作品紹介
公開年月 | 2016/12/21 |
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ジャンル | SF/アクション/アドベンチャー |
原作 | ユービーアイソフト 『アサシンクリード』 |
監督 | ジャスティン・カーゼル |
脚本 | マイケル・レスリー、アダム・クーパー、ほか |
製作 | ジャン=ジュリアン・バロンネ、ジェラルド・ギユモ、ほか |
製作国 | アメリカ、イギリス、フランス、香港 |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
2016年、殺人犯カラム・リンチに死刑が執行されるが、実際にはその身柄は生きたままアブスターゴ財団の研究所へ運ばれていた。
アブスターゴ財団では遺伝子に刻まれた記憶を辿る事ができる特殊な装置“アムニス”の開発がされていた。
カラムは“エデンの果実”の秘密を守るアサシン教団の伝説的なアサシン・アギラールの末裔であった
研究者のソフィア・リッキンはカラムの遺伝子の記憶を介して“エデンの果実”の秘密に迫ろうとするのだった。
登場人物&出演者
・カラム・リンチ/アギラール・デ・ネルハ(演:マイケル・ファスベンダー)
主人公。死刑囚。死刑執行される際、アブスターゴ財団の実験棟に密かに移送されている。
マイケル・ファスベンダーは近年の出演作に『エイリアン:コヴェナント』、『光をくれた人』などがあります。
「エデンの果実」探しに協力させる為、先祖の半生を追体験させるアムニスに繋がれる。
当初はムリヤリ従わされていたが、父親との決別によって自由意思でアムニスに入る事に。
その過程でアブスターゴ財団や「エデンの果実」の意味を知ってやるべき事を悟る。
復活したアサシン教団を率いてアランを殺して「エデンの果実」を見事に奪い取った。
・ソフィア・リッキン博士(演:マリオン・コティヤール)
ヒロイン。アブスターゴ財団で天才科学者として暴力を根絶する研究をしている。
マリオン・コティヤールは近年の出演作に『マリアンヌ』、『たかが世界の終わり』がある。
純粋に世界から暴力がなくせると思っていたが、それは父親に利用されていたという。
カラムを道具として思っているが、あくまで彼の意思を尊重して研究をしている。
ついにアギラールと完璧にシンクロしたカラムが見せるホログラムに自分の顔を見る事に。
最後はカラムによって父を殺され、その後を継いで「エデンの果実」の奪取を誓う。
・アラン・リッキン(演:ジェレミー・アイアンズ)
ソフィアの父親。アブスターゴ財団CEO。テンプル騎士団幹部で「エデンの果実」が目的。
ジェレミー・アイアンズは近年の出演作に『ジャスティス・リーグ』、『栄光のランナー/1936ベルリン』などがあります。
ソフィアの研究と才能を認める一方で、言葉を武器に世界的な地位を築いている。
あくまでその行動はテンプル騎士団が世界を支配する為でアサシン教団と表裏の存在。
相手が娘であっても利用し、テンプル騎士団の敵であるアサシン教団の破滅を企む。
最後は手に入れた「エデンの果実」を掲げるもあっさりとカラムに首を切られて死ぬ事に。
・エレン・ケイ(演:シャーロット・ランプリング)
テンプル騎士団の最高幹部。財政の問題でアムニスによる計画の中止をアランに通告する。
シャーロット・ランプリングは代表作に『愛の嵐』、『さざなみ』などがあります。
カラムが「エデンの果実」の居場所を探り当て、それを手に入れた事で満足していた。
・マクゴーウェン(演:ドゥニ・メノーシェ)
アブスターゴ財団の一人。アランにとって右腕的な存在で手足として動いている。
ドゥニ・メノーシェは代表作に『イングロリアス・バスターズ』、『スペシャル・フォース』などがあります。
ムサたちによる暴動で施設が危うくなり、リッキン親子の脱出を最優先させた。
・ジョセフ・リンチ(演:ブレンダン・グリーソン)
カラムの父親。アサシンの一人。過去にカラムの目の前で母親を殺している。
ブレンダン・グリーソンは近年の出演作に『夜に生きる』、『ヒトラーへの285枚の葉書』などがあります。
本当ならカラムも殺すべきだったが、愛情ゆえに殺せず、恨まれても構わないという考え。
実はアブスターゴ財団に囚われ、アムニスの影響で精神崩壊をひきおこしてしまう。
カラムとの再会では正気を保っていて、殺される覚悟を持つも母親の形見を渡される。
最後は「エデンの果実」の居場所を知ったアランによって施設もろとも処分される。
・ムサ(演:マイケル・ケネス・ウィリアム)
アサシンの末裔の一人。アブスターゴ財団に囚われ、アムニスによって情報を引き出される。
マイケル・ケネス・ウィリアムは代表作に『ハード・ブレット/仁義なき銃弾』、『ロボコップ/2014年版』などがあります。
