Mr.&Mrs.フォックス RE-3061

作品紹介

公開年月  2019/04/12
ジャンル  コメディ/犯罪
原作  なし
監督  ジェームズ・ハスラム
脚本  ジェームズ・ハスラム、アレックス・マイケリデス
製作  ロバート・オグデン・バーナム、カシアン・エルウィズ、ほか
製作国  アメリカ、イギリス
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

詐欺師であるピーターとハリーの夫妻は、昔の仕事仲間イリーナから大金を横取りし、追跡を逃れる為にロンドンからロサンゼルスへ高飛びする。
ロサンゼルスにはピーターの元妻でセレブの映画監督と再婚したジャッキーが暮らし、久しぶりに会うと彼女が身につけた500万ドルの指輪が目に入る。
そこでピーターは追っているイリーナの許しを得るべく、ジャッキーの高価な指輪を奪い取ろうと企むのだった。

登場人物&出演者

ハリー・フォックス(演:ユマ・サーマン)
詐欺師夫妻の妻。ピーターとは良きチームで主に頭脳を担当して雑な作戦を立案する。
ユマ・サーマンは近年の出演作に『ハウス・ジャック・ビルト』、『ダーク・スクール』などがあります。
大のポーカー好きで金があると始めてしまうが、実力はないせいでいつも負けている。
そのせいでイリーナから追われるが、なんとかなるとしてピーターと逃亡生活を始める。
ジャッキーの指輪に目をつけると、回りくどい作戦を立案してピーターに一任する。
最後は運で指輪を手にするもイリーナから逃げる為に手放すが、次の作戦を思いつく。

ピーター・フォックス(演:ティム・ロス)
詐欺師夫妻の夫。ハリーと良きチームと自分に言い聞かせる。マティーニ中毒になっている。
ティム・ロスは近年の出演作に『リベンジ・チェイス/決着の荒野』、『バッド・バディ!私とカレの暗殺デート』などがあります。
マティーニを水のように飲んでいて、ハリーの立てた幼稚な作戦にいつも振り回される。
イリーナの金を使い込んでしまい、過去に騙されたシドニーを頼るハリーに振り回される。
元妻のジャッキーと接触すると、彼女の豪華な指輪をハリーに話して作戦の為に接触を図る。
最後はイリーナに追い詰められるが、あっさりと逃げ出し、ハリーの次の作戦を待つ。

シドニー(演:スティーヴン・フライ)
ロサンゼルスで神父をやっている。実際は過去にピーターと仕事をしていた犯罪者の仲間。
スティーヴン・フライは代表作に『オスカー・ワイルド』、『アリス・イン・ワンダーランド』シリーズなどがあります。
イリーナの金を使い込んでロサンゼルスまで逃げ出したハリーとピーターを出迎える。
フォックス夫妻に仕事を与えるが、実際はイリーナが出した懸賞金を得る為に騙していた。
イリーナがやって来ると銃で脅されるが、終始落ち着いた態度で二人の足取りを追う。
最後はイリーナよりもハリーを選び、気付かれないように二人を逃げしてあげた。

ジャッキー(演:アリス・イヴ)
女優。ガブリエルの妻。過去にティファニーと名乗ってピーターと結婚するも離婚した。
アリス・イヴは代表作に『スター・トレック/イントゥ・ダークネス』、『クリミナル/2人の記憶を持つ男』などがあります。
ピーターが詐欺師だと分かりながらも結婚するが、彼を島に残して去って行ってしまう。
イリーナの金を返す為にピーターが偶然を装って再会すると、なぜか彼を家に招待する事に。
ガブリエルから詫びの指輪を見せるが、彼がヴィヴィアンと不倫している事に嘆いていた。
最後は授賞式帰りのヴィヴィアンにガブリエルとの結婚を宣言され、指輪を投げ捨てた。

ジーナ(演:パーカー・ポージー)
ガブリエルの秘書。常にウエストポーチをしている。ガブリエルの豪邸になぜか住んでいる。
パーカー・ポージーは近年の出演作に『マスコット』、『カフェ・ソサエティ』がある。
ガブリエルの妻となったジャッキーを快く思っていないが、それでもなぜか同居している。
ずっとガブリエルの為に仕事をしてきたが、あくまで肉体関係以上にならず悶々とする。
授賞式でガブリエルがアカデミー賞を受賞するが、ヴィヴィアンに捧げると聞いて発狂する。
最後はヴィヴィアンがガブリエルとの結婚を宣言し、ブチ切れて鉢植えを地面に投げ捨てた。

