アザー・サイド/死者の扉 VD-94

作品紹介

公開年月  2017/03/04
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  ヨハネス・ロバーツ
脚本  ヨハネス・ロバーツ、アーネスト・リエラ
製作  アレクサンドル・アジャ、ベン・ピュー
製作国  イギリス、アメリカ、インド
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

最愛の息子を事故で亡くし、助けられなかった罪悪感と深い悲しみから抜け出せないマリア。
息子に最後のサヨナラを告げる為、マリアは使用人の女性に教えてもらった人里離れた森に佇む古い寺院を訪れる。
しかし、そこでマリアは決して開けてはいけないと言われた“禁断の扉”を開けるのだった。

登場人物&出演者

マリア(演:サラ・ウェイン・キャリーズ)
主人公。インドのムンバイで夫と娘とともに暮らす。交通事故で息子を目の前で亡くす。
サラ・ウェイン・キャリーズは代表作に『イントゥ・ザ・ストーム』、『ペイ・ザ・ゴースト/ハロウィンの生贄』などがあります。
交通事故で車が水没する中で娘を助けるが、息子のオリヴァーはそのまま沈んでしまう。
そのショックから立ち直れず、睡眠薬を過剰摂取して自殺未遂するまで追いつめられていた。
同情した家政婦のピキから教えられた死者と別れが告げられる扉を開けてしまう。
最後は間違えに気づいて、オリヴァーを助ける為に自己犠牲をするがマイケルが繰り返す。

マイケル(演:ジェレミー・シスト)
マリアの夫。インドのムンバイで暮らしている。悲しみに暮れるマリアを労っている。
ジェレミー・シストは代表作に『ザ・ハッカー』、『ホテルゾンビ』などがあります。
自殺未遂をしてしまうマリアを心配し、挙げ句は旅に出た彼女を更に心配する事に。
旅から戻ってきたマリアがウソのように元気を取り戻した事に違和感を持つ。
ルーシーを乗っ取ったオリヴァーに刺されるも生きていたが、マリアが犠牲となる。
その後、マリアに会う為に誰からか聞いたのか分からないが死者の扉で彼女を呼びかけた。

ルーシー(演:ソフィア・ロージンスキー)
マリアとマイケルの娘。交通事故の時に気絶し、マリアがなんとか助け出した。
ソフィア・ロージンスキーは代表作に『Bloodline』、『Forever Boys』などがあります。
ルーシーが禁断の扉を開けた事で何かの存在を察知して一緒に遊んでいた。
オリヴァーが蘇った事で自分勝手となって、肩口を噛まれるなどイジメられてしまう。
力を増したオリヴァーに乗っ取られ、愛犬を殺すなど利用される可哀想な妹。
最後はすべての罪を一人で背負うマリアにより、オリヴァーの呪縛から解き放たれる。

オリヴァー(演:ローガン・クララン)
マリアとマイケルの息子。交通事故の時、足が挟まれて身動きできず溺死してしまう。
ローガン・クラランは代表作に『Steel』、『The Midnight Man』などがあります。
サヨナラを告げるべくマリアと死者の扉で会話をするが、それを開いたせいで蘇る事に。
魂が腐った状態で蘇ると、それを邪魔しようとしたピキを殺してしまう。
妹のルーシーに乗り移って邪魔になったマイケルを刺すが、アゴーリの儀式に囚われる。
最後はルーシーの身代わりとなったマリアにより冥界へと連れ帰られる事になる。

ピキ(演:スチトラ・ピライ)
マリアとマイケルの家に家政婦として雇われている。息子を亡くしたマリアを心配する。
スチトラ・ピライは代表作に『Dil Chahta Hai』、『Dulha Mil Gaya』などがあります。
憔悴しきっているマリアに同情し、オリヴァーに別れを告げる方法を教える事になる。
しかし、禁断の扉を開けたマリアにガッカリし、オリヴァーを帰すべきだと警告していた。
話しを聞かないマリアを差し置いて、後処理しようとするがオリヴァーに殺される。

感想

個人的な評価

本作はイギリス、アメリカ、インドという珍しい組み合わせの合作となっています。
舞台はインドのムンバイになっていて、他の映画と違った雰囲気があります。
肝となるのはヒンドゥー教で、死者と会話ができるというところから発展しています。
基本的な構造は幽霊や悪魔の類のホラー映画と変わらないが、インドという点が面白い。
正直言って、ヒンドゥー教はどんな宗教か分からないので、本作での扱いは正しいのか分からないです。
しかしながら、ちゃんとインドらしさも出ていて、死者と会話するアゴーリという存在もそれらしい雰囲気を持っています。
本作は主人公であるマリアは目の前で息子を亡くした悲しみから立ち直れないほど憔悴しきっています。
それを見た家政婦が自分の生まれ育った村に生死の世界の境界線がある寺院を紹介し、そこでマリアが息子と交信して別れを告げる。
だが、当然のようにそれだけじゃ済まず、主人公は禁断の扉を開けてしまい、そこから色々と起きていくという展開。
マリアを演じるサラ・ウェイン・キャリーズはゾンビをテーマにしたテレビドラマ『ウォーキング・デッド』で有名な女優である。
その時の役柄は母親ながら相当のビッチで、シリーズ中でも屈指の不人気キャラでした。
なので、どうしてもサラ・ウェイン・キャリーズのイメージがあまり良くないのに、本作でも似たような立ち回りとなっています。
とにかく、このマリアは自分がやった間違えを一切認めず、明らかにヤバイ状況になっても逃げようとする。
そうなってくると、クライマックスで待っている自己犠牲は完全なる自業自得に思える。
いくら息子を目の前で亡くしたからって、ルールを破るのは間違えだと認めるべきだけど、そこが主人公になった所以だろう。
マリアのせいで同情したピキが死んでしまい、ようやく目が覚めるが時すでに遅しの状態。
自己犠牲で一応の名目は保ったが、最後に今度は夫が同じ過ちを繰り返すという負のスパイラルを生み出してしまう。
この家族のせいで世の中がメチャクチャになると思えば、彼らは主人公として充分に機能していると言えます。
ストーリーとしては平凡で驚く展開はないが、貞子的な地下世界の番人の造形は悪くないと思いました。
やはり、サラ・ウェイン・キャリーズは共感を与えないキャラクターばかりのオファーが来ているのでしょうか。
そう考えると、サラ・ウェイン・キャリーズに同情してしまう部分がありました。