作品紹介
公開年月 | 2017/09/29 |
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ジャンル | サスペンス/伝記 |
原作 | マーク・フェルト、ジョン・オコナー 『ディープ・スロート』 |
監督 | ピーター・ランデズマン |
脚本 | ピーター・ランデズマン |
製作 | リドリー・スコット、ジャンニーナ・スコット、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
ある深夜、5人の男がワシントンD.C.の民主党本部に侵入し、盗聴器を仕掛けようとしたところを逮捕された。
事件の指揮を担当したFBI副長官フェルトは、背後にホワイトハウスの関係者がいると確信。
相手が大統領であっても捜査の手を緩めるワケにいかないが、FBI長官のフーバーが急死すると、代理長官のグレイは捜査の早期終結を指示するのだった。
登場人物&出演者
・マーク・フェルト(演:リーアム・ニーソン)
主人公。FBIの副長官。30年に渡ってフーバー長官の下で働き、絶大な信頼を寄せていた。
リーアム・ニーソンは近年の出演作に『トレイン・ミッション』、『パパVS新しいパパ2』などがります。
フーバー長官が亡くなると、次期長官として候補に挙がるが、結局はグレイが代理長官に。
初めてFBIが部外者を迎え入れたが、組織の方針に従えば協力すると強い言葉をかけた。
一度はホワイトハウスからの圧力で捜査を打ち切られるが、屈する事なく独自に続けていた。
最後は見事にニクソン大統領を辞任に追い込み、探していた娘を見つけて迎えに行った。
・オードリー・フェルト(演:ダイアン・レイン)
ヒロイン。マークの妻。FBI職員の妻として、13回の転勤に文句を言わず付き合って来た。
ダイアン・レインは近年の出演作に『ジャスティス・リーグ』、『ボンジュール、アン』などがあります。
いつか夫が長官になると信じていたが、フーバー長官が亡くなった事で引退を彼に勧めた。
実は父親を早くに亡くし、母親から捨てられて一人で生きてきたという人生を送っていた。
娘のジョーンにプレッシャーをかけてしまい、そのせいで彼女が家を出て行ったと考える。
最後はジョーンを迎えに行くと、彼女が抱えていた子供から初孫が出来たと知った。
・L・パトリック・グレイ(演:マートン・チョーカシュ)
司法省の副長官。フーバー長官が亡くなると、彼の持っていたファイルの回収を要求した。
マートン・チョーカシュは代表作に『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ、『イーオン・フラックス』などがあります。
海軍の潜水艦司令官を務めた経験を持ち、大統領の忠実な部下として長官代理となった。
ホワイトハウスから派遣された代理の長官として、大統領が組織を支配する為に来ていた。
一度はウォーターゲート事件の捜査を打ち切ったが、情報がマスコミに流出して焦る。
最後はマスコミにホワイトハウスに情報を流していると記事が書かれ、辞任に追いやられた。
・エド・ミラー(演:トニー・ゴールドウィン)
FBIの捜査官。マークの友人で自宅に妻とともに招かれて一緒に飲むほどの付き合いとなる。
トニー・ゴールドウィンは代表作に『ゴースト/ニューヨークの幻』、『ダイバージェント』シリーズなどがあります。
ニクソン大統領によって派遣された長官代理のグレイを警戒し、マークの考えに同調した。
圧力でウォーターゲート事件の捜査が打ち切られ、黒い仕事は時代遅れだとマークに助言。
ウォーターゲート事件に並行して、マークからジョーンの居場所について調査をしていた。
最後はジョーンがいるとされる場所にいた人間を連れ、マークに娘の様子を語らせた。
・アンジェロ・ラノ(演:アイク・バリンホルツ)
FBIの捜査官。マークにとって信頼するべき優秀な部下。ウォーターゲート事件を担当した。
アイク・バリンホルツは代表作に『ほぼ300』、『ネイバーズ』シリーズなどがあります。
事件が発覚してカンケル捜査官と調査し、すべてをマーク副長官に報告していた。
FBIの情報が何者かによってマスコミに流出していると知り、裏切り者はいないと断言した。
最後はマスコミに情報を流す「ディープ・スロート」だと疑われるが、マークが否定した。
・ロバート・カンケル(演:ブライアン・ダーシー・ジェームズ)
FBIの捜査官。ラノ捜査官とともにウォーターゲート事件についての捜査を担当した。
ブライアン・ダーシー・ジェームズは代表作に『ロスト・イン・マンハッタン/人生をもう一度』、『モリーズ・ゲーム』などがあります。
ラノ捜査官と同様に膨大な捜査資料をまとめて、マークに副長官に報告していた。