ヴィヴィアン(演:ソフィア・ベルガラ)
女優。ガブリエルの映画に出演し、彼と不倫をしている。セックス依存症のビッチ。
ソフィア・ベルガラは代表作に『マチェーテ・キルズ』、『ワイルドカード』があります。
ガブリエルが結婚したジャッキーを敵視していて、何かと彼を奪おうと行動している。
授賞式の時も多くのカメラマンがいても、ガブリエルとの関係を隠そうとしない。
ガブリエルがアカデミー賞を受賞し、壇上でプロポーズとも言える言葉を聞いて勝利する。
最後はガブリエルの家でジャッキーに結婚宣言し、指輪を捨てさせる原因を作った。

ガブリエル(演:クリスピン・グローヴァー)
新進気鋭の映画監督。最新作「赤と黒」がアカデミー賞にノミネートされている。
クリスピン・グローヴァーは近年の出演作に『ザ・バッグマン/闇を運ぶ男』、『フリーキー・ディーキー』などがあります。
女優であったジャッキーと結婚するが、映画の女優ヴィヴィアンと不倫をしていた。
浮気がバレてしまうと、オークションで500万ドルの指輪をジャッキーにプレゼントする。
秘書のジーナとも肉体関係を持っていたが、彼女には一切の愛情がなく適当に扱っている。
最後はアカデミー賞を受賞し、ヴィヴィアンが結婚を宣言してジャッキーと別れる事に。

イリーナ(演:マギー・Q)
かつてハリーと一緒に仕事をしていた仲間。それ以上の関係だったが結果的に別れている。
マギー・Qは近年の出演作に『スリープレス/それは、眠ると憑いてくる。』、『ダイバージェントFINAL』などがあります。
大金を勝手にハリーとピーターの夫妻に使われてしまい、ブチ切れて二人を探し出す。
なんとか返済しようと相談されたシドニーから連絡を受けて、ロンドンからやって来る。
いつものように容赦なく人を殺すが、ハリーを捕まえると彼女の口車に乗ってしまう。
最後は裏切ったハリーたちを追い詰めるが、油断して手を撃たれ、二人を逃がしてしまった。

感想

個人的な評価

本作は『未体験ゾーンの映画たち2019』にて上映された作品となります。
なんと言っても、本作ではユマ・サーマン、ティム・ロス、マギー・Q、パーカー・ポージー、アリス・イヴ、ソフィア・ベルガラなど豪華なキャストだろう。
主役級がこれだけ揃っているのに『未体験ゾーンの映画たち』で上映されるなど、そこまで話題に上らなかったのが不思議なぐらいでした。
しかし、実際に鑑賞してみると、なぜ話題にならなかったのはすぐに分かってしまいます。
これだけの豪華なキャストを揃えているのに彼らの良さを一切活かせず、脚本と演出が信じられないぐらいにクソでした。
本作は出演者たちのギャラで予算のほとんどを持っていかれているようなので、作品としては低予算映画となっている。
詐欺師夫妻が主人公となるけど、特別に手口が優れているワケじゃないし、話術が巧みじゃないし、懸賞金をかけられているのにほぼ緊張感がない。
ずっと緩い雰囲気で進んでいくので、詐欺師の真骨頂であるハラハラやドキドキがまったくない面白味が一切ない内容になりました。
物語のほとんどを会話劇で構成しているが、何一つ面白いセリフ、気の利いたセリフ、インパクトのある言葉の応酬もまったくありません。
肝心の指輪を奪う作戦も小学生が考えるようなレベルだが、そもそも詐欺師としての実力がないから結局は運任せというオチにギャグとしても成立していない。
本作には印象に残るようなシーンはなく、ずっと同じ調子で物語が展開していくから飽きるのは非常に早いです。
ユマ・サーマンの顔が元に戻った事以外はどうでもいいし、ティム・ロスはマティーニしか飲んでいないし、マギー・Qはすぐ人を殺すだけでなんの魅力もない。
他にアリス・イヴは別にいらなかったし、パーカー・ポージーもいらなかったし、ソフィア・ベルガラもいらなかったです。
モテモテの映画監督を演じるクリスピン・グローヴァーはとてもアカデミー賞を受賞する人物じゃないし、劇中で自虐しているけど、そのまんま本作の監督を象徴していました。
とにかく、本作はこれだけのキャストを揃えていれば、普通に楽しめる作品が出来上がるはずなのに、ここまでつまらないモノを作れるのは逆に才能かもしれません。
この作品で笑えるならば、大抵の作品は名作に感じられるぐらい時間のムダだと思えました。
豪華キャストがハードルを引き上げたせいで、その落差によるガッカリ感は凄まじく、逆に監督のジェームズ・ハスラムが今後どのような駄作を作っていくか気になりました。