガッハと戦い、その後は仲間として各地で活躍する。

ロブスター・ジョンソン(演:トーマス・ヘイデン・チャーチ)
戦時中に活躍した伝説的なクライムファイター。相手の額にロブスターの焼き印を残す。
トーマス・ヘイデン・チャーチは代表作に『サイドウェイ』、『スパイダーマン3』がある。
ナチス・ドイツとラスプーチンが儀式を行っていた時、連合軍とともに阻止をしていた。
ラスプーチンの額にロブスターの焼き印を残し、見事にナチス・ドイツの野望を打ち砕く。
最後は幽霊としてヘルボーイの前に現れ、いつまでも悲しんでいる彼を立ち上がらせた。

レディ・エリザベス・ハットン(演:ソフィー・オコネドー)
オシリス・クラブのメンバー。盲目ながら予言する能力を持つ。交霊術により年を取らない。
ソフィー・オコネドーは代表作に『ホテル・ルワンダ』、『イーオン・フラックス』がある。
脱走した巨人を捕縛する手伝いに来たヘルボーイを迎え、彼こそが最大の悪だと話していた。
ナチス・ドイツとラスプーチンにより、地獄から召喚されたとヘルボーイに真実を説明した。
以前から予言していたヘルボーイの危険性を認識し、仲間に彼を殺すべきだと助言していた。
最後はグルアガッハに殺されるが、アリスの霊媒でニムエが復活する警告をして消滅した。

バーバ・ヤーガ(声:エマ・テイト)
ロシアの魔女。過去にヘルボーイと戦い、そのせいで片眼と異次元に封印されてしまう。
エマ・テイトは代表作に『マウス・タウン/ロディとリタの大冒険』、『映画ひつじのショーン』シリーズなどがあります。
異次元からグルアガッハに接触して、ニムエを復活させるように促していた黒幕として登場。
ヘルボーイがニムエの居場所を聞きに来ると、最初は穏やかに接するも怨みを再燃させる。
片眼をもらう条件にニムエの居場所を教えるが、すぐに渡さないヘルボーイと戦うも勝てず。
最後はヘルボーイの目がもらえないと苛つき、今度は別の者に彼の抹殺を依頼していた。

グルアガッハ(声:スティーヴン・グレアム)
人間に化けて育ててもらう妖精。ヘルボーイのせいで正体が見破られて醜い姿にされる。
スティーヴン・グレアムは代表作に『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ、『アイリッシュマン』などがあります。
ずっとヘルボーイに対して怨みを抱いていて、女王と崇めるニムエの復活を秘かに企んだ。
英国の各地に散らばるニムエの肉体を掻き集めると、元の姿に戻るべく彼女に従っていた。
肉体を強化されヘルボーイと変身したダイミョウを追い詰めるも、ニムエに止められた。
最後は用なしとなってニムエに力を奪われてしまい、そのまま肉塊にされて消滅させられた。

ヴィヴィアン・ニムエ/ブラッドクイーン(演:ミラ・ジョヴォヴィッチ)
悪役。5世紀に悪事を働いていた魔女。伝染病を広げて世界を破滅させる目的を持っている。
ミラ・ジョヴォヴィッチは近年の出演作に『フューチャーワールド』、『記者たち/衝撃と畏怖の真実』などがあります。
アーサー王やマーリン、更に同族の裏切りによって体をバラバラにされて封印されていた。
忠実な僕となったグルアガッハにより、バラバラにされた体を元に戻されて復活を遂げる。
ヘルボーイこそが人間の住む世界を滅ぼし、闇の者たちが住む世界に再構築すると信じる。
最後はブルーム教授のせいで失敗し、裏切ったヘルボーイに首を切られ、地獄に落とされた。

感想

個人的な評価

本作は過去にギレルモ・デル・トロ監督の映画のリブートをさせた作品となります。
前作では叶わなかった原作者であるマイク・ミニョーラが脚本や監修として参加しています。
原作となる『ヘルボーイ』はアメコミでありながら、日本での知名度はかなり低いです。
その点でギレルモ・デル・トロ監督が実写映画化したおかげで、それなりに認知が広がったのは言うまでもないだろう。
何より当時ヘルボーイを演じたロン・パールマンがハマリ役すぎて、このキャラクターは彼の為にあるようなモノだと思いました。
それにこだわりの強いギレルモ・デル・トロ監督だったからこそ、ダークでファンタジックなヘルボーイの世界を再現できたと思います。
ハッキリ言って、今回のリブートについては不安しかなく、ヘルボーイを演じるデヴィッド・ハーパーには悪いけど荷が重いと感じました。
しかし、実際に鑑賞すると、先入観での不安要素を恥じるぐらい本作はリブートとして上手く立ち回った作品だと感じました。
懸念していたデヴィッド・ハーパーのヘルボーイは、ロン・パールマンとまた違った良さがあって、相変わらずのジョークが健在で安心しました。
何よりヘルボーイは見た目が完全な悪魔でありながら、中身は一人の人間で、一人の男というキャラクターとしてぶれていなかった。
ここら辺は最初から最後まで貫いていて、ロン・パールマンの積み上げたヘルボーイ像をしっかりと引き継いでいるのも良かった。
それにギレルモ・デル・トロ監督が作り上げたファンタジックな世界観と違い、本作はグロテスクたっぷりなクリーチャーが惜しげもなく出ていた。
この気持ち悪いクリーチャーたちは個人的に大好きですが、残念ながら一般受けはしないだろうと思います。
だから興行収入があまり伸びなかっただろうと思うが、原作者のマイク・ミニョーラが監修しているから原作に近い気味の悪い世界観が展開されたでしょう。
登場するキャラクターたちもバランスを上手く取っていて、これはギレルモ・デル・トロ監督の時に少し感じたバランスの悪さを解消しています。
何より悪役に徹したミラ・ジョヴォヴィッチの圧倒的な存在感は素晴らしく、『マイティ・ソー/バトルロイヤル』のヘラを演じたケイト・ブランシェット並みに妖艶な魅力がありました。
ストーリーとしてもギレルモ・デル・トロ監督の作品と大きく違っていて、王道の中にしっかりと「ヘルボーイ」の世界観を魅せてくれました。
続編を期待させる展開であるけど、興行収入があまり良くなかったので、作られるのか微妙だが、個人的には是非とも実現して欲しいです。