オートマタ RE-2322

作品紹介

公開年月  2014/09/20
ジャンル  SF/サスペンス
原作  なし
監督  ガベ・イバニェス
脚本  ガベ・イバニェス、イゴール・レガレタ、ほか
製作  ダニー・ラーナー、レス・ウェルドン、ほか
製作国  スペイン、ブルガリア
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

2044年、太陽風の増加で荒廃した地球では人類は衰退し、人口が2100万人まで減少。
大企業のROC社はAIを搭載した人型ロボット(オートマタ)は、土木建築から家事まで人間のサポートをしていた。
安全の為にオートマタは“生命体に危害を加えてはならない”と“オートマタは自ら修理・改造をしてはならない”という制御機能が組み込まれていた。
しかしある日、何者かによって改造禁止の制御機能が無効となったオートマタが発見され、その調査にジャック・ヴォーカンが派遣されるのだった。

登場人物&出演者

ジャック・ヴォーカン(演:アントニオ・バンデラス)
主人公。ROC社の保険部に属する調査員。改造されたオートマタを追って真実を知る。
アントニオ・バンデラスは近年の出演作に『チリ33人/希望の軌跡』、『エクスペンダブルズ3/ワールドミッション』などがあります。
小さい頃に海の記憶を持っていて、再び見たいという事で異動願いをする。
妻の希望に準じていたが、どうしても海が見たいし、生まれてくる子供を安全な場所で育てたいという思いが強い。
それなのに、中盤以降は妻や子供と接触がなく、ずっと砂漠でクリオたちとさまよう事に。
アントニオ・バンデラスだからアクションを期待していたが、単なる保険の調査員だからそのような事はなかった。
しかも、アントニオ・バンデラスの良さを完全に消した主人公のキャラクターもかみ合わず。

スーザン・デュプレ博士/クレオの声(演:メラニー・グリフィス)
他のオートマタより優れたクリオを作った。ジャックの調査にとって重要な人物。
メラニー・グリフィスは代表作に『ワーキング・ガール』があります。
まさかあっという間に退場するとは思わなかったが、代役としてクリオが登場していく。
差別化を図る為に人間のような顔を装着しているけど、それがかなり不気味である。
『アイ,ロボット』のサニーみたいな立ち位置でも役割としては弱かった。

レイチェル・ヴォーカン(演:ビアギッテ・ヨート・ソレンセン)
ジャックの妻。臨月で子供が生まれたら復職を考えていて家事用のオートマタを欲しがる。
ビアギッテ・ヨート・ソレンセンはデンマーク出身で、テレビドラマや映画で活躍している。
外の世界よりも守られた壁の中を熱望していてジャックは黙って従っていた。

ボブ・ボールド(演:ロバート・フォスター)
ジャックが属する保険部の上司。異動をしたいジャックを引き留める。
ロバート・フォスターは代表作にテレビドラマシリーズ『HEROES』があります。
ジャックの行動によって立場が危うくなるも、それでも彼を信頼する素晴らしい上司でした。

ウォレス(演:ディラン・マクダーモット)
ヤク中の刑事。妻はすでに死んでいる。もの凄くオートマタに嫌悪感を持っている。
ディラン・マクダーモットは近年の出演作には『UFO学園の秘密』、『サバイバー』などがあります。
実は片足が機械の義足で、なんだか『アイ,ロボット』の主人公に似た設定に思えた。
ずっと怒っていて、そのままラストボスになると思えば、あっさり退場した。

ヴァーノン・コンウェイ(演:ティム・マッキナリー)
ROC社の実行部隊。会社にとって不都合なモノを容赦なく排除する冷酷非道な男。
ティム・マッキナリーは代表作に『ノッティングヒルの恋人』、『ジョニー・イングリッシュ/気休めの報酬』などがあります。
退場したウォレスの代わりにジャックと敵対するが、盛り上がる事なく簡単に倒される。

感想

個人的な評価

進化したロボットをテーマにした作品は数多く存在しています。
アイザック・アシモフの短編集『われはロボット』には有名な“ロボット工学三原則”が記されています。
ここから多くの人型ロボットをテーマにした作品が製作され、個人的にはウィル・スミス主演の『アイ,ロボット』を連想します。
本作では『アイ,ロボット』に通じる部分があるけど、基本的にサスペンスが強い作品。
ウィル・スミスの『アイ,ロボット』はアクション大作としてヒットしています。
その比較に本作があるけど、思っていた以上に物語が地味に展開していました。
主演がアントニオ・バンデラスだからアクションを期待すると痛い目に遭ってしまいます。
基本的に本作は改造されたロボットの真実を追う形になるが、途中から主人公はそれどころじゃなくなってしまう。
ここが作品の分かれ目になっていて、退屈に感じてしまうと先の展開には期待できない。
個人的にはそれなりのアクションがあると思っただけに、終始地味な展開に不満を持った。
そもそもロボットの造形がCGではなく、実物を使っているせいで動きがぎこちない。
当然ながらアクションができるはずがないので、このような地味な作品になったのだろう。
本作は将来訪れる可能性をリアルに追求しているから娯楽性は非常に低い。
可能性のある展開だが、なぜか一番地味な構成を選んでしまったのは残念であった。
アントニオ・バンデラスは華のある俳優だが、なぜか本作ではそれがまったくないのも痛い。
なんだか切り取られたようなシーンが多く、未来の設定は凝っているのに、登場人物や世界観が大雑把なのも頂けない。
まるで包み紙は立派に見えるが、肝心の中身が普通すぎて高まった期待値との落差が大きい作品でした。