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ドラキュラZERO RE-2323

ドラキュラZERO RE-2323

作品紹介

公開年月  2014/08/06
ジャンル  ファンタジー/アクション/ホラー
原作  ブラム・ストーカー 『吸血鬼ドラキュラ』
監督  ゲイリー・ショア
脚本  マット・サザマ、パーク・シャープレス
製作  マイケル・デ・ルカ、トーマス・タル
製作国  アメリカ、イギリス、日本
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

15世紀のヨーロッパ、トランシルバニア地方を治める君主ヴラドは、愛する妻ミレナと一人息子と幸せな日々を送っていた。
そんなある日、同国を属国とみなす超大国オスマン帝国の皇帝メフメト二世が、ヴラドの息子を含む少年1000人をオスマン軍の為に差し出すよう迫る。
その要求を呑まなければ戦争は避けられず、全滅を覚悟しなければならなかった。
それでもヴラドはメフメトの要求をはねのけ、愛する家族と肉を守る為、古くから伝わる闇の力と契約を結び、強大な力を手に入れるのだった。

登場人物&出演者

ヴラド・ドラキュラ(演:ルーク・エヴァンス)
主人公。トランシルバニア地方の君主。過去にオスマン帝国の軍に差し出されている。
ルーク・エヴァンスは代表作に『ノー・ワン・リヴス』、『ホビット』シリーズがあります。
魔物の力により、力と素早さが向上し、暗闇で鼓動を感知し、動物を操る事ができる。
まさに無敵の力を得る事になるが、その代償として血への絶え間ない渇望に苛まれてしまう。
三日間耐え抜けば人間に戻れるけど、結局は運命に逆らう事ができず完全に魔物になる。
妻や息子、それに民の為に自分を犠牲にするが、魔物という事で恐れられる結果に。
メフメトの策略で民が殺されるが、逆にヴァンパイアの軍団を作り出してしまう。

ミレナ(演:サラ・ガドン)
ヒロイン。ヴラドの妻。誰よりも夫を信じていて、国の為に犠牲となった事を主張する。
サラ・ガドンは代表作に『危険なメソッド』、『アメイジング・スパイダーマン2』がある。
君主は国を守る為にいるが、最終的には息子を守る為だけに動く要因を作り出します。
最初はみんなを守ろうとしたのに、気づけば自分たちの息子を守るだけのワガママになる。

メフメト2世(演:ドミニク・クーパー)
悪役。オスマン帝国の皇帝。強大な力を手にしたせいで勘違いするお坊ちゃま。
ドミニク・クーパーは代表作に『300(スリーハンドレッド)』、『パニッシャー:ウォー・ゾーン』などがあります。
過去に廃止した少年1000人の差し出しを復活させ、兵力に物を言わせる傲慢な皇帝。
かつてヴラドとは兄弟のような関係も、権力によって理性がぶっ飛んだ典型的なバカ。

インゲラス(演:アート・パーキンソン)
ヴラドの息子。メフメトに人質として指名される。誰よりも父を信じている。
アート・パーキンソンは10作に出演し、近年はテレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』で活躍しています。
息子を守る事こそがヴラドの使命になるから、それ以上の存在とは言えなかった。
次なる君主の資質があると言われるが、自分勝手な両親の子供では説得力がなかった。

古来のヴァンパイア(演:チャールズ・ダンス)
トランシルバニアの洞窟に潜む魔物。呪縛により人から隠れて生きていた。
チャールズ・ダンスは近年の出演作には『チャイルド44/森に消えた子供たち』、『黄金のアデーレ/名画の帰還』などがあります。
ヴラドに力を譲渡する代わりに呪縛から解放される事に喜びを感じて姿をくらます。
現代になって再び姿を現して、ヴラドにまたゲームを仕掛けるよく分からない存在に。

感想

個人的な評価

モチーフはブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』となっている。
ただ、原作通りではなく、最初の吸血鬼と言われるヴラド・ドラキュラの物語です。
そもそもヴラド・ドラキュラは吸血鬼ではなく、単なるモデルの一人に過ぎなかった。
いつの間にか吸血鬼=ヴラドとなっているが、元々は“串刺し公”と呼ばれ、他国も恐れる冷徹な粛清が有名であった。
しかも、父親が“ドラクル(竜の子)”と呼ばれていた事からドラキュラに変化している。
加えて元の意味であった竜の子も、いつしか悪魔呼ばわりされた事から、吸血鬼のイメージに発展している。
それでブラム・ストーカーは『吸血鬼ドラキュラ』を発表し、その後は幾度となく映画化されてきました。
今では吸血鬼の元祖はヴラド・ドラキュラという解釈が一般的になっています。
本作はそれを踏まえた上で構築されていて、ヴラドが魔物、つまり吸血鬼になって敵の大軍を倒していく物語になります。
大軍を相手に魔物の力を手にした君主が戦う設定は非常に面白いと思っていた。
しかし、本作はそのような設定を中途半端に活かしてしまい、思っていたほどの爽快感が得られなかったです。
特に重要な最初の戦闘シーンは夜というのは仕方ないにしても、流行している意図的なカメラの手ブレで臨場感を出そうとする演出。
もうこれが大嫌いなのですが、画面が暗い事もあって、何をやっているのか分からない。
ごまかす意味でそうしているのだろうが、せっかくの迫力あるシーンも魅力が大幅にダウン。
もうアクションを観る気する失せてしまうようなクソみたいな演出で台無しにしている。
それにクライマックスでは、民がほとんど死にかけになっているところで主人公が彼らを吸血鬼にしてしまう。
この流れはいいけど、結局、主人公は民を守れずに自分の息子だけを守るという身勝手すぎる行動に引いてしまった。
良い君主のつもりで描いたはずなのに、最後の方では自分の都合で民を巻き込んだ暴君にしか見えなかった。
そのまま消えればいいのに、ノコノコと現代まで生きているから、息子を生かした意味がなくなるという頭の悪い結末を迎える。
映像はそれなりに頑張っているのに、設定や詰め込みが甘すぎるし、キャラクターに魅力がなさすぎました。
多くの可能性を秘めている世界観をまったく活かそうとしないセンスのなさにガッカリ。

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