ゼイカム/到来 RE-3086

作品紹介

公開年月  2019/01/18
ジャンル  SF/ミステリー
原作  なし
監督  ジョニー・ケヴォーキアン
脚本  ギャヴィン・ウィリアムズ
製作  アラン・レイサム、ジャック・ターリング
製作国  イギリス
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

クリスマスに集まったミルグラム一家は家族団らんとかけ離れた雰囲気の中、全員が眠りに就いてします。
翌朝、長男が言えのドアを開けると黒い金属のようなモノが家が覆い、一歩も外に出られない監禁状態であると気付いてパニックになる。
そんな中、突然リビングのテレビ画面に指示に家族は政府の安全対策だとして従うが、次第にエスカレートして精神的に追い詰められて謎の生命体に襲われるのだった。

登場人物&出演者

ニック(演:サム・ギティンズ)
主人公。インド系の移民であるアンジーを恋人に持つ。実家に帰る事をずっと躊躇っていた。
サム・ギティンズは代表作に『デビルズ・トレイン』、『Ray & Liz』などがあります。
権力を振るう父親とは仲が悪く、差別主義者の祖父をボケ老人としてアンジーを守っていた。
家が謎の物質に囲まれると脱出を試みるも失敗し、トニーの意見に仕方なく従っていた。
途中でスパイ容疑をかけられて尋問を受けるが、ベスの介入で助かってアンジを助け出す。
最後は相手が寄生体だと判明して強気になったが、無数の触手に呑み込まれてしまう。

アンジ(演:ニーラ・ナイク)
ヒロイン。ニックの恋人でインド系。医師。初めてニックの家でクリスマスを迎える事に。
ニーラ・ナイクは代表作に『Life Goes On』、『Sold』などがあります。
当初からニックが拒んでいたが、なんとか打ち解けようとするが一家が差別主義者だと知る。
居づらくなったリビングから出るが、クリスチャンのニックと一緒の部屋には寝られず。
感染者だと疑われた事から部屋に隔離するが、古いテレビに謎の物体が脈打っていると知る。
最後はニックに助け出されるが、暴走した謎の触手の寄生体によって呑み込まれてしまう。

スコット(演:クリス・サドラー)
ベスの恋人。医療従事者。妊娠していたベスを第一に考えるが、基本的に主体性がない。
クリス・サドラーは代表作に『The Night Watch』、『Lancaster Skies』などがあります。
ミルグラム家にやって来ると、ほとんど存在感がなく、大黒柱のトニーの言いなりとなった。
注射器を回収する投入口に返却するが、助けを呼んだせいで指が切断されてしまう。
ケイトが足を複雑骨折するが、医療従事者なのに何もできずニックに警告を見たと告げる。
最後は暴走するトニーを止めようとするが、逆に斧で頭をかち割られて呆気なく死んだ。

ケイト(演:ホリー・ウェストン)
ミルグラム家の長女。祖父と同じく差別主義者。妊娠中でスコットを実家に連れて来た。
ホリー・ウェストンは代表作に『クライモリ/禁猟区』、『デビルズ・トレイン』があります。
インド系の移民であるアンジに差別的な意見を述べる祖父の味方をしてずっと不快感を示す。
徹底的にアンジを差別していくが、感染者がいると分かると彼女だとすぐに発言をした。
ニックが裏切り者とスコットに捕まえさせるが、2階から落ちて足を複雑骨折してしまう。
最後は敗血症にかかってもアンジが助けられず、赤ん坊が胎内に生きたまま死を迎えた。

ベス(演:アビゲイル・クラッテンデン)
ミルグラム家の母親。会社人間で融通が利かない夫のトニーに何も言い返せず黙ってしまう。
アビゲイル・クラッテンデンは代表作に『初恋キッパーバン』、『シャーロット・グレイ』などがあります。
帰ってきたニックを出迎えるが、恋人がインド系の移民だと知って少し引いてしまう。
家が謎の物質に囲まれると、それを破壊しようとしたニックに近所迷惑になると訴えた。
ケイトが複雑骨折して敗血症で死ぬと、何もしなかったトニーを激しく責めて平手打ちした。
最後はトイレにいると寄生体の煙を吸い込んで、助けようとしたニックたちの前で死んだ。