捜査に向かう時に広報官から情報を直接報告するように言われ、その通りにしていた。
最後はマークの部屋に呼びつけられると、長官代理に直接報告している事を咎められた。
・サンディ・スミス(演:ブルース・グリーンウッド)
タイム誌の記者。長年に渡ってマークと交流を持っていたが、機密情報は一切聞けていない。
ブルース・グリーンウッドは代表作に『スター・トレック』シリーズ、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』などがあります。
ダイナーにマークから呼び出されると、大統領がFBIを支配しようとしている事実を聞いた。
その情報によってホワイトハウスを世間から圧力をかけ、事件の捜査を続けるようにした。
最後はホワイトハウスに追い詰められたマークから、溜め込んだ悪事を聞いて記事にした。
・ボブ・ウッドワード(演:ジュリアン・モリス)
ワシントン・ポスト紙の記者。FBIの機密情報をマークの電話から聞いて記事にしていた。
ジュリアン・モリスは代表作に『ファイナル・デッドクルーズ』、『スプラッター・ナイト/新・血塗られた女子寮』などがあります。
ニクソン政権を揺るがす記事に一度は無視され、徐々にその効力が失われていく。
今度は直接マークに会うと、情報源を「ディープ・スロート」と名付けていた事を口にした。
最後はマークからもたらされた情報で記事を書き、ディーンたち側近が辞任をする事に。
・ジョン・ディーン(演:マイケル・C・ホール)
大統領の法律顧問。当初から大統領の脅威となるフーバー長官の退任をマークに尋ねた。
マイケル・C・ホールは代表作に『ペイチェック/消された記憶』、『キル・ユア・ダーリン』などがあります。
定期的にマークへ連絡をして、ホワイトハウスの意向を口にするも無視される事に。
ウォーターゲート事件が発覚すると、CIAを使ってFBIの捜査を中止させようと画策した。
最後はディープ・スロートの情報による記事で、法律顧問を辞任する事になった。
・ビル・サリバン(演:トム・サイズモア)
FBIの元幹部。マークとは表裏一体の存在で、フーバー長官から汚れ仕事を引き受けていた。
トム・サイズモアは近年の出演作に『クロス・ウォーズ』、『パシフィック・ウォー』などがあります。
フーバー長官が亡くなると、次期長官候補だったマークに近寄って憎まれ口を叩いた。
再びFBIに戻りたい気持ちを持っていて、ずっと大統領に媚びを売って機会を狙っていた。
正義の人だと言われるマークから過去の黒い仕事を責められるが、次期副長官に指名される。
最後はマークこそが「ディープ・スロート」だと断定し、裏切り行為を激しく罵っていた。
感想
個人的な評価
本作は「ウォーターゲート事件」の情報提供者“ディープ・スロート”と言われたマーク・フェルトを描いた作品となります。
主人公となるマーク・フェルトは当時FBIの副長官で、ワシントン・ポストに重要な内部の情報を流していました。
監督を務めているピーター・ランデズマンは『コンカッション』の監督と脚本として知られています。
本作はあの有名な「ウォーターゲート事件」の裏側にスポットライトを当てた作品である。
その「ウォーターゲート事件」は詳しく知らなかったが、本作によってホワイトハウスの腐った部分が見えました。
確かにフーバー長官は長年に渡る情報の蓄積で権力を振るっていたが、それを見ていたホワイトハウスもも悪い事をしていました。
本作は『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』と同時期に公開されたが、これは完全にトランプ政権に対する牽制と言える作品である。
トランプ政権も選挙で工作した疑いを持っていて、それについて批判するような作品の位置づけだと言えます。
膨大な情報を持っている男が、国を私有化しようとする大統領を許せず、そのネタを世間にぶち撒けるのは歴史的にスゴイ事だと分かりました。
ニクソン大統領は任期中に辞任した初めての大統領として、永遠に汚名が語り継がれるのは本人としても納得できないだろう。
「ディープ・スロート」という大役を演じたリーアム・ニーソンはさすがに上手いです。
近年はアクション俳優のイメージが強いけど、本来はこのような演技を要求される演技派の俳優なのです。
ずっとシリアスな展開であるが、そこはリーアム・ニーソンがちゃんと引きつけてくれる。
仕事一筋の男が正義を求め、世間に真実を公表させるが、結局彼自身の家庭は安定とは違った形で終えるところは少し悲しいです。
やはり、アメリカ国内ではトランプ政権に対する危惧を持つ人が多く、それを連想させる本作から充分なメッセージがあったと思います。