作品紹介
公開年月 | 1979/05/25 |
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ジャンル | SF/ホラー |
原作 | なし |
監督 | リドリー・スコット |
脚本 | ダン・オバノン |
製作 | ゴードン・キャロル、デヴィッド・ガイラー、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | 購入DVD |
あらすじ
地球への帰途につく宇宙貨物船ノストロモ号は、謎の救難信号を受け未知の惑星に降り立つ。
そこには異星人の船があり、船内には無数の奇怪な卵が存在し、調べていた航宙士ケインに中から奇妙な生物が顔に貼り付く。
ケインをノストロモ号へと回収し、しばらくして生物が顔から剥がれ、意識を取り戻しクルーたちと食事をしていた時、彼に異変が起きて、腹を突き破ったエイリアンが飛び出す。
エイリアンは広い船内で姿を隠しながら脱皮して巨大に成長して、クルーたちを一人ずつ血祭りに上げていくのだった。
登場人物&出演者
・エレン・リプリー(演:シガニー・ウィーバー)
主人公。二等航宙士。ダラスとケインが船外にいる時は彼女がノストロモ号の指揮代行。
シガニー・ウィーバーはデビュー作に『アニー・ホール』となっています。
誰よりも責任感が強く、防疫のルールを頑なに守って、ダラスたちを船に入れなかった。
ルールを簡単に破ってしまった科学主任のアッシュを強く非難していた。
ダラスやケインがいなくなって、実質的に船長となってバラバラになるところで結束させる。
最後は脱出用のシャトルでエイリアンと対峙し、咄嗟の機転で船外へと追い出した。
・ダラス(演:トム・スケリット)
ノストロモ号の船長。リーダーとして絶大な信頼を持つ一方で会社には逆らえない。
トム・スケリットは代表作に『トップガン』、『コンタクト』などがあります。
船外でケインが奇妙な生物を顔に貼りつけられ、彼を助けようと防疫ルールを無視した。
エイリアンが船内に潜んでいる状態から打破するべく自ら駆除を買って出る。
しかし、狭いダクトで上手く身動きが取れず、逆にエイリアンに追いつめられ囚われる事に。
・ケイン(演:ジョン・ハート)
副長。一等航宙士。地球へ帰還するノストロモ号で最初にコールドスリープから目覚めた。
ジョン・ハートは代表作に『ミッドナイト・エクスプレス』、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』などがあります。
船外で救難信号を送る謎の宇宙船で調査し、そこでフェイスハガーが顔に貼り付く。
なんとかノストロモ号に戻るが、フェイスハガーにより麻痺されて意識がない状態となる。
その後、フェイスハガーが剥がれると意識を取り戻して、地球へ帰る前に腹ごしらえをする。
だが、突然異変が起きると、腹部を突き破るエイリアンの幼体が飛び出して絶命した。
・アッシュ(演:イアン・ホルム)
科学主任。ノストロモ号が出発する二日前に担当者と入れ替わって乗組員として加わる。
イアン・ホルムは代表作に『フィフス・エレメント』、『ロード・オブ・ザ・リング』などがあります。
リプリーが船外活動をしていたダラスたちを入れる事を躊躇う中で彼らを中に入れた。
科学者として防疫ルールを無視した行動だったが、それこそが会社のルールを優先した結果。
その後、エイリアンを殺そうとするリプリーを許さず、彼女を手にかけようと暴走する。
駆けつけたパーカーにより破壊され、リプリーが修復して情報を引き出そうとする。
最後はリプリーたちに同情の言葉を残すが、パーカーによって火炎放射器で燃やされた。
・ランバート(演:ヴェロニカ・カートライト)
二等航宙士で操舵手。コールドスリープから目覚め、地球からコースが外れている事を知る。
ヴェロニカ・カートライトは代表作に『鳥』、『SF/ボディ・スナッチャー』があります。
エイリアンが出ていた時に取り乱し、ダラスが死んだ事でパニック状態となってしまう。
その際にシャトルで地球に向けて逃げる案を出すが、全員乗れないという事で却下される。
アッシュの暴走でトドメを刺し、シャトルで逃げる際にエイリアンと遭遇して恐怖で固まる。
パーカーが助けようと飛び出すが、それを見ても何もできず結局は殺されてしまう。
・パーカー(演:ヤフェット・コットー)
黒人の機関士。コールドスリープから目覚めると、ダラスに給料への不満をぶつけていた。
ヤフェット・コットーは代表作に『007/死ぬのは奴らだ』、『バトルランナー』があります。
何度も故障するノストロモ号を修理するが、その度に不平不満をブレッドにこぼしている。
常に何か食っていて、リプリーに対して苛つく場面が多く、ブレットに文句を口にする。
エイリアンを倒す為に20分で火炎放射器を作る知識を持っていて頼れる一面を持つ。
最後はランバートを襲うエイリアンに飛びかかるが、敵わずにインナーマウスで殺される。
・ブレット(演:ハリー・ディーン・スタントン)
機関士。パーカーの相棒で彼の言葉に対して「その通り」が口癖となっている。
ハリー・ディーン・スタントンは代表作に『沈黙の断崖』、『グリーンマイル』があります。
いつも不平不満を言っているパーカーの聞き手だが、ほとんど聞き流している。
ケインが昏睡状態の時は、紙タバコを巻きながら「その通り」を連発させる。
エイリアンを捕まえるべく、リプリーとパーカーとともに追いつめたがそれは猫だと知る。
逃げ出した猫を捕まえようとしてエイリアンと遭遇し、何もできずに連れ去れてしまう。
感想
個人的な評価
本作ダン・オバノンによる脚本から計画がスタートしています。
ダン・オバノンと言えば、初監督作品となったゾンビ映画『バタリアン』だろう。
ただ、ダン・オバノンは監督よりも脚本家として成功し、『スペースヴァンパイア』、『トータル・リコール』などがあります。
で、そんな本作ではCM監督として活躍し、『デュエリスト/決闘者』の監督デビュー作しかなかったリドリー・スコットが務めた。
現在ではリドリー・スコット監督は『ブレードランナー』などのSF映画で絶賛されているが、賛否両論の作品も多いです。
個人的にはリドリー・スコット監督の作品とは相性が良くないというイメージがあります。
しかし、本作はSF映画のあり方を変えた作品であり、本来ならB級映画と言えるが、本作で一級品の作品に仕上げています。
当時は『スター・ウォーズ』や『未知との遭遇』でSF映画に可能性が見出され、本作はそれに続く新たな歴史を作り出した作品となりました。
特に主人公のリプリーを演じたシガニー・ウィーバーは新たなる戦うヒロインとして、その後の作品に大きな影響を与えています。
冷静に見れば、本作はたった一匹のエイリアンが船に潜り込んでいるだけだが、打つ手がない乗組員たちを次々と殺していく恐ろしさを上手く際立たせています。
そこに宇宙船の独特な造形、BGMではなく、機械音がずっと流れる不気味さなど、リドリー・スコット監督らしい雰囲気となっています。
ホラー映画の定番である驚かせる演出があるけど、そこにはリドリー・スコット監督らしいBGMによる緊張感を上手く使っている。
そして、ついにエイリアンが成体となって姿を現した時の衝撃は凄まじく、その様子を見る猫の瞳との対比も非常に上手い。
本作がSF映画の金字塔である『エイリアン』シリーズをスタートさせた作品として、様々なパン屑を置いていた功績も高い。
それに1979年の作品だが、多少の古さを感じても、ストーリーは今でも引き込まれます。