トニー(演:グラント・マスターズ)
ミルグラム家の大黒柱。根っからの会社人間。会社では管理職の部長で融通が利かない。
グラント・マスターズは代表作に『THE EXPERIMENT/ジ・エクスペリメント』、『Fossil』などがあります。
長男のニックとは非常に仲が悪く、差別主義者の祖父で父親には何も言い返せずにいる。
家が謎の物質に囲まれると、これは政府のテロ対策だとすぐに判断してみんなを従わせる。
危機的な状況で肝心な時に逃げ出してしまい、ニックから臆病者だと言われてしまう。
最後はニックに殺され、正体を現した謎の寄生体に体を使われて従うように言っていた。

祖父(演:デヴィッド・ブラッドリー)
ミルグラム家の祖父。30年に渡って憲兵として勤めた。そのせいでプライドが非常に高い。
デヴィッド・ブラッドリーは代表作に『ハリー・ポッター』シリーズ、『アメイジング・ワールド』シリーズなどがあります。
ニックからはすでに痴呆症だと言われているが、アンジたち移民を差別する発言していく。
そのせいでケイトも賛同してアンジと揉めてしまうが、その様子を笑いながら見ていた。
トニーに対して一度おねしょした事を今でも持ち出して、彼を大黒柱として認めなかった。
最後は感染症を防ぐ注射を打つが、年齢なのか効果がなかったのか吐血して死亡した。

感想

個人的な評価

本作は『未体験ゾーンの映画たち2019』にて上映された作品となっています。
この作品にはイギリスだけじゃなく、ヨーロッパに広がっている移民と差別主義者たちの問題を取り上げています。
近年では「ポリティカル・コレクトネス」という配慮をした映画が増えています。
特に多くの人種が入り交じるハリウッドでは顕著に表れていて、キャストを均等にするという試みが多くの作品に出ています。
更に人種差別を取り上げた作品も増えており、白人至上主義に対する風当たりが強くなっていると思います。
これはアメリカに限らず、ヨーロッパにもあって、多くの移民を受け入れているせいで様々な問題が発生しています。
そんな本作はイギリスが抱える移民に対する白人たちの感情と、それを受け止める彼らの感情が分かりやすく一家で繰り広げられています。
主人公の一家は差別主義者が多く、主人公が恋人でインド系移民の恋人を連れて行く事に躊躇した理由がすぐに分かります。
とにかく、主人公の家族は気分が悪くなるぐらい差別的な態度を示し、特に権力を振るう父親とハッキリ差別する祖父と姉が胸糞と言えるだろう。
その中で意見がまったく言えない母親、主体性のない姉の恋人など、弱者と強者の違いもしっかりと描いています。
前半はそんな胸糞な一家に主人公とヒロインが居心地悪くなるが、外に出ようとしたところから物語が本格的に始まっていく。
とは言っても、イギリス映画なのでハリウッドみたいに派手な事はせず、あくまで家の中だけで物語を完結させています。
結局は謎の寄生体によって世界が浸食されていくが、その中で適切な人間を選別しているという非常に面倒臭いやり方をしています。
当然のように謎の寄生体の正体など語れる事はないし、ラストでも本当の目的も分からないまま強引に終わってしまいます。
本作は前半部分を耐えたとしても、後半が面白いというワケじゃなく、結局はこういうタイプの作品が好きな人じゃないと厳しいかもしれない。
あくまで本作は『未体験ゾーンの映画たち』の作品であり、過大な期待を持たずに鑑賞したい人ならば最後まで付き合える可能性があると思います。