パージ:エクスペリメント RE-3148

作品紹介

公開年月  2019/06/14
ジャンル  アクション/ホラー
原作  なし
監督  ジェラード・マクマリー
脚本  ジェームズ・デモナコ
製作  マイケル・ベイ、ジェイソン・ブラム、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

経済が崩壊して社会に混乱が広がるアメリカでは、共和党と民主党に代わる“NFFA(新しいアメリカ建国の父たち”が政権を奪取してしまう。
アップデール博士が犯罪率を下げる効果がある“パージ法”を実証実験をニューヨーク州スタテン島で行う事を決定する。
実験が行われる12時間は殺人を含む一切の犯罪が合法となる代わりに、実験に参加する島民には5000ドルの報酬を得るのだった。

登場人物&出演者

ディミトリ(演:イラン・ノエル)
主人公。地元を縄張りにしているギャングのボス。過去にナイアと付き合っていた。
イラン・ノエルは代表作に『House of Another』、『The Weekend』などがあります。
パージ法には反対で一般人が殺人をしないと語るが、ブツを移動できない事で留まっていた。
仲間の裏切りに遭うも処刑し、政府の傭兵が介入していると知って地元を守ろうとする。
ドローンで仲間がほとんど殺されると、単身でナイアたちを助けるべく傭兵を殺しまくる。
最後は銃弾を食らうも傭兵たちを一掃し、地元を守った英雄として住民に感謝される。

ナイア(演:レックス・スコット・デイヴィス)
ヒロイン。低所得者が住むアパートに弟と住んでいる。ディミトリと付き合っていた。
レックス・スコット・デイヴィスは代表作に『スーパーフライ』、『Foster Boyko』がある。
パージ法が島で実証実験される事に強く反対し、デモのリーダーとしてずっと訴えていた。
弟がギャングの道に行こうとする事を引き留め、なんとか両親の代わりをしようとする。
イザヤがパージに参加して追い詰められると助けに行き、仲間たちとアパートへ避難した。
最後は助けに来たディミトリと協力して傭兵たちを倒して、素直に彼に感謝をしていた。

イザヤ(演:ジョイヴァン・ウェイド)
ナイアの弟。低所得者のアパートに住んでいるが、水漏れやゴキブリにウンザリしている。
ジョイヴァン・ウェイドは代表作に『The Weekend Movie』、『The Dare』があります。
ドラッグの売人をしようとしてスケルターに狙われ、カミソリで首を切られて恨みを持つ。
スケルターを殺そうとパージに参加するも度胸がなく、結局は姉に迷惑をかけてしまう。
ナイアの指示で侵入してくる傭兵たちを迎え撃ち、ドロレスと同じぐらいに役立った。
最後は助けに来たディミトリの言う通りにクローゼットに隠れ、彼のおかげで生還を果たす。

ドロレス(演:ムガ)
ナイアたちが住む低所得者のアパートの住民。故障したエレベーターのせいで文句を言う。
ムガは代表作に『プレシャス』、『ファースト・マッチ』などがあります。
パージ法が実証実験される中で金がもらえる事で、深く考えずにみんなと残っていた。
教会で神父が隠していた酒を見つけると、ナイアに見せてから説教の最中に飲んでいた。
ナイアがなかなか戻らず、待っていられず教会を出て危険な外に出て、アパートで合流した。
最後はナイアの作戦で侵入する傭兵を一人殺し、ディミトリの助けで生還を果たした。

(演:モ・マクレー)
地元ギャングの一人。ディミトリの友人で側近。常にディミトリと行動して面倒を見る。
モ・マクレーは代表作に『ギャングスターズ/明日へのタッチダウン』、『わたしに会うまでの1600キロ』などがあります。
ディミトリにとって頼れる片腕となっていて、パージ法が実証実験される事に反対している。
一般人が殺人をする覚悟がないと話すディミトリに対して、同じような考えを持つ。
無事に裏切り者の制裁をして帰ろうとするが、暴走トラックに追突されて負傷してしまう。
最後はドローンの銃撃でケガを負ってしまうが、なぜか普通に歩けるほどに回復した。

ゾー(演:ジャーメル・ハワード)
地元ギャングの一人。主に武器などの調達をしている。元軍人で武器などには詳しい。
ジャーメル・ハワードは代表作に『ブレイブワン』、『オール・アイズ・オン・ミー』などがあります。
パージ法で一般人がギャング気取りだとあざ笑い、彼らには殺人の度胸はないと主張する。
出所が不明な武器が売られていると知って、すぐに買い占めて武器庫に多く置いていた。
パージが始まってディミトリの指示でブツを守り、何かあればすぐに駆けつけると話した。
最後はナイアたちのアパート前に到着するが、ディミトリをドローンの攻撃から助けて死亡。

