作品紹介
公開年月 | 2016/03/19 |
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ジャンル | サスペンス/SF/ドラマ |
原作 | 三部けい 『僕だけがいない街』 |
監督 | 平川雄一朗 |
脚本 | 後藤法子 |
製作 | 春名慶、丸川順悟、内山雅博 |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
売れない漫画家の藤沼悟はアルバイトでピザ屋の配達をして生計を立てていた。
そんな悟は“リバイバル”という現象で事件や事故が発生する直前の時間に巻き戻される不思議な能力を持っていた。
ある日、トラックに轢かれそうになった小学生を助けた悟だったが、今度は彼が轢かれる。
病院へ付き添ったバイト仲間の愛梨に特別な感情を抱くも、数日後、彼の母が誘拐未遂を目撃して何者かに殺害されてしまう。
すると、悟はまたしてもリバイバルが発動し、今度は彼が小学生の時に巻き戻されていた。
そこでは同級生の雛月加代が被害者になった連続誘拐殺人事件が起こる直前だった。
登場人物&出演者
【現代】
・藤沼悟(演:藤原竜也)
主人公。売れない漫画家。ピザ屋の配達アルバイト。時間が巻き戻されるリバイバルを持つ。
藤原竜也は近年の出演作には『22年目の告白/私が殺人犯です』、『探検隊の栄光』などがあります。
何をやっても中途半端であったが、増長されたリバイバル能力によって変わっていきます。
アメコミのような能力だが、基本的にそれを感じさせないミステリーとなっている。
その中で小学生となっても改変させようと努力していく姿が印象的です。
そして、待ちに待った感情が爆発するクライマックスではいつもの藤原竜也でした。
ある意味、これはファンサービスに通じるモノがあったと思います。
・片桐愛梨(演:有村架純)
ヒロイン。悟とはバイト仲間。他人と距離を取る悟と違ってズカズカと入り込む。
有村架純は近年の出演作には『関ヶ原』、『ナラタージュ』などがあります。
悟の母親が殺されて容疑をかけても、笑顔で彼を信じる場面が印象的です。
何かとネガティブな悟を励まし、最後まで彼を信じる理由も良かった。
・藤沼佐知子(演:石田ゆり子)
悟の母親。事故に遭った息子の見舞いと一緒に住むが、実は半分観光目的であった。
石田ゆり子は近年の出演作には『悼む人』、『死にゆく妻との旅路』があります。
北海道からやって来るが、見た目は悟の母親よりも姉に見えるほど若々しい。
しかも、悟のリバイバルが発動して、女の子が誘拐されそうになって目撃した事で阻止する。
・雛月加代(演:森カンナ)
連続誘拐殺人事件で殺されていたが、悟のリバイバルで助かって成人していた。
森カンナは代表作に『仮面ライダーディケイド』、『警視庁失踪人捜査課』があります。
悟のおかげで救われて、今では妊娠して幸せに暮らしているのが微笑ましかった。
【18年前】
・藤沼悟(演:中川翼)
18年前の悟。母親の佐知子が殺害され、リバイバルの能力で飛ばされた現代の悟。
中川翼は子役として活躍し、代表作としてテレビドラマ『ORANGE』があります。
見た目は小学生でも中身は成人した悟なので、大人びた演技が要求される。
中川翼は見事に演じきっていて、作品を確実に盛り上がっているのが良かった。
・雛月加代(演:鈴木梨央)
18年前の悟の同級生。当時起きた連続誘拐殺人事件の被害者となっていた。
鈴木梨央は劇場アニメ『リトルプリンセス/星の王子さまと私』で日本人史上最年少の主演女優としてカンヌデビューをしています。
好かれようとする悟を見抜いていて、クラスの中では変わり者で月曜日は遅刻していた。
実は母親と恋人から虐待されて体中がアザだらけで、悟の助力で明るく変わっていく。
中身が成人の悟に負けないぐらい存在感を出していたと思います。
・八代学(演:及川光博)
小学生時代の悟の担任。虐待されている雛月を心配して児童相談所に連絡を取っていた。
及川光博は近年の出演作には『小野寺の弟・小野寺の姉』、『相棒』シリーズがあります。
虐待されていた雛月を助けようとする悟に勇気を与えた重要な人物でした。
だが、登場した時から明らかに怪しく感じ、最後の方ではやっぱりという印象だった。
それでも演じきった及川光博は正体がバレる前と後でのギャップを上手く表現しています。
感想
個人的な評価
様々な漫画賞で受賞し、原作は話題となった作品の実写映画化。
残念ながら原作の方は本作で初めて知ったが、これは実写映画化するべきでした。
テーマとしてはタイムリープ物で、よくある題材だと言えます。
本作は予算がない邦画の中でも工夫した演出が巧みだと感じました。
最初は事故や事件の直前まで巻き戻される程度の能力だった。
しかし、母親が殺されてから能力が根本的な事件の解決の為に遠い過去に飛ばされます。
主人公の悟は自分の為ではなく、母親を救いたい一心でリバイバルを利用していく。
その中で彼は過去にあった出来事を解決していくが、これこそ物語の根幹となる。
本来なら藤原竜也が全編で活躍するはずだが、本作では子役の中川翼が頑張っている。
更に悟が助けるべき雛月を安藤玉恵が大人びた素晴らしい演技が光っています。
そこに母親を演じる石田ゆり子の若々しさと美しさが素晴らしかった。
登場人物は魅力的であるが、それ以上にストーリー展開に引き込まれます。
単純な犯人探しが時を超えていて、某マンガのように体は子供、頭脳は大人の実現させる。
しかも、その展開は辻褄が合っていて、引っかかる部分がないのも大きいでしょう。
能力が制御できない主人公だが、その中で工夫して問題を解決する展開も面白い。
ただ、個人的に結末はあまりいいとは言えず、この終わり方はちょっと納得できない。
自己犠牲というアメコミの王道をやってしまったのは残念だと思った。
せっかく能力を独特な世界観で展開しているのだから、そのような終わり方だけはして欲しくなかったのです。