沈黙の大陸 RE-2889

作品紹介

公開年月  2017/06/16
ジャンル  アクション/犯罪
原作  なし
監督  タン・ピン
脚本  タン・ピン、スコット・ソルター
製作  スコット・アトキンス、スコッティ・ゲルト
製作国  中国
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

北アフリカの某国、傭兵ラウダーは引退後バーを経営しながら武器の密輸など裏社会の便利屋としての顔を持っていた。
新たにラウダーの元へ持ち込まれたのは、国の通信インフラ整備プロジェクトに入札しているフランス企業のマイケルから、ライバルである中国企業のヤンへの妨害工作の依頼をされる。
任務を進める中でマイケルが独立国家の樹立を目論むカバー将軍と手を組み、金の為に内戦を引き起こそうとしているのを知ってしまうのだった。

登場人物&出演者

ヤン・ジェン(演:リー・トンシュエ)
中国企業のアフリカ開発部。元々はITで働いていたが、単調な仕事に飽きてアフリカへ。
リー・トンシュエは代表作に『1911』、『ブレイド・マスター』などがあります。
通信での入札に不利だと感じると、感情的なルアンを抑えて将来性のある3Gを推して勝利。
当初からスザンナと折り合いが付かなかったが、勇気のある行動でなぜか彼女が好意を持つ。
マイケルに命を狙われるが、アサイド族長の恩返しで匿うも彼が殺されて責任を感じた。
最後はソースコードを開示して会社を救い、結果的に世界をリードする会社に仕立てた。

スザンナ(演:ヤニケ・アスケヴォルド)
フランス企業の幹部。国際電気通信連合の専門家。アフリカでの通信入札の責任者でもある。
ヤニケ・アスケヴォルドは代表作に『Pardon My French』、『最後のマイ・ウェイ』などがあります。
マイケルとは親しい関係にあって、中国からの入札が不利になるような助言をしてしまう。
ヤンが3Gの装着している時、偶然見たブーダン族の儀式を邪魔して勝手に女の子を助け出す。
当初はヤンを見下していたが、彼の勇敢な行動を見て徐々に好意を持って心配していく。
最後は逮捕された彼と腕を組んで、その後は世界のリーダーになった彼と付き添う事になる。

ルアン・リン(演:リー・アイ)
中国企業のアフリカ開発部。2年前からアフリカに派遣され、上司が辞めても居座っている。
リー・アイは代表作に『Qin Mi Di Ren』などがあります。
欧州やアメリカが通信での入札に割り込むが、圧倒的に不利な状況で感情的になった。
頼みの機材も本社から送ってもらえないと知り、負け犬としてラウダーの店で飲んでいた。
アサイドの一族に捕らわれたヤンを迎えに行くと、彼らが感謝している事を話した。
最後はヤンがソースコードを公開した事で会社は破産せず、世界のリーダーとなって喜ぶ。

アサイド族長(演:エリック・エブアニー)
ブーダン族の族長。ラウダーとは何度も取引をする上客。古来からの伝統を大切にする。
エリック・エブアニーは代表作に『ルムンバの叫び』、『ザ・ホード/死霊の大群』がある。
部族の女の子が割礼をしていた時にスザンナが勝手に連れ出し、誤解を解いてヤンを返した。
アフリカの政治とは無関係であるが、なぜか欧州大手の通信会社の社長と付き合いを持つ。
マイケルに狙われていたヤンをラウダーが助け出し、娘を助けた縁で彼を匿っていた。
最後はマイケルがソースコードを奪う為に乗り込んで、その際に撃たれて死亡した。

マイケル(演:クロヴィス・フーアン)
フランス企業の幹部。スザンナと一緒に行動する。カバ将軍との商談に乗り出している。
クロヴィス・フーアンは代表作に『ナンネル・モーツァルト/哀しみの旅路』、『ショコラ/君がいて、僕がいる』などがあります。
スザンナとは個人的な付き合いをして、自分たちに有利な入札を進めていこうと企んでいた。
あくまで欧州が有利に進めるような工作をするが、その実は独立国家で大儲けしようとする。
カバー将軍がブーダン族の攻撃を受けて撤退すると、彼を見つけて再び企みを始動させた。
最後はアサイド族長を殺した事がバレると、カバー将軍の裏切りによって爆死させられた。

ラウダー(演:スティーヴン・セガール)
元傭兵でバーを経営している。裏で武器を密輸して金儲けをする。要人が多く店を利用。
スティーヴン・セガールは近年の出演作に『沈黙の達人』、『キリング・サラザール/沈黙の作戦(ミッション)』などがあります。
マイケルとカバー将軍が商談している時に酒を出すが、拒まれて暴れ回るも倒された。
裏ではマイケルと繋がっていて、ヤンの妨害をするべく暗躍して装置などを手に入れる。
マイケルとカバー将軍の暴走に辟易すると、一方的に契約を打ち切って裏切る道を選んだ。
最後はマイケルに命を狙われたヤンを助け出し、西アフリカで新たな商売を始める事に。

カバー将軍(演:マイク・タイソン)
2000年前に滅んだアフリカにあった王国の末裔。一族を復活する為にマイケルと商談する。
マイク・タイソンは元ボクシングヘビー級のチャンピオンで、映画の代表作に『イップ・マン/継承』などがあります。
掟は絶対という信条を持ち、商談で出された酒を頑なに拒んでラウダーの店で暴れた。
マイケルと組んで一族を復活させて独立国家を建国しようと企み、内戦を起こそうとした。
途中で攻撃を受けてアサイド族長に逃され、再びマイケルと組むも族長が殺されたと知る。
最後はマイケルを爆死させると、自分の過ちに気付いてヤンたちの前で自殺を遂げた。

感想

個人的な評価

本作はハリウッドを超えるという中国映画市場にスティーヴン・セガールが参戦しています。
更にスティーヴン・セガールに『イップ・マン/継承』での活躍が鮮烈だったマイク・タイソンも参戦しています。
という事で本作はセガール対タイソンを期待しましたが、始まっていきなり両者が夢の対決をしてくれます。
しかしながら、近年のセガールは太りすぎてマトモにアクションができず、当然のようにスタントマンが代わりにほとんど戦います。
『イップ・マン/継承』ではちゃんと両者の良い部分を出したのに、本作ではオマケ程度しかなくてガッカリしました。
その後、肝心のセガールは裏方に徹してほとんど登場せず、タイソンは頭の悪い悪党に成り上がって残念な結果となった。
そこはしょうがないと片付けるだけでいいが、本作は中国が製作している事を忘れちゃいけない作品でした。
セガール対タイソンの山場が過ぎると、そこからひたすら中国バンザイが展開していきます。
最初は否定される中国の技術だが、その中心になっていたフランス女が中国の国旗を振っていたシーンを見て怖くなりました。
本作には単なるアクションではなく、中国こそが至高の存在だと示すメッセージが隠さずに表現されていました。
フランス人が中国の国旗を振っている点、中国の技術は最高という点など、ただ中国の素晴らしさを伝えるだけの作品で途中から気持ち悪くなりました。
完全なるプロパガンダ映画と化した作品だが、これを『沈黙』シリーズの一本として数えるのはムリがありました。
その中で収穫があったのは、ヒロインとなるスザンナを演じたヤニケ・アスケヴォルドがもの凄い美人というところでした。
ただ、最初はヤンを見下していたが、最後の方では彼に好意を持つ展開は中国バンザイ映画なのはしょうがないだろう。
基本的に中国バンザイの作品であって、中国のサラリーマンが世界でも頑張っているアピールが強すぎて、ひたすら気持ち悪かったです。