作品紹介
公開年月 | 2015/11/13 |
---|---|
ジャンル | コメディ/ドラマ |
原作 | なし |
監督 | ジェシー・ネルソン |
脚本 | ジェシー・ネルソン |
製作 | マイケル・ロンドン、ジェシー・ネルソン、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
クリスマス・イブ、クーパー家ではこの日に一族が一堂に会した晩餐会を開くのが毎年恒例の行事となっていた。
今年も各地から続々集まってきた家族を迎える夫婦のシャーロットとサムの二人。
しかし、40年連れ添った二人は離婚を決意していて、シャーロットはこれが最後の晩餐会だと覚悟を決めていたのだった。
登場人物&出演者
・シャーロット(演:ダイアン・キートン)
元音楽教師。最後のクリスマス・イヴを楽しく過ごそうとする。
ダイアン・キートンは代表作に『アニー・ホール』、『恋愛適齢期』などがあります。
過去に失った末娘のリジーの経験から、妻よりも母親として日々を過ごしてきた。
そのせいで微妙な距離感となったサムとは愛情が消え、離婚に同意してしまう。
サムの言葉から過去の出来事を思い出し、再びヨリを戻そうと考えを改める。
・サム(演:ジョン・グッドマン)
元倫理学者。歌う事は好きだが、歌詞を間違えて覚えてしまっている。
ジョン・グッドマンは近年の代表作に『キングコング:髑髏島の巨神』、『トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男』などがあります。
昔のシャーロットをずっと思っているせいで、今のシャーロットとのギャップに悩む。
家を出ようと決意しているが、思い出にいたシャーロットが戻ってこないかと期待する。
現実的なシャーロットに嫌気が差すも、やはり、彼女を愛しているのは事実だった。
・バッキー(演:アラン・アーキン)
シャーロットの父親。若いウェイトレスに夢中で彼女が働くダイナーに5年も通い詰める。
アラン・アーキンは代表作に『リトル・ミス・サンシャイン』、『アルゴ』などがあります。
年長者らしく、長く生きてきた経験から悩んでいる若者に叱咤激励をする。
晩餐会では軽い脳卒中になって病院に運ばれるが、それがきっかけで家族が仲直りする。
・ハンク(演:エド・ヘルムズ)
シャーロットとサムの息子。失業中のカメラマン。離婚してどん底にいる。
エド・ヘルムズは代表作に『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』、『デイブは宇宙船』などがあります。
妻のアンジーとは愛情がなく、離婚が決定しており、失業中という事で悩む事が多い。
バッキーと相談して少し前向きとなって、新たな人生を始めようと決意する。
・エレノア(演:オリヴィア・ワイルド)
シャーロットとサムの娘。劇作家だが、ガーデン家具のカタログで書いて生活費を稼ぐ。
オリヴィア・ワイルドは代表作に『トロン:レガシー』、『カウボーイ&エイリアン』などがあります。
上演するはずの作品の主演俳優が降板し、取り消しになって不満が募っている。
偶然空港で出会った軍人の青年ジョーと意気投合して、1日恋人のフリをしてもらう。
医者と不倫をしていたが、誠実なジョーとの偶然の出会いで明るい未来を切り開く。
・エマ(演:マリサ・トメイ)
シャーロットの妹。姉に劣等感を持つ。万引きがバレれてウィリアムズ巡査に連行される。
マリサ・トメイは代表作に『いとこのビニー』、『レスラー』などがあります。
独身でいつも人の愛情を計っていて、同じぐらいの分量を返そうとする。
精神科医と称した人生相談をしているが、それによって姉への嫉妬から解放される。
・ルビー(演:アマンダ・サイフリッド)
ダイナーで働くウェイトレス。バッキーに気に入られ、映画を何本か借りる仲になる。
アマンダ・セイフライドは近年の出演作に『PAN/ネバーランド、夢のはじまり』、『パパが遺した物語』などがあります。
幼少の頃から劣悪な環境で育てられ、人とのコミュニケーションが苦手で目を見て話せない。
ただ、バッキーとの出会いによって初めての楽しいクリスマス・イヴを迎える事になる。
・ジョー(演:ジェイク・レイシー)
アメリカ軍所属の青年。地元に帰ろうとするが、大雪の影響で空港に足止めされていた。
ジェイク・レイシーは代表作に『しゃかりきにフットボール』、『キャロル』などがある。
共和党支持者の家族で育つが、それとは無縁のエレノアと意気投合して付き合う事に。
実は失読症で勉強ができなかった。妙な縁で出会ったエレノアとは本当に恋をする。
・ウィリアムズ巡査(演:アンソニー・マッキー)
職務に対して真面目であり、相手が初犯であっても常に厳しい態度で接している。
アンソニー・マッキーは近年の出演作に『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、『トリプル9/裏切りコード』などあります。
実は過去にカウンセリングを受けた事があって、人と話すのが苦痛という性格を持つ。
エマのカウンセリングを受けて、悩みを相談しているうちにゲイだと告白する。
感想
個人的な評価
ジェシー・ネルソンによる14年ぶりの監督作品となります。
『アイ・アム・サム』はアカデミー賞のノミネートで話題となり、それ以来の監督作品です。
正直言って、『アイ・アム・サム』はそこまで記憶に残る作品ではなかった。
多分、鑑賞した当時はまだ若かったからだろうと今は思っている。
ジェシー・ネルソンが久しぶりに監督をした群像劇のホームドラマという事で多少は期待。
確かに本作は主人公がクーパー家の人々と、それに関わる人たちが物語の中心である。
基本となるシャーロットとサムの関係、次にバッキーとルビー、それにエレノアとジョーとそれぞれのロマンスがとっても良い話しになっている。
登場人物たちのロマンスを短く切り取っているが、それぞれは独立した1本の作品として充分に成立します。
それほど個々に展開するロマンスが良く、短いエピソードであっても面白いと感じさせる。
群像劇は注意しないと視点がバラバラになって感情移入できなくなってしまう。
しかし、本作は程よいバランスを保っていて、非常に上手く物語に溶け込んでいる。
本作はクリスマスという時期は1年に1回の特別な日だと思わせてくれます。
一見して普通の家族であるが、実は色々と問題を抱えていて、顔を合わせればケンカが勃発。
そのまま晩餐会がダメになるところだが、前提としての伏線が上手くクライマックスに繋げてくれています。
やはり、クリスマスの時期を舞台にしている作品だからこそ、最後はハッピーエンドを迎えて欲しいという気持ちになる。
本作では問題を抱えた登場人物たちが最後に笑顔で終わる事こそが監督の使命。
それを上手い脚本、上手い演者、上手い演出によって感情移入させてくれる良作だと言える。
せめて、クリスマスの日だけでも暗い人生に光を与えてもいいと思わせる作品です。