スケルター(演:ローティミ・ポール)
パージ法に最も賛同していた参加者。ドラッグ中毒者で喜んでパージ法に参加をしている。
ローティミ・ポールは代表作に『Dutch Kills』、『Mapplethorpe』などがあります。
パージ法が施行されて最初の殺人を始めると、全国にその殺しを映し出されて象徴となる。
パーティが行われている場所で無差別に殺人を始めると、銃を突き付けたイザヤを追う。
ナイアを人質にしてイザヤを誘き出そうとするも反撃を食らい、ケガを負って見失う。
最後はナイアたちを追い詰める傭兵たちの背後から現れ、ナイフで次々と襲うも銃殺された。

サビアン補佐官(演:パッチ・ダラッグ)
NFFA首席補佐官。アップデール博士が立案したパージ法を法案通過させた立役者。
パッチ・ダラッグは代表作に『ヴィジット』、『ハドソン川の奇跡』などがあります。
スタテン島を実験の場所に選んだアップデール博士を支援し、パージ法の成功を信じる。
殺人が連鎖しない状況に政府と相談し、傭兵を使ってパージを活発にしようと図る。
アップデール博士に計画を知られてしまい、彼女の作ったパージ法を褒めながら始末した。
最後は政府の介入が世間に知られず、実証実験が成功してアメリカ全土で施行を果たす。

アップデール博士(演:マリサ・トメイ)
心理学者。NFFAに雇われてパージ法を立案した。あくまでパージのデータ分析を行う。
マリサ・トメイは近年の出演作に『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』などがあります。
当初は小さな抗争が起きて連鎖的に少しの殺人があって、徐々に収まっていくと予想する。
突然拡大する殺人に疑問を持つと、監視員に頼んで調べてもらうと政府の介入を知った。
アメリカ全土に広げようとするNFFAの陰謀を知るが、サビアン補佐官にバレてしまう。
最後はスタテン島で処刑されてしまい、NFFAにとって国を救った英雄として記憶される。

感想

個人的な評価

本作は1年に12時間だけ殺人を含むすべてが合法になる“パージ法”が施行されるアメリカを舞台にするシリーズの4作目となります。
今回は4作目であるが、物語としては“パージ法”が最初に実証実験される作品となります。
つまり、本作はこれまでのシリーズと違って、初めて施行される“パージ法”について行う者と参加する者などのドラマが展開される。
今までの作品は理不尽なパージに巻き込まれた主人公たちが生き残る展開だったが、本作はその前の段階から始まっています。
基本的に低所得者たちが中心にいるが今のアメリカでも同じく黒人やヒスパニック系で、ある意味、将来を暗示しているような物語になっている。
本作はシリーズと違った構成になっていて、当初よりも殺人が少なくて政府が介入するという形を見せてしまっている。
やはり、不気味な仮面を被って襲って来るサイコパスたちが怖いのが売りなのに、本作は意図的に仕込んだ裏側を映し出すのは逆効果に感じられた。
それと本作で最も微妙だったのはギャングたちが地元愛の為に町の人々を救うという点です。
政府の介入で投じられるのは金で雇われた傭兵であり、当然のように訓練を受けていて一般人では相手にならないはず。
それなのにギャング相手にあっさりと殺されてしまう彼らの弱さに笑ってしまいます。
何より笑えるのは主人公が単なるギャングのはずが、まるで特殊部隊のエリート兵士並みにアクションを見せている点だろう。
確かに体を鍛えたマッショマンであるけど、ギャングが傭兵を手玉に取れる展開はリアリティがなさすぎて笑えてきました。
主人公を強くする為に現実離れした無敵さを兼ね備え、助手席に座って横からトラックに追突されても運転手よりもケガが浅いのは本当に笑える。
元恋人を助けに行こうと仲間がほとんどドローンで殺されるけど、自分だけは無傷で助かる展開も強引すぎて笑えました。
このシリーズは理不尽さと一般の人間が殺人をする為に非常となるところが面白いのに、前日譚とは言ってもすべてを否定している時点で別物になっている。
本来のサスペンス調よりもメインをアクションに置いた事で、ジャンルすら変わっているのも個人的には失敗なように感じました。
それと強烈な存在感を出した殺人鬼のスケルターは、完全に使い方を間違えてしまい、これが一番の失敗だったと思います。