当初はカラムを危険視していたが、彼が本来のアサシンとなってから従うようになる。
最後は「エデンの果実」を奪取するべく、テンプル騎士団の会合で暴れ回った。
・マリア(演:アリアンヌ・ラベッド)
中世スペインにおけるアサシン教団の一人。アギラールとともに訓練を受けてきた。
アリアンヌ・ラベッドは代表作に『ビフォア・ミッドナイト』、『ロブスター』があります。
共に訓練を受けて同僚以上で恋人未満の関係となって信頼以上の絆を持っている。
「エデンの果実」を手に入れるべくトルケマダから奪うも黒騎士オヘダに捕らわれる。
アサシン教団のメンバーは目的の為に自らの命を犠牲にする精神で自決をする事に。
・オヘダ(演:ホヴィク・ケウチケリアン)
テンプル騎士団の黒騎士。アサシン教団にとって強力な敵として登場している。
ホヴィク・ケウチケリアンは代表作に『スコーピオン/反逆のボクサー』などがあります。
「エデンの果実」を手に入れたトルケマダから奪おうとしたアギラールとマリアを迎え撃つ。
マリアを人質にするが、彼女の自決によって均衡が崩れてアギラールを追いつめていく。
最後はマリアの武器を使ったアギラールの攻撃で怯み、ナイフのメッタ差しを食らって死ぬ。
・トマス・デ・トルケマダ(演:ハビエル・グティエレス)
スペインの異端審問官。テンプル騎士団に属し、「エデンの果実」を求めていた。
ハビエル・グティエレスは代表作に『マーシュランド』、『クリミナル/完全なる強奪計画』などがあります。
捕まえたアサシン教団のメンバーを高らかな演説とともに火あぶりの刑に処する。
グラナダ王子と引き換えに「エデンの果実」を手に入れるがアギラールたちの乱入で人質に。
マリアが自決した事で硬直状態が解かれ、アギラールによって脇腹を刺されてしまう。
感想
個人的な評価
本作はユービーソフトの大人気ゲームソフト『アサシンクリード』の実写映画化となる。
いわゆる「潜入型アクションゲーム」で、バトルよりも敵に知られず隠れながら任務を遂行するというゲームである。
その代表格となるのがカプコンの人気シリーズ『メタルギアソリッド』だが、本作の原作もそれに並ぶ人気作となっています。
個人的に「潜入型アクションゲーム」はあまり得意じゃないので、ほとんどやった事がないので原作についてはよく知りません。
ですので、実写映画として初めて本作について分かる感じで素直に鑑賞ができるはずです。
早速と鑑賞して最初に思った事は、観ている側に優しくない構成だと感じました。
その最大の原因として、ゲームが原作なのにワザとなのか、物語が現代と中世に舞台を何度も入れ替わっている。
時系列を触るという事は、丁寧に状況を説明していかないと観ている側はついていけない。
原作を知っている人ならマシだが、知らない人からすれば、何が起きて、誰がなんの目的で何をやっているのか分からなくなる。
そうなってくると、目の前の事を理解するだけで精いっぱいとなり、映画自体を楽しめないという最悪のパターンに入る。
ハッキリ言って、本作には必要な説明や世界観の設定などは曖昧に語られ、よく分からない状況からドンドン物語が勝手に進んでしまう。
そもそも現代ではない中世が舞台で、しかも、登場するアサシンという特殊な設定を理解させないといけない。
それなのに、アサシンは何をしているのかよく分からないし、敵対しているテンプル騎士団も何がしたいのかすぐに理解できない。
つまり、本作は製作側だけが分かった上で進行してしまっているので、観ている側として楽しむ以前の問題となってしまう。
こういう映画というのは製作側が自己満足に浸り、一番重要な観ている側の立場を完全に忘れたダメな作品だと言える。
主演のマイケル・ファスベンダー、ヒロインのマリオン・コティヤールは良い役者なのに、脚本や演出がダメすぎて活かせていない。
本来なら丁寧な状況説明の上に原作が持つパルクールのアクション、中世ヨーロッパの世界観による映像で魅せるべき作品。
しかし、本作は小難しい事をしようとした結果、観ている側を素直に楽しませない演出になって退屈さを生み出す悪循環を作り出している。
とにかく、本作はゲームをやらないと分からない点が多く、予備知識のない人にはかなり不親切な構成となっている。
自分も原作を知らないので内容を追っていくだけで精いっぱいとなり、本来あるべき映画を楽しむ事が二の次になった。
ただ、本作におけるパルクールのアクションは素晴らしく、中世ヨーロッパのNINJAと言っても過言じゃないインパクトがありました。
どうせ実写映画化するならば、原作の良さを残しつつ、アレンジして物語のほとんどを中世ヨーロッパに置いても良かったのではないかと思う。
それぐらい舞台や雰囲気が素晴らしく、登場するアサシンたちも魅力的でした。