カーズ/クロスロード VD-171

作品紹介

公開年月  2017/06/16
ジャンル  アクション
原作  なし
監督  ブライアン・フィー
脚本  ロバート・L・ベアード、ダン・ガーソン、ほか
製作  ケヴィン・レハー
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

天才レーサーのライトニング・マックィーンは、最新テクノロジーを駆使した新世代レーサーの台頭に押されて、ついにクラッシュしてしまう。
すっかり自信を失ったマックィーンは一度諦めかけるが、メーターや恋人のサリーの励ましで再びやる気を取り戻す。
最新施設のラスティーズ・レーシング・センターで若きトレーナーのクルーズの指導で、マックィーンは新たなトレーニングに挑戦を始めるのだった。

登場人物&出演者

ライトニング・マックィーン(声:オーウェン・ウィルソン/吹替:土田大)
主人公。常に勝利していた無敵の王者だったが、ジャクソン・ストームの登場で一変する。
オーウェン・ウィルソンは近年の出演作に『ズーランダーNo.2』、『クーデター』がある。
土田大は吹替の担当にウィル・ユン・リー、エディ・ケイヒルなどを務めています。
最新鋭の技術によりスピードを上回るジャクソンに勝てず、焦りからクラッシュする。
復帰が危ぶまれる中で勝てない事に焦りを持つが、サリーやメーターの励ましで立ち上がる。
クルーズをトレーナーに迎えて再生プロジェクトを始動させるも、成果がまったく出ず。
ドックを良く知るスモーキーに会い、アドバイスとトレーニングを施して自信を取り戻す。
最後はレースで善戦し、次世代のクルーズに託して彼女をサポートして優勝に導いた。

クルーズ・ラミレス(声:クリステラ・アロンゾ/吹替:松岡茉優)
ヒロイン。ラスティーズ・レーシング・センターでトレーナーとして元気に明るく働く。
クリステラ・アロンゾは代表作に『アングリーバード』などがあります。
松岡茉優は吹替の代表作に『ジュラシック・ワールド』、『映画 聲の形』などがあります。
実は幼少の頃からマックィーンに憧れてレーサーを夢見るもレースに挑戦できずにいた。
マックィーンの再生プロジェクトに抜擢されて張り切るが、空回りで自分から辞める事に。
しかし、マックィーンの言葉を聞いてスモーキーたちによるトレーニングで気持ちが変わる。
スターリングからトレーナーとしての仕事を言い渡され、立ち去るところで呼び戻される。
最後はマックィーンの計らいで代わりにレースへ出場し、ジャクソンに勝利して優勝した。

スモーキー(声:クリス・クーパー/吹替:有本欽隆)
トーマスビル・スピードウェイで過去にドックの元クルーチーフ兼メカニックを務めた。
クリス・クーパーは代表作に『アメリカン・ビューティー』、『アダプテーション』がある。
有本欽隆は担当の吹替にエド・ハリス、クリストファー・ウォーケンなどを務めています。
レースに勝てなくなったマックィーンがアドバイスしに来ると待っていたかのように迎える。
マックィーンに対してドックが期待していた事を話し、彼にトレーニングを課した。
最後はレースでチーフを務めるが、クルーズが出場してからマックィーンに交代した。

メーター(声:ラリー・ザ・ケーブル・ガイ/吹替:山口智充)
ラジエーター・スプリングスの住民。マックィーンの親友にして良き相談相手で応援者。
ラリー・ザ・ケーブル・ガイは代表作に『デルタ・フォース/俺たちスーパーソルジャー!』、『妖精ファイター2個などがあります。
山口智充はピン芸人として知られ、吹替に『ジョニー・イングリッシュ』があります。
常にマイペースな考え方を持ち、事故で塞ぎ込んでいたマックィーンをずっと心配していた。
マックィーンの引退を決めるレースで応援し、交代したクルーズも同様に応援していた。
最後はクルーズの出場を阻止しようとしたスターリングを邪魔し、何かと口を挟んでいた。

ナタリー・サートゥン(声:ケリー・ワシントン/園崎未恵)
統計分析の専門家。新人のジャクソン・ストームについてテレビ番組で強さを解説していた。
ケリー・ワシントンは近年の出演作に『ジャンゴ/繋がれざる者』、『ジャックはしゃべりま1,000』などがあります。
園崎未恵は吹替の担当にアン・ハサウェイ、エリシャ・カスバートなどを務めています。
統計分析で次世代のレーサーたちが旧世代に取って代わる事を高らかに宣言していた。
最後は見事にレースで逆転勝利を手に入れたクルーズを素直に認めて祝福していた。

キャル・ウェザーズ(声:カイル・ペティ/吹替:あべそういち)
マックィーンと同世代のレーサー。もう一人の友人ボビーと三者で常に競い合っていた。
カイル・ペティは代表作に『ストロー・カーエース』などがあります。
あべそういちは吹替の代表作に『バーフバリ』シリーズ、『マイティ・ソー/バトルロイヤル』などがあります。
時代の波に逆らえず、まだまだ現役を続けたかったが、力の差を理解して引退を決めた。
最後はレースをクルーズに譲ったマックィーンをスカウトしたダイナコ社長とともに登場。

テックス・ダイナコ(声:ハンピー・ウィーラー/吹替:楠見尚己)
大石油会社ダイナコの社長。ギャグのスポンサーで、フロントグリルに牛の角がつけている。
ハンピー・ウィーラーは代表作に『カーズ』などがあります。
楠見尚己は吹替の担当にジョン・グッドマン、フォレスト・ウィテカーなどを務めています。
常に勝利していたマックィーンを挨拶代わりにスカウトするなど、以前から注目していた。
最後はレースに勝利したクルーズをスカウトし、ラスティーズ社を買い取ってスポンサーに。

ジャクソン・ストーム(声:アーミー・ハマー/吹替:藤森慎吾)
新世代のレーサー。常勝だったマックィーンを颯爽と追い抜いてレースで初勝利をする。
アーミー・ハマーは代表作に『ローン・レンジャー』、『コードネームU.N.C.L.E.』がある。
藤森慎吾はお笑いコンビ「オリエンタルラジオ」として知られ、吹替に『モンスター・ホテル』シリーズがあります。
マックィーンと同様に自信家で彼を尊敬しているようで、小バカにしたセリフを吐いている。
トレーナーだったクルーズに対してコスプレと呼ぶなどして、相手を見下す傾向がある。
シミュレーターによるトレーニングで絶対の自信を持ち、マックィーンに代わる王者となる。
引退を賭けたレースに登場したマックィーンに一切の気後れをせず先頭を突っ走っていた。
最後はクルーズに動揺させる言葉をかけるも通じず、接戦の末にゴール手前で逆転された。

スターリング(声:ネイサン・フィリオン/大川透)
ラスティーズ・レーシング・センターの新社長。ラスティーズ兄弟から会社を買い取る。
ネイサン・フィリオンは代表作に『プライベート・ライアン』、『スリザー』があります。
大川透は担当の吹替にジェイソン・ベイトマン、DMXなどを務めています。
ずっとマックィーンに憧れていて、自分の会社に彼がやって来る事を誰よりも喜んでいた。
最新鋭の設備で若い世代を育成していたが、マックィーンが勝てないと知りビジネスに転換。
マックィーンの機転でクルーズがレースに出場するが、それを必死に止めようとした。
最後はクルーズが優勝して手のひらを返すも断られ、テックスに会社を買収されてしまう。

感想

個人的な評価

本作はシリーズの三作目にして、ピクサーの長編映画として18作目となります。
この『カーズ』シリーズは高い人気を誇っているが、本作は前二作と比べて興行収入の面では下回る結果になっています。
これまで主人公であるライトニング・マックィーンが圧倒的な力でレースを制してきた物語が中心でした。
しかし、本作では新たなレーサーたちの登場によって、次々と同世代が引退に追い込まれる状況になり、自身の進退も視野に捉えるようになる。
いわゆる世代交代を強いられる本作では、レーサーとしてではなく、次世代に目を向ける構成になっています。
それまで自信家でどんなレースでも制してきた主人公が、今度は追いかけるような立場になって必死に勝利を手に入れようとするシンデレラ・ストーリーとなる。
自分はまだやれるけど、現実的な問題で周囲からは冷ややかな目で見られる状況は本作だけに限らず、現実世界でもあります。
特にスポーツ界では顕著であり、それまで無敵とも言えるほどの成績を収めても、年齢による衰えや新世代の登場で状況が変わっていく。
まさに本作はそれを描いた上で主人公の復活とともに、シリーズとしても新世代を迎える展開になっています。
そんな物語を主人公が過去に新世代として登場した時とダブらせ、過去に自身をサポートしてきた師に対する敬意も表現されていました。
ピクサーの作品は基本的に子供向けであるけど、本作に限っては引退が近い人たちにも共感を得られる作品になっています。
自身の復活はもちろんだが、引退した後に何をするのか自分で決めて納得できるような人生を送っていく事がどれだけ違った幸せを手に入れられるか教えてくれています。
確かに現役時代は前線で戦って勝利を収めてきたが、もう勝てなくなってしまった時、潔く引退して後世の育成に励むべきか描いた作品になっています。
あれだけの自信家だったマックィーンがプライドを粉々に打ち砕かれ、挫折したところでの不意の出会いこそが彼にとって新たなスタートだと気づかせるまでを丁寧に描いている。
特にマックィーンと師匠であるドックとの関係性をダブらせている点でも、似た境遇にある人たちも確実に共感するだろうと思います。
やはり、ピクサーは世に出す作品をブラッシュアップし、狙った層を確実に撃ち抜くだけの構成力や魅せ方が分かっています。
本作でシリーズの主人公だったマックィーンが引退をするので、完結と言ってもいい作品であり、上手くまとめて終わったと思います。