ワウンズ:呪われたメッセージ VD-319

作品紹介

公開年月  2019/10/18
ジャンル  ホラー
原作  ネイサン・バリングラッド 『The Visible Filth』
監督  ババク・アンヴァリ
脚本  ババク・アンヴァリ
製作  ババク・アンヴァリ、クリストファー・コップ
製作国  アメリカ、イギリス
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

ニューオーリンズのある夜、バーテンダーのウィルはケンカをした客たちの後始末をしていると、忘れていった携帯電話を拾う。
ほどなくして、その携帯電話から謎のメッセージが送信されるようになっていく。
薄気味悪く思ったウィルはそれ以上怪現象に関わりたくなかったが、恋人のキャリーが巻き込まれて深入りする事になるのだった。

登場人物&出演者

ウィル(演:アーミー・ハマー)
主人公。バーテンダー。大学生の恋人と同棲している。元カノにまだ未練を持っている。
アーミー・ハマーは近年の出演作に『ビリーブ/未来への大逆転』、『ホテル・ムンバイ』などがあります。
バーで常連客がケンカをすると、初めて来た大学生たちが忘れたスマホを拾ってしまう。
持ち主を割り出そうと中身を調べるが、そこで衝撃的な動画を見て恐怖を覚える事になる。
スマホから奇妙な音を聞くと、徐々におかしくなって誰に対しても怒鳴り散らすようになる。
最後はエリックの家にやって来ると、完全体になるべく彼の傷口から肉体を吸い上げた。

キャリー(演:ダコタ・ジョンソン)
ウィルの恋人。女子大生。一学期分の単位を修得しようとするべく教授に入り浸りとなる。
ダコタ・ジョンソンは代表作に『フィフティ・シェイズ』シリーズ、『ホテル・エルロワイヤル』などがあります。
ウィルが元カノに未練を持っていると女の勘が働き、何かと彼を信用していない部分がある。
バーから客のスマホを持ってきたウィルを疑い、中身を見たせいで独自に調査をしてしまう。
パソコンにある謎の渦をずっと見て失禁し、ウィルに助けられてなんとか正気を取り戻す。
最後はウィルから別れを切り出されると、特に表情を変えず素直に受け入れてしまう。

アリシア(演:ザジー・ビーツ)
ウィルが働くバーの常連。新しい恋人を連れて、みんなの前で堂々とイチャイチャする。
ザジー・ビーツは代表作に『ジオストーム』、『デッドプール2』などがあります。
ウィルとは恋人でお互いに未練を残しているが、あくまでジェフリーの事を考えている。
ジェフリーとちょっとした行き違いになってしまい、ウィルといい雰囲気になりける。
ウィルと間違えを起こす寸前だったとジェフリーに話し、気まずくなって連絡を絶った。
最後は何度も連絡するウィルに人生をやり直すと説得して、もう会わないと宣言された。

ジェフリー(演:カール・グルスマン)
アリシアの新しい恋人。大学生。提出する論文に追われているのにバーで飲んでいる。
カール・グルスマンは代表作に『ストーンウォール』、『ノクターナル・アニマルズ』などがあります。
エリックに目をつけられるが、ウィルやアリシアのおかげで事なきをえて再び飲んでいた。
別の客とケンカを始めたエリックを止めようとするが、逆に吹き飛ばされてしまう。
アリシアからウィルとキスした事を聞かされ、怒りが頂点に達してバーまで一緒に行く。
最後はバーでジェフリーに横柄な態度を取って、彼の怒りを買うもそのまま退散した。

エリック(演:ブラッド・ウィリアム・ヘンケ)
ウィルが働くバーの常連客。常に酔っぱらっている。大柄で見ない顔に挑発的な態度を取る。
ブラッド・ウィリアム・ヘンケは代表作に『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』、『フューリー』などがあります。
ジェフリーに最初はイチャモンをつけ、今度は見知らぬ別の客とケンカして顔にケガを負う。
ウィルの忠告も聞かず家にいて、見舞いに来た彼にヒドイ状態の顔の傷を言われるも無視。
その後もバーに一切顔を出す事なかったが、ウィルに何かを手渡す連絡を入れていた。
最後はウィルが家に来ると、ゴキブリが群がって顔の傷口が開いて肉体を吸われてしまう。

感想

個人的な評価

本作は2015年にネイサン・バリングラッドが発表した小説を基に作られています。
この作品は『サンダンス映画祭』と『第72回カンヌ国際映画祭』にて上映されています。
監督を務めるババク・アンヴァリは『アンダー・ザ・シャドウ』でも知られています。
タイトルにある「wounds」とは「傷」を意味であるが、ラストのオチでようやく分かるような感じになります。
本作はアメリカン・ホラーにしては静かな雰囲気で展開して、中盤まで動きがほとんどないような状態になっています。
冒頭でのバーのシーンは非常に退屈であり、ここはもっと短くしても良かったと思うぐらいつまらなかったです。
ハッキリ言って、物語へ引き込むには弱すぎるし、効果的なBGMがないから逆に今後はどのような展開があるのか期待させられる。
しかし、抑揚のない同じような雰囲気がずっと続くだけで演出も悪く、せっかくの衝撃的なシーンも見せ方があまり上手くない。
あまりにも中盤まで意味のない伏線に使ったせいで、クライマックスにかけて駆け足になってしまった悪い典型になりました。
そもそも、本作ではきちんと説明しようという意思がなく、ラストのオチで見せる意味不明なシーンが象徴的でした。
ただ衝撃的な映像や大量のゴキブリを出して嫌悪感を誘うだけで、本作からのメッセージ性がまったくなかったような印象でした。
本作を理解する努力など最初からムダであり、そんな設定がないから単純におかしくなる主人公を見守っていくしかない。
ですが、その主人公がおかしくなるのも唐突すぎるし、その先にある目的が分からないから何がしたかったのか分かりません。
アーミー・ハマー、ダコタ・ジョンソン、ザジー・ビーツが観たい方だけが楽しめるだけで、作品としての面白さはまったくないです。