ステップファーザー/殺人鬼の棲む家 VD-216

作品紹介

公開年月  2009/10/16
ジャンル  サスペンス
原作  ジョセフ・ルーベン 『W/ダブル』(リメイク)
監督  ネルソン・マコーミック
脚本  J・S・カーダン
製作  マーク・モーガン、グレッグ・ムーラディアン
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

士官学校の生活を終えたマイケル・ハーディングが家に戻り、母スーザンと新しい恋人デヴィッドと暮らしている事を知る。
納得ができないマイケルはデヴィッドに反感を持つが、次第に打ち解けていくが、一家皆殺しの指名手配犯が彼に似ていると隣人から聞かされる。
あまりにも完璧なデヴィッドの継父ぶりにマイケルが疑念を抱くと、その正体を暴こうと調べ始めるのだった。

登場人物&出演者

マイケル(演:ペン・バッジリー)
主人公。士官学校を卒業して家に帰ってきた。継父となるデヴィッドと母親の仲を気にする。
ペン・バッジリーは代表作に『デスバーガー』、『インフェクション/感染』があります。
迎えにやって来ない事に不満を持ち、離婚直後にデヴィッドが近づいた事実も不審に考える。
決定的な証拠が手に入らず、ケリーの説得もあってデヴィッドは悪くないと考える方向に。
それでも諦めず調べると、デヴィッドへの不審が確信に変わって決定的な証拠を探し出す。
最後はデヴィッドに追い詰められるが、相打ちになって一ヶ月昏睡状態になるも生還した。

スーザン(演:セーラ・ウォード)
マイケルの母親。離婚した直後、スーパーに来ていたデヴィッドと運命の出会いを果たす。
セーラ・ウォードは代表作に『逃亡者』、『デイ・アフター・トゥモロー』などがあります。
たった半年で再婚してしまった事をウソのように思うが、それでも幸せに盲目となる。
帰ってきたマイケルとデヴィッドが仲良くできるか心配するが、ジャッキーに説得された。
ずっとデヴィッドを良い人間だと妄信的に信じていて、彼が本性を暴くまで気付かなかった。
最後はなんとか反撃し、マイケルの活躍によって生還するもデヴィッドが行方不明になる。

ケリー(演:アンバー・ハード)
マイケルの幼馴染みで恋人。学校で悪さをしたせいで免許が取れず、いつも運転をしていた。
アンバー・ハードは近年の出演作に『アクアマン』、『ジャスティス・リーグ』がある。
運転免許を欲しがっていたマイケルをからかい、スーザンが幸せを素直に喜んでいた。
ずっとマイケルがデヴィッドに不信感を持っていたが、それについてまったく信じられず。
願書について無視するマイケルに辟易するが、結局は彼の仮説を信じて正体を暴こうとする。
最後はデヴィッドに追い詰められるが、なんとかマイケルの活躍で殺されずに生還した。

ジャッキー(演:ペイジ・ターコー)
スーザンの妹。不動産で働いている。同性愛者。離婚した姉をずっと心配していた。
ペイジ・ターコーは代表作に『パワーゲーム』、『ゲーム・プラン』などがあります。
スーザンの説得を受けて、いつも家を空けていたデヴィッドの為に不動産を紹介してもらう。
身分証明書の提示をデヴィッドに頼むと、急に彼が仕事を辞めた事を不審に思う。
マイケルと同様にデヴィッドを怪しいと踏んで、ジェイに頼み込んで調べてもらう事に。
最後はハワイへの旅行に出ようとするが、察知したデヴィッドによって溺死させられた。

ジェイ(演:ジョン・テニー)
スーザンの元夫。秘書と浮気した事が原因でスーザンとは1年前に離婚している。
ジョン・テニーは代表作に『レギオン』、『クーパー家の晩餐会』などがあります。
そのせいでマイケルとは口も利かない仲になってしまい、それをずっと後悔している。
マイケルの頼みでデヴィッドについて調べると、彼の正体を知って帰る前に正体を暴く。
最後は饒舌にデヴィッドのウソを見破ったと言うが、油断したところで彼に殺された。

デヴィッド・ハリス/グレイディ・エドワーズ(演:ディラン・ウォルシュ)
離婚したばかりのスーザンと出会い、家族が大切だと主張して半年で再婚を果たした。
ディラン・ウォルシュは代表作に『コンゴ』、『イルマーレ』などがあります。
実はいくつもの顔を持つサイコパスであり、シングルマザーとその家族を殺害してきた。
今度はスーザンに狙いをつけて理想の家族を求めるが、マイケルの存在が障害となる。
徐々に化けの皮が外堀から剥がれていくと、もうダメだと判断して処分を決める。
最後はマイケルたちを追い詰めるも結局は失敗し、行方不明となって次の家族を狙う。

感想

個人的な評価

本作は1987年がジョセフ・ルーベンが監督を務めた『W/ダブル』のリメイクとなります。
タイトルの『ステップファーザー』とは「継父」という意味になっています。
1987年の映画は1971年にアメリカで起きたジョン・リスト事件をモチーフにしています。
本作は「サイコパス」を扱った内容であり、殺人鬼であるデヴィッドあるいはグレイディの目的は意外にも純粋だと分かる。
そうなってくると、ちょっとばかり「サイコパス」とは少しニュアンスが違ってしまう。
それでも、デヴィッドの行動は「サイコパス」そのものであり、あくまで計画通りに事を進めていきます。
話術が上手いから不動産業は天職で、他の人間の信頼を勝ち得る事も「サイコパス」としての特徴がよく表現されている。
物語の構成としてスリラーとも言えるジャンルを的確に表現ができるほど、ずっと緊張感を持たせる雰囲気が出ていました。
いつデヴィッドが凶行に及ぶのか、疑っているマイケルに対する態度やスーザンを盲信させる話術はなかなか良い。
ただ、物語全体に言える事だが、もう少しデヴィッドの用意周到さを表現して欲しかった。
中盤からグダグダになってしまい、コントロールしていたデヴィッドも場当たり的な行動が多くて説得力に欠けてしまう。
自分の中で最高のサイコパス映画『悪の教典』と比べると、デヴィッドの不気味さが少し足りなかった気がします。
それでも、ずっと付きまとう不安感の演出、サイコパスの特徴を捉えたキャラクターや言動についても悪くない作品だったと